ブルガリアの有機ブルーベリージャムにセシューム
イタリア産(原産地はブルガリア)のブルーベリージャム「フィオールディフルッタオーガニック フルーツスプレッド」が放射能測定で、同じ賞味期限の3個から、いずれも国の基準である100ベクレル/kgを上回る最高164ベクレル/kgのセシウム137が検出された。チェルノブイリ事故の放射能汚染の影響と考えられる。放射能汚染はこうして長い間影響を残すものだ。このジャムがヨーロッパの検査をすり抜けたということではない。ヨーロッパの基準は食品ごとに細かく分けられている。概ね日本より緩やかと言えるようだが、チェルノブイリのある、ベラルーシュの基準も日本と大差はないが、食品ごとに分けられている。だから放射能など大した問題ではないというのでなく、原子力を利用するということは、こうした放射能汚染の隣り合わせにあるということだ。政府は、自然放射能の大きさと較べれば、食品からの内部被ばくなど小さなものであるという広告も行っている。これは、食品の放射能と、自然放射能をまぜこぜにしたひどい広告である。
日本における自然放射能と言われているものには、南太平洋の核実験の影響がふくまれている。空中で、原子炉事故が続けれていたようなものなのだ。私は子供の頃、大いにその放射能を浴びたり、吸ったり、食べたりしたはずだ。そのことでどういうことが起きているのかは分からないが、ともかく気分の悪いことだ。当時の状況を南海放送の記者が、執拗に追跡し調べ上げている。マグロ船の船員が、数百人の単位で放射能汚染で死亡している。有名な第2福竜丸の直接の被ばく事故は有名であるが、それ以外のマグロ船も繰り返し被ばくをしていた。福島事故と同じで、風の影響、潮流の影響で、日本近海まで放射の汚染は広がり、その魚を日本人は食べ続けていたことになる。その事実は当時も報道されていたのだが、社会全体としては、大したことではないと、問題にされなかった。アンデパンダン展で行われた記者の講演で、テレビ報道の背景報告を伺ったことがある。これもだから、福島事故が大したことでないというのではない。
母の叔父の絵描きだった桑原福保という人は、軍人として原爆投下後の広島の住民救助を行った。それが原因と思われるのだが、戦後、子供がおかしな形で死産をしたそうだ。そして若く癌にかかり死んだ。間違いなく放射能の影響だと思われる事例だ。放射能の影響というものは間違いなくある。しかし、全体で見てしまえば、平均寿命を下げるほどのものではなかった。ほかの問題になるものには、重金属や科学物質の食品汚染がある。農薬全体が、どれほどの健康被害になっているのか。放射能と較べてどうなのか。こういうことは疫学的にも明確にはわかりにくい。中国の大気汚染が中国人に対してどういう影響を与えるのか。日本には深刻な公害の経験があるが、その結果も水俣条約に示されている。その経験を生かすということは、原子力発電を止めるということだ。
日本はトルコに原発輸出をするという。福島事故の解決もないままに、あってはならないことだろう。事故の経験を踏まえて、安全に配慮した原子炉を作るとしているが、福島事故の原因究明も出来ていない。今だ事故はコントロールされるどころか、内部の状況すら分からない。IAEAの事務局長も国連において、コントロールされていないと発言した。日本は経済の為に、取り返しのつかないことを又しようとしている。北朝鮮やイランの原子炉は許されないが、トルコの場合はいいという日本の立場はおかしくないのだろうか。その内日本製の原子炉であれば、北朝鮮に販売しようなどと言いかねない気がする。トルコに販売するということは、日本が資源小国であるとか、エネルギーの安定供給とか、そういういい訳が一切ないことだ。目先のお金の為に原子力発電を継続しようと言う、いやしい日本になりたくない。