明治大学の黒川農場

   


メインの研究施設

昨日は、平塚の井上さんに誘われて、明治大学の黒川農場を見学した。以前小田原有機の里づくり協議会の、実証実験の指導をいただいた明治大学の佐倉先生が農場を作っているので、いつか見に来るといいと言われていた。その黒川農場では、自然に従うような農業技術も試みると言われていた。場所は多摩ニュータウンに隣接するようなところではあるが、まだ里山が残されている所だった。小田急線の新百合ヶ丘から多摩線に乗り換えて、4つ目だったか黒川というところだ。駅周辺は全くの新興住宅地の感じである。明治大学黒川農場は正式な農場の開園は2012年4月ということである。里山の環境に共生するようにということで、色々配慮して作られている。周囲を雑木林が取り囲み、なかなか美しい場所であった。建物も、ただの研究施設というような殺風景なものではなく、自然共生の意図が施設全体に反映されて美しいものであった。こんな農場で学ぶことが出来るなら、もう一度学生になって、勉強してみたいと思っていた。


水耕栽培温室

私は金沢城の中ので学ぶというまたとないような時間を得たので、勉強をする場所が、学ぶ内容に影響する大切なものだということを実感している。建物は軍隊の残した、ボロボロの木造校舎で、雪が降り込んでくるようなところだったが、学問の世界というものの魅力はこういう環境が育んでいる。そう痛感した。黒川農場はまだ新しい環境であるが、そういう環境が学問や、人間を育ててくれる可能性を秘めていることを感じだ。大きくはハウスを中心にした、溶液栽培エリアと、有機農業を研究、実践しているエリアに分かれている。関心のあった圃場は、その中でも出来る限り低投入で、農地を作り出そうとしている1反余りの圃場であった。1年に1トンほどの堆肥を入れたそうだ。耕さないと言われていたから、地表に入れたということになるのだろうか。土壌のようするでは漉きこんだように見えた。1トン程度ではどこかへ行ってしまうのかもしれない。


リバティーアカデミーの受講生の圃場

堆肥の材料は周辺に生い茂っていたアズマミヤコザサを切り出し、粉砕したものに野菜残滓を加えたものだった。堆肥舎に1.5メートル近く積み上げてあった。積み上げて2日もすれば70度にまで上がると言われていた。残念なことに作物はこのエリアは、作物はなかったので、土壌の様子はもう一つわからなかった。タマネギが出来たと言われていたので、これは少し驚いた。あり得るだろうか。タマネギのイメージがまた少し遠のいた。酸性の土壌中和に貝粉末は入れたと言われていた。隣の有機栽培の農場が、あまりに出来がいいので、有機農業と自然栽培とは全く異なるものだということを感じた。農家にとってすぐにでも成果を出したいから、有機は難しいと言われるが、大学でも同じことで、生徒は1年で変わるのだから、最初の年からきちっと出来ていないとならないと言われていた。これは土壌の生理からいえば少々無理があることだろう。


自然栽培エリアの様子。

明治大学にはリバティアカデミーというものがあり、一般に開放された口座があるそうだ。そこでは、有機農業を実習できる講座があり、90名にも及ぶ人たちが学んでいるという。年8万円の費用というから高いと思ったが、やられている内容を伺うと、これは格安である。作物も良く出来ているし、佐倉先生から直接有機農業の指導を受けることが出来る。こういう有機農業の指導施設は、小田原にもぜひとも必要だ。1反の圃場で可能なのだから、やる気があれば出来ることだ。素晴らしいことは、受講生がゆっくりできる施設が充実していることだ。農地でもこういう利用が可能であるならば、大いに利用価値がある。小田原でも関東学院の退去した跡地は、こういう大学の一般開放講座の利用はあるのではないだろうか。

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