首都機能の移転

   

東京湾を中心にした大地震が想定される。70%の確率で遠からず起こる。この地震災害の東京都の被害予測が修正され大きくなって公表された。これを見ると首都機能はほぼマヒするということになる。すぐにでも国の対策指令室は、どこから動かす事になるのか。さいたま市あたりなのか。こういう肝心なことが決まっていない。以前、首都機能の移転が検討された時、石原都知事の一声で中止された。緊急に決めなければならない。首都機能の分散を行う方向なのか。東京に一極集中して、地震対策を強化するかである。3月11日の帰宅困難者の一人になってみて、政府も東京都も何の対応も考えていなかったことは良く分かった。現在、一時避難場所は進められているようだが、阪神淡路や東北大震災のほぼ10倍の仮設住宅の想定がされている。それについては全くの対応策がない。

機能を1局集中するということは、経済合理性はある。しかし、いったん崩壊した時には致命的になる。これは原子力と似た構図なのだ。東京安全神話のようなものがあって、東京の都市機能分散はするまでもない。何とかなるという思い込みがある。機能分散を大きな目標にしなければ、日本は崩壊する。現代の社会は情報が何より大きな要素になる。あの帰宅困難な時に、東銀座の交番には3人ほどの警察官が居た。夜の7時30分ごろ質問をした。全く何も分からないという返事だった。警察官が何の情報を持たない、当然判断も出来ないのだから、自己判断をするしかない。福島原発事故の情報でもそうだ。何かを知らせると国民が愚かだからパニックになる。黙っていた方がましだ。これが政府の情報に関する認識だ。あのとき、マスメディアはこぞってそうした方針を立てた。今のままだと、次の大災害時でも、ミサイル攻撃時でも、同じに一切情報を伏せるという、カタツムリ状態になる。

そして、有象無象の怪しい情報が、ネットを飛び回ることになる。政府は早急に方針を立て示す必要がある。政府の情報に信頼性はない。この1年間で完全に信頼が失われた。虚偽情報というか、偏ったばかり繰り返しているのだから、当然の結果である。悪い情報は知らせないのでなく、調べて悪い情報がでたら大変なので、怪しいことは遠ざけるというのが、行政の態度だ。福島の川の調査をやっている、森林総合研究所のように、放射能が出ない範囲での調査をして不検出を宣言する機能。首都機能の分散であった。政府にはそんな能力がはない。大災害が起こるまで何も出来ないだろう。やる気もないだろう。その意味で、東京からは離れた方がいい。自己判断するしかない。それくらい動こうとはしない。尖閣列島の購入どころではない。東京に行くときは、災害に遭遇する可能性を考えて出掛けている。バカバカしいようだが、そのくらい、政府も、東京都も何もしようともしていない。

70%ということは、大震災が起きない可能性が、30%しかないという事だ。雨の天気予報なら、傘が必要な状況なのだ。企業では何か対策をしているのだろうか。情報の分散管理。分散した情報センターを置く位、進めいるのかと思う。美術館、博物館、研究所、病院、大学の類は、早急に安定した個所に移動。と言ってもむしろ都心回帰である。こういう姿を見ると、日本人の進取の精神が失われた状況が見える。危ないかもしれないが、大丈夫だろう。こう考えて、競争に当面有利な都会に立地しようとする。ともかく、誰もやろうとしないだろうから、自分だけでもやるしかない。

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