イスラム国に囚われた湯川氏
妙高岳 いもり池 中盤全紙
イスラム国に日本人が捕まった。その後情報がないが、どうなっているのだろうか。安倍氏が国会で見せていたイラストでは、集団的自衛権では母子の話だった。一体どういう場面を安倍氏が説明しているのか、今だ良く分らない。分らない内に、日本人がシリアのイスラム国という過激ゲリラに捕まった。これは対象外でいいのだろう。このイスラム国と言うのは、もとアルカイダ系と言うことである。シリアのアサド政権が独裁で、反民主主義的な政権である。そして、少数民族や宗派の違う人達を、弾圧し殺害している。その為に難民となってシリアから脱出する。これを救済しなければならないということで、国連の安全保障理事会が2月に全会一致で、シリアアサド政権に対して、人道支援決議を行っている。決議に従わなければ、さらなる経済封鎖を行うということだった。アサド政権は過去ロシアが支援していた。イラク戦争と同じで、どうなっているのかさっぱり分からない。
アサド政権の暴虐が目に余るということはある。しかし、イスラム国の残虐行為はさらに悲惨だ。加えてシリア・イスラム戦線とかシリア国民連合と言うような、政府と戦っている組織がある。それを欧米各国が支援している。さらに、日本がシリアに対する国連決議を受け、同盟国アメリカの指示に従っている。それは、イスラエルとパレスティのガザ問題にも似ている。アメリカはイスラエル支持だから、日本も支持しろと言われても、普通の人が殺されているのは、パレスティナの方が多い。日本政府の態度は鮮明ではない。だからどうというのではなく。正義などと言うことでは計れないということだ。そして、ウクライナでも相変わらず、戦闘状態である。アメリカがウクライナ側を支援するので、日本もウクライナ側の支持である。ロシアは反政府側の親ロシア勢力を支えている。イラクでのアメリカの連日の空爆は、少数民族の救済と主張されている。日本はアメリカの意向を汲んでおおむね行動している。
複雑な中東情勢の背景には、過去の植民地支配と石油利権が存在する。中東の混乱の背景には、欧米とロシアの権益的介入が存在する。日本も石油ほしさに、アメリカの言い成りに動いている。正義とか、民主主義とか、そうした判断材料は中東には通用しない。たぶん戦争というものはいつでも、対立国両者に言い分はある。戦争開始の言い分など、その時の都合ででっちあげるものだ。今まで日本の軍事的行動は、憲法の制約で出来なかった。ところが、これからはそうもいかない可能性が出てきた。安倍政権は確かにイラク戦争の様な事例では、アメリカからの要請があっても、戦闘には参加しないと答弁した。しかし、解釈で憲法まで変えてしまう政権である。それを信じろと言われても、とても無理だ。ホルムズ海峡の機雷の除去作業の様な場合は行くと明言した。
ホルムズ海峡の機雷の敷設があるとすれば、イランの脅しである。イランとオマーンの領海の主張、国際航路との複雑な関係がある。イランがもし封鎖した場合、イランとの交戦状態を覚悟しない限り、機雷の除去はできない。つまり、こうして中東の混乱を極めた紛争に踏み込む覚悟を持たなければ、機雷の除去が行えないのが、現在の国際情勢である。もし機雷除去を行えば、安倍政権はイスラム諸国に対して、戦う勢力になるということを表明したことになる。日本もイスラム諸国からのテロ攻撃の対象になるということでもある。集団的自衛権の解釈変更をしたことによって、日本人の安全を低下させている事態とも言えそうだ。日本の強い姿勢が、マイナスにも成るのが国際情勢である。非武装主義が非現実的と言い難い状況が、世界に生まれている。理想主義に見えた、憲法9条が日本の安全保障のかなめになっているとも言えるのだ。イスラム国に捕まった湯川さんは、相当危険になっている。政府が何も発言しないことには理由がありそうだ。