堆肥化の課題整理
現在小田原で検討されている。生ごみ堆肥化の進め方は、今後の日本のごみ処理を方向付けるような試みに成ると考えている。20万規模の都市で生ごみの堆肥化を行った街はまだない。先行事例としての長井市のレインボープランが3万人規模。水田農業が中心におおなわれている地域である。多様な産業が混在する20万の小田原で、生ごみ堆肥化を現実化してゆくためには、大きな目標とそこに到る、各段階の姿を構想しなければならない。50年後くらいの最終目標を、焼却を無くす事にする。多分これも意見が全く異なることに成るだろう。10年後くらいの中期目標を、50%くらいの堆肥化を行う所に持ってゆく。5年後くらいに10%くらいの堆肥化が行われている。イメージレベルであるが。こうした市民共通のイメージの確定が必要ではないだろうか。
イメージ想定を行う上でも、コストの問題は重要な要素になる。例えば現在検討されている、広域化でごみを処理する場合の全体コストの精査。生ごみを焼却した場合のコスト。ごみ処理費の細かな情報が必要である。コストが分からない限り、間違った判断をしてしまう可能性が高い。例えば、湯河原、真鶴の生ごみが、一時集荷施設で集められ、遠距離小田原まで運搬され、焼却炉で燃やされる場合のコストがどの程度になるか。一方、各地で、生ごみについては、堆肥化した場合どうなるか。その想定をする理由は、現在でもごみ処理費の半分近く占めている運搬コストが距離増大で、深刻になる事が明白になるからである。輸送費は各自治体ごとの負担なのだろうか。例えば、生ごみを分別収集し各地に分散した、施設で堆肥化する。あるいは減量する。あるいはメタン化する。(この検討も重要)そして、一般ごみの収集を週2回を1回に減らす。生ごみ1回、その他のごみ1回。
生ごみの現状の焼却コストは、実はまだ見えていない。キロ10円くらいであろうと言う説もある。大雑把であるが各家庭毎日10~20円程度。これが見えると、生ごみを出さない人に対して、お金を戻してゆく事ができる。出すごみを減らすことが、各家庭のメリットになる仕組みが提案されない限り、生ごみの減量は進まない。現在、ダンボールコンポスト、EMバケツ。庭での土還元。問う生ごみを出さない家庭が小田原にどの程度あり、今後どこまで増える可能性があるかも、想定しなくてはならない。第一段階各家庭での生ごみ処理を推進。たぶん、これで10%の減量が達成できると想定。この場合、「私は生ごみを出しません袋」の無料配布。市の環境課に行き登録すると、世帯人数によって、1年分の袋をくれる。袋に名前を書いて、ごみを出す。名前が書いてなければ置いて行く。生ごみが入っていたら、料金の徴収。
そんな面倒はしていられないが、当面、分別ぐらいなら出来る。と言う人対象の、収集方法の検討と堆肥化施設のモデル。これには、大きく集めない事が重要ではないか。ごみステーションの設置。スーパーの前、商店会、マンション、集合住宅での一時処理法。そしてそれに見合う、一定規模の生ごみ堆肥化施設。良い堆肥を作るためには藤原先生の協力を仰ぐこと。そして農家へ堆肥普及方法の検討。JA西湘や小田原有機の里作り協議会、との連携。農産物の流通方法の確立。学校給食への導入を含め、仕組みの提案は必要。農産物の買取のような、税負担が増える手法ではなく、流通の構築を行政の協力の元、農業者と流通業者の協力体制の構築が重要。一方、飼料化できるような、付加価値の高い工場からでる、食品廃棄物。現在、小田原では二見リサイクルセンターが試みている。小田原市全体で食品廃棄物のローコストの堆肥化が進んだ場合、二見の現在のシステムを崩壊させる可能性が高い。二見が行う高付加価値の手法を精査し、上手く住み分けをする必要があろう。