歪んだアメリカの危険
アメリカが世界をダメにしようとしている。アメリカという世界で一番軍事力があり、経済力のある国が、自分だけの為に国を運営するとしている。このままでは世界は破滅に向う。強いものが、弱いもののことは無視して、自分だけの為にやるというのだ。このまま行けばひどいことになるのは目に見えている。これが競争主義の行き着く先である。資本主義というものは良い面は沢山ある。然し行き過ぎれば、格差社会が深刻化する。アメリカは格差など構わないと宣言したのだ。弱いものに譲る必要などないという事なのだろう。トランプにしてみると、アメリカは今まで世界の弱者に譲り過ぎたという思いだろう。もっとアメリカファーストで行けば、アメリカの豊かさはさらに大きくなっていたはずだという思いだろう。戦争を続けてきたが、これもアメリカが犠牲になって、戦ってきたのに感謝さえされていない。世界のために戦うのはもうやめて、自分の得になる戦いだけを目指すと宣言した。
世界がどうなろうともアメリカだけが豊かになれると信じているのだろう。これほど利己的なことをアメリカが主張したことはかつてなかった。実はそれは当たり前のことで資本主義というものは競争相手が豊かになることで、自らもより豊かなるものだからだ。自分だけ豊かになり他のものがすべて疲弊してしまえば、自分の豊かさも減退してゆく。どれほど良いものを安く作れようとも、買える人がいなくなれば売れないのだ。だからトランプ以前のアメリカは世界全体が豊かになるという事を目指さざる得なかった。資本主義国家であれば当然の選択である。しかし、中国の資本主義は違っていた。中国だけが良くなれば構わないという価値観である。国家資本主義である。その中国が後進国であった時代はそれでも許された。中国が一国主義であっても資本主義全体の枠の中で、融通が利いた。ところが中国の経済はすでに日本の2倍になろうとしている。そしてアメリカに追いつく勢いである。
アメリカは初めて追い抜かれる可能性が見えた。そこで、競争が公正ではないと主張を始めた。アメリカが断トツで会った時の条件を引きづっている訳には行かないという主張なのだろう。あれほどアメリカが押し付けようとしていたFTEですら、アメリカが不公平だと主張を始めた。アメリカは余裕を失い、狼狽して見苦しい強欲な姿をさらしている。大金持ちが財産を失いそうになった時の見苦しさだ。アベ氏は世界で唯一首脳として、互いを認め合う人物という事になっている。アベ氏はそう自分で感じて動くというのではなく、それが日本の得であるというチーム鵺の分析に基づき、そう演じているのだろう。先日は、名護選挙を前にして、トランプに電話をして米軍ヘリコプターに抗議をした振りをした。ところが、駐留米軍は何の反応もなしである。つまりアベ政権がどのように、へばりついてもトランプアメリカの利己主義は揺らぐことはない。
アメリカは北朝鮮の脅威に常軌を失っている。核ミサイルの強化を命じた。ロシアの核ミサイルに対抗すると言っているが、金持ちは常に不安だ。どんどん武力主義に傾斜するだろう。それに対して世界中が軍事力を強化することになる。北朝鮮の核ミサイルが許されないという背景には、世界の核軍縮があるからだ。それを強いアメリカがさらなる核兵器強化をするという事は、北朝鮮の核ミサイルを認めたという事になる。さらにテロは増加するだろう。世界が危うい軍事衝突の瀬戸際に向おうとしている。日本の平和憲法ははこの世界の軍事の問題に対して平和的努力を行えと政府に命じている。今が最後の努力の機会かもしれない。アメリカが利己主義に狂ってしまった以上、日米同盟は日本の危険を増すことになっている。アメリカは日本を犠牲にしても、アメリカだけを守ろうとすると考えなければならない。