自治会活動と寄付行為
自治会活動から離れて、3ヵ月が経ち安堵している。何とか乗り切ったが、自治会にある矛盾にすっきりしないものが残った。一番は自治会がかかわる寄付行為であった。お願いする立場で動くしかなかった。最高裁判決で寄付行為を自治会費からまとめて行う事は、違法行為であると決まっている。赤十字募金を自治会費として集めた中からまとめて出す行為は違法なのだ。違法行為になった場合のことを役所に問い合わせた。小田原でもかなりの自治会がまとめて出しているそうだ。大丈夫だろうというあいまいな答えだった。しかし、戸別に組長が集める負担はかなり難しい。組長も忙しい中頑張って協力してくれている。これ以上の負担をお願いするという事は私にはできなかった。様々なことで各家をお訪ねする。一度でお会いできた家は少ない。4,5回訪ねてやっとという家もある。忙しい中時間を割いて自治会の仕事をしている。そこで、まとめて自治会が納入する物の一覧表を作り回覧した。
赤十字の募金を廻るために、集めて領収書を配るなど3回平均で訪ねる。その負担は大きいと思う。試行錯誤の結果、自治会費の中から出しておこうという事になったのだろう。しかし、これが神社の費用となると若干別である。これも一部は自治会費で出されている。大半は寄付帖が回ることになる。創価学会関係者が自治会にいると、抗議がなされるといわれていた。確かに憲法違反である。抗議することが正しい。こうしたことで自治会の役員の成り手がさらにいなくなり、ただでさえ成立困難な自治会はどうすればいいのか。私は結局この点でも事勿れで自分をごまかして終わりまで我慢した。その他敬老会のことでも同じごまかしをした。情けないが、地域というものは矛盾に満ちて成り立っている。矛盾に我慢できない人を、しゃくし定規の堅物という事で、他の場面でつけが回る。個人募金にして募金ノートを回したら、10分の1になったという話も聞いた。自治会には困窮家庭もある。それでも募金をしていることになる。自治会加盟を拒否するわけだ。
地域が成立していないという事が一番の問題なのだろう。しかも、赤十字の募金というものが、そもそも日本の社会で意味が不明瞭になっている。自治会で募金を肩代わりするくらいなら、税金で補てんした方がましではないだろうか。社会福祉のための募金は本人が進んで行うから意味が有る。募金は使い道がはっきりしていた方が良い。赤十字のように、その使用目的が赤十字に任された募金は、もうやめた方が良いのではないだろうか。いつの間にか自治会が立て替えているというのでは、個人的には無意味というしかない。そんなお金を全国から集めて赤十字というものが出来ているという事を、当の赤十字ではどのように考えているのだろうか。お金が必要だから、集め方の方は目をつぶっているのだろうか。多分そんなところだろう。だから、募金を行う場合、間違っても赤十字を通して行うことは避ける。
自治会活動は一度止めた方が良い。共同体としての地域が無くなったおだから一度止めるのが正しい選択だ。止めれば混乱があり困ると思うだろうが、本当に困るものがあるなら、必要なものは可能な形で再構築されるだろう。必要なことは個別な組織で行う、課題別の組織構成にした方が良い。地域のお祭りが必要ならば、必要と考える人で作り直さなければもう限界だと思う。義務的に形だけ実行するという事では、運営も大変だが、参加する人でさえ義務的な負担感がある。毎年そうなのだが、川掃除を行う時期が田植え時期と重なる。本来であれば川掃除があり、その後田植えとなる。農業から地域が完全に離れたという事なのだ。そして共同体としての地域は失われた。神社のお祭りでは豊作が祈願され稲穂が祭られるが、稲作の方が失われかけている。農業を共同で行うという、背景が無ければ自治会は成立しないという事だろう。