病めるアメリカ、トランプ現象
アメリカ共和党の大統領候補戦はトランプ氏が優勢である。大統領になる可能性も出てきている。TPP破棄を主張している。日米同盟の破棄も発言している。この人の本音がどこにあるのかはまだ分からないが、アメリカ一国主義のようだ。アメリカので起きそうな流れだと思っていた。安倍政権のアメリカ依存の危険を反省する良い機会である。アメリカは世界一の豊かな国である。アメリカはしがらみのない新しい国だ。資本主義経済を純粋に突き詰めてきた結果である。そして経済に於いて成功したアメリカを、世界中が目指さざる得なくなっている。それが資本主義の行く先である以上、国家が今のアメリカを目指してきたというより、資本が、企業が利益を上げようと続けている結果である。世界中にアメリカ型の企業が産まれ、いつの間にか企業は国を超えた。
アメリカのような国に日本には成ってほしくはない。だから、安倍政権の方針には反対である。アメリカは豊かではあるが、貧困も相当のもののようだ。豊かな国だからこその貧困問題。他国に正義を求めはするが、アメリカ銃社会の悪弊は深刻化している。さらに深刻化させても、豊かさには変えられないというのがトランプ氏である。いよいよアメリカの本音が表面化してきた。トランプ氏が大統領になれば、沖縄の米軍基地を返してくれるだろうか。たぶん返還どころか、基地はできるだけ日本に移せぐらい言い出すのではないだろうか。それができないなら、日米同盟は破棄だと脅す事だろう。トランプ氏が過激発言をして人目を引こうとしていると考えてはならない。アメリカ人の本音をさらけ出していると見た方が良い。だから、当初の予想に反して、支持が急速に広がっているのだ。言いたくても言えない本音を見せつけたトランプ現象。資本主義がどのような弊害を生み、どのように国家を崩壊させるかを今トランプアメリカが見せてくれようとしている。
日本がどこへ向かうべきなのかを、トランプ氏の言動から考えてみることが重要になる。経済も、軍事力も、競争であり、勝利者が豊かになると考えている。これは社会の未来全体を見ていないからだ。能力不足の敗者が下積みで仕方がないとしても、いつまでもおこぼれをいただいて我慢しているだろうか。豊かな層と、貧困層の2極化。貧困層は競争自体に加われないことになる。階級社会が確立する。すでにアメリカはこうした状況が現実化してきている。貧しさは自己責任だして、貧困階級を固定化しようとする。それが富裕階級の利益だからである。富裕層が連携して、階級社会を作ろうという呼びかけが、トランプ氏の主張である。富裕層の不安が銃砲所持である。安倍政権も後追いのトランプ氏である。1億総活躍と言いながら、現実には保育所の充実すら遠のいている。地方創生と言いながら、地方の消滅は日に日に進んでいる。トランプ氏ほど正直に言わないだけで、安倍氏の方角はまさにトランプ的と考えた方が良い。
安倍氏は、「保育園落ちた。日本死ね。」のブログを名前がわからないから確かめようがないと国会答弁していた。これが安倍氏の実像である。階層化した現実が日本にあるくらい、たいていの日本人が感じていることだ。ところがトランプ的安倍氏の実態人間は、そのような庶民の暮らしに想像が行かない。この発言はたちどころに、安倍氏のブレーンによって方向が変えられ、また安倍氏は木偶人形に戻り、保育園の充実を行うなどと空手形を口先だけで述べるようになった。トランプ氏が大統領になれば、日本は経済的に苦しくなるだろう。円高にすると脅されることだろう。アメリカが中国のようになると考えたらわかりやすい。日本は日本で行くしかないのだ。不安であろうとも、アメリカを天国として、1つの州になりたいなどと国会で発言するような、くだらない自民党議員を今こそ忘れないことだ。