無加温ハウス

   

季刊地域では地域エネルギーの特集だ。ロケットストーブの進化形がいろいろ出ていておもしろい。特に「なんたん暖炉」という暖炉式薪ストーブはロケットストーブを内蔵していて感心した。調理もできるも上にヒートライザーを内蔵しているから、煙突問題が解決されている。これこそ作ってみたかった形だ。上部ではかなりの熱量のあるコンロ部分。じわっと温められる部分。内部には3段式の本格的なオーブン。これならば、住宅地においても問題なく薪ストーブが使える。ガスも電気も使わずに、調理ができるというのはすごい。50万円とあるが、決して高いものとは言えないだろう。私の所では、恥ずかしながら電磁調理器である。山北では薪ストーブの時もあったのだが、年寄りには火災の不安もあり、今はやめてしまった。煙突火災がどうしても不安だったのだ。もし、なんたん暖炉が30年前にあったら、無理をしても導入したことだろう。燃料の廃材はいくらでもあるのだ。

私と同じ発想の石垣利用のハウスも書かれていた。冬に無暖房でトマトを作っている記事である。先日書いた越冬トマトの話とまるで同じなので、我が家のハウスについても、もう少しわかりやすく書いて置く。併せて読んでもらえれば、作れる可能性が高まる。そもそも私が石垣利用のハウスを作ったのは、28年前の山北で自給生活を始めた頃だ。ラン栽培をするための温室だった。洋ランの雑誌にカナダの蘭温室の話が出ていた。当時は月間の洋ラン雑誌が2つあった。確か、パフィオペデュラムの栽培だったと思うのだが、カナダの寒い地域で無加温の温室を作った話だった。温室全体が地下にあり、屋根が地表の高さなのだ。そして温室の面積と同じくらいの面積の蓄熱層がある。蓄熱層には石が詰められていて、そこに昼の間熱せられて空気をファーンで送り込み、夜には蓄熱層からから空気をファーンで引き出すという方式だった。山北では斜面の擁壁を利用して石の蓄熱層を作り、屋根と全面を2重のアクリルパネルにした。ファーンは使わなかった。

小田原で作ったものは既存の石垣を利用したものだ。巨大な石を使った250センチの高さのある石の擁壁があった。擁壁を北側の垂直の壁にした。そこのてっぺんから片流れの屋根を大きくつくた。その屋根は曲線を描いている。形を作っているのはハウスの単管パイプである。そこにビニールを張っていたのだが、風邪に何度も飛ばされたので、波型の透明の屋根に今は変えた。単管パイプに垂木を縛り付けてその上に屋根を打つ付けた。塩ビ版はかなりしなうので、問題なく張れた。南側の立ち上がり部分は巻き上げのビニールになっている。夏は開けっ放しだし、春秋は巻き上げたり、閉めたりしている。もう一つの工夫は堆肥の熱と、2酸化炭素を利用している。データーは取っていないのでどのくらい効果があるか数値化できないが、作物の様子から効果は感じられている。正月を過ぎてもトマトは赤くなっている。

以前チップ無加温ハウスのブログを書いたのでリンクしておく。

堆肥の穴の深さは1間くらいの穴だ。底には穴あき塩ビパイプが何本か配置されていて、そのパイプから煙突のように長いパイプが伸びて、ビニールハウスの上部に内部で発生する2酸化炭素と熱を引き出すようにしてある。堆肥を攪拌しなくとも、酸素が動いて発酵が進むように考えた。これは軽井沢の方の方が考えた堆肥式温室の発想を取り入れた。この二つの組み合わせで冬でも暖かいハウスが確保できる。その後管理は十分とは言えない。十分ではないが、そこそこ機能している。問題は堆肥の穴ぼこの部分は堆肥を取り出しにくいという事だ。堆肥にはなっているの証拠にへこんでは行くのだが、取り出すのが大変なので、ついついそのままである。

 

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