田んぼの作り方

   

自給農業の第一は、田んぼを作ることである。1畝100㎡の田んぼを作れば、何とか人一人は生きて行ける。山北で開墾生活した時には、スギ林を切り開いて田んぼを作った。シャベルとつるはしで作った。その後は放棄された田んぼの再生ということでは、10回以上かかわった。その後庭に小さな田んぼを作ったりもした。それぞれ、条件が違うので同じではないのだが、今度家の脇の野菜畑に、震災復興の水が湧いてきたので、これで田んぼが出来ないかと少しづつ進めてきた。昨日から豪雨が続き、舟原でも累計雨量で165ミリは降っている。田んぼ作りはこういう豪雨の代かきが欠かせない。何とか、まず15坪の位の田んぼを作った。出来るなら、タマネギを収穫したら、1畝100㎡にしたい。それで私一人のお米分、50キロは採れる。笹村農鶏園を自給農業の見本園として完成させるためには、田んぼは必要である。

田んぼ作りは、まず土地を水平にすることから始める。水糸を張れば丁寧であるが、1畝ぐらいまでなら見た目で大丈夫である。次に、良く耕す。石を取り除きながら、細かく砕土する。当然土は粘土質が最上である。関東ローム層と言われる赤土であれば、全く問題がない。そして周囲を少し高くしておく。そこに水を1カ月ほど流しこんでおく。もちろん貯まらないし、濡れる位である。一方で古い風呂桶などで1㎥以上の水をためておく。そして大雨を待つ。大雨が降ったなら、田んぼ予定地にトラックタ―を入れて、代かきをする。その時に貯めておいた水を一気に流し込む。一度に全面は無理なので、徐々に広げて行く。代かきは深くなくて良いので、練りすぎになる位丁寧に行う。田んぼの周囲は少し深めに代かきをする。そのトロ土で畔を塗る。これで大抵の場合水がたまり始める。水面が広がって来たら、水平をトンボで直してゆく。歩きながら、硬い所があれば耕しながら直す。以前はすべてを手でやった。今回はトラックタ―なので、楽なものだ。全面を水が覆うようになれば、それで一回目の作業は終わる。

復興の湧水は水道の弱い水ぐらいの水量である。コンクリートの道路が脇にあるのでここを流れる水もせき止めて田んぼに入れる。この状態で水が貯まるか、貯まらないかで方針が変わる。貯まるようなら、鍬で代かきをしながら、畔塗をして行けばほぼ田んぼが出来上がる。もし貯まらないならば、土に粘土分が足らないということである。少し深く代かきをすれば、大抵の場合は水がたまる。そして雨を待ち、水を流しいれて2度目の代かきをする。それでも貯まらないようなら、一年目は諦めて、この程度で田んぼにする。ちょろちょろと弱い水道ぐらいの水があれば、1畝の稲は生育する。耕作中は緊急用の水を貯めておく必要がある。上部に池を作ることが、水温を上げる意味でもいい。水量が少なくても、大雨に代かきさえすれば田んぼは出来る。水不足時の3㎥位の水を貯める池を作りたい。その池には魚を飼い養魚をする。藤垈の向昌院ではそうなっていた。その池に食事の残りものはすべて流れて行く。それが魚の餌になる。古い時代の自給の暮らしの形だと思う。代かきをするときに、池の水位を下げるのである。

2年目、3年目と田んぼを続けると、見違えるように水がたまるようになる。トロトロ層を作り出すために、出来るだけ腐植質を加えて行く。冬水田んぼにしばらくはするのも良い。堆肥を入れるのも良い。草さえ取り切れるなら、水位は深い必要はない。1畝の田んぼの草取りは、1時間で出来る。一年目に草が出ることはない。6月田植えなので、出来る限りソバカス堆肥を入れておく。そして、田植え前にもう一度代かきをする。復興水は湧水で養分が無い。本来なら、田んぼは山の絞り水がいい。この点の対応策を工夫する必要があるだろう。一度は鶏糞たい肥を撒いておくのも良いかもしれない。いずれ腐植質を増やすため、堆肥を出来る限り入れる。

昨日の自給作業:田んぼ作り2時間×2日 累計時間:4時間

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