苗作りのまとめ
戸隠山 10号 戸隠の絵が多いいのは、戸隠のキャンプ場が絵を描くにはもってこいだからのような気がする。車を止めて、何日も何日も絵を描いた。
田植え10日目の朝の田んぼの様子です。
稲の苗作りは、安定して成功するようになった。今までやって来たことをまとめておく。おおよそ3反の苗を作る場合のことで書いておく。手植えの5葉期の苗が目標である。春分の日に籾洗いを行う。籾洗いは海水で行う。普通は塩水選を行うところだろうが、それほど厳しい比重選は必要がないと考えている。20年このやり方で病気が出たことがない。海水にまず出会い、種籾が情報を得て、目覚めるということに重きを置いている。意味があるとも思えないが、気持ちの問題である。
その後1ヶ月川に種籾を浸けておく。もっと長く浸けても良いのだが、最低1カ月と考えている。水温は14度は超えないくらいまで。これより高いと発芽を始めることがある。経験では、もち米の方が低温で発芽する。田植えから数えて、6週間前の4月19日に種まきを行う。種まきは、288穴のセルトレー200枚を使った。喜寿餅の苗を200穴のセルトレーに30枚。実験用に機械用の苗箱に20枚作った。その結果ずいぶん余った。1反60枚から65枚のセルトレーで足りる。
セルトレー1穴に3粒づつ播く目標で行うが、1粒から5粒になるが、それは許容範囲。結果的に3から5の穴が発芽していない。苗箱で作る方が作業ははるかに楽だが、苗土は影響が大きくなる。60グラムから70グラム蒔き。苗土の作り方。土は山土が良い。雑草の種が混ざっていない土が良い。春分の日の籾洗いと同時に土作りは始める。土には、5%ぐらいの米糠と鶏フン堆肥を加え、良く攪拌して山積みにして、シートで覆っておく。糸状菌が表面を覆うように出たなら、2回ほど切り返す。これを土振いする。最後に籾がらクンタンを1割から2割ほど加えて良く攪拌したものを苗土とする。
セルトレーにまず苗土を入れて、しっかりと圧力をかけて7から8分目ぐらいに押し込む。そこに種もみを3粒播く。そして上から苗土をすりきりに入れる。蒔き終わったセルトレーは重ねて積み上げ、しっかりと水を与える。苗箱も同じ要領で行うが、土が動きやすいのでしっかりと鎮圧することが重要。苗箱の底には紙は敷かない。苗箱の底穴は大いいほど良い。少ないものなら、ドリルで穴をあける。
苗床の土には、稲刈り後と、冬の間に2回鶏フン堆肥を入れる。土振いの頃に、全体を良く耕す。種まきをする、1週間前には丁寧な代かきをして、出来る限り水平にトンボで直しておく。セルトレーの苗床への置き方が重要なことで、平らで、しっかりと土に密着していないとならない。セルトレーは2から3センチほど隙間を空けて並べる。水の通りが良くなる。並べ終わったなら、コンパネを載せて水平になるように上に数人で載って圧着をする。トンネルで保温をする。
上から穴空き透明ビニールでかぶせる。穴は小さくて数が多いい方が望ましい。風が強い日が必ずあるので、しっかりと止める。セルトレーがビニールに接触しないようにする。又ビニールの周囲を土を埋めて止めるが、これが水の流入を防ぐようだとよくない。ところどころ水道を考えておく。伸びた葉がビニールと接すると、病気か障害が出やすい。
水管理がよい苗を作る条件になる。並べ終わったら、苗床に水を入れるが、発芽するまではあくまで水やりの範囲。5日から7日で発芽してくる。2週目までは水やり程度で徐々に、水を増やしてゆく。発芽した後は、水没しないように水位を上げてゆく。大体1週一枚の葉が伸びる程度の生育になる。
天候にもよるが、3葉期をめどにビニールをはがす。ここまで来るとスズメが食べることはなくなる。まだ寒い状態だが、長く保温のカバーを続けると、軟弱な柔らかい苗になる。パオパオなどは保温力があるが、小田原の気候なら、穴空きビニールで十分である。
5週から6週の育苗で完成する。出来た苗はがっちり根元が平たく太くなければならない。背丈は20~25センチぐらいで、分げつが始まる寸前あたりの状態が田植えに一番良い。活着力が強い。苗床から簡単にははがせないぐらい根が伸びている。1週目でコロガシをするときに、しっかりと根付いている苗でなければならない。
セルトレーは5~10年くらいは使えるので、良く洗って日の当らない場所に保存するが、直角に重ねて置かないと後で剥がすことができなくなる。