農山漁村を元気にするアイデア、募集します

   

10月3日農林水産省では、農山漁村を元気にするアイデア、を募集することを発表した。申し込みはこちらまで、是非アイデアを出したい。農山漁村は、豊かな自然と美しい景観に恵まれ、伝統文化との触れ合いの場、そして国民の食生活を支える農林漁業が営まれる場であり、国民全体の財産です。農水省はこのように位置づけている。果たして、本当にそう思っているだろうか。ここの確認が、国民の合意が、大切な所だ。

私の生きてきた、戦後60年の歴史は、日本の風土を破壊し続けた歴史だ。特に、里地里山と呼ばれる地域の、方向の定まらない、崩壊現象は日本の文化の消滅さえ感じさせる。里地里山は再生なのか、無から作り出すことなのか。こうした議論があった。舟原地区は小田原では、箱根よりに一番山に入った集落だ。里地里山の形跡の残る地域だ。ところが、この地域に今予定されているのは、広域ごみ処理の大溶融炉。2市8町全体の広域斎場。最終処分場。市営霊園。都市型の県立公園。そして、田園優良住宅と名ばかりの、農地の無秩序な宅地化。この地域を「どの家にも便所はある。」こう例えた、市会議員が居たが、その通りの経過だ。元気を出そうにも、肝心の農業政策については、小田原市農政課が諦めている。「無理でしょう。」こう職員は発言している。

以前行政が、何を、どうすれば、いいと思っているのですか。こう詰問調で言われたことがある。「せめて、何もしなければいい。」こう答えた。迷惑施設と言われるものは、見えにくい、農村地帯である、周辺部に無秩序に持ち込んでしまう。それで解決したと、思い込む。そんなことを繰り返した、戦後60年だ。たぶんこれは小田原だけではない。都市計画がない。大きな方向性がない。もちろん観念的な計画は十二分にある。肝心な地域指定がない。周辺の地域は、小田原の農業地区あるいは環境保全地区と言う事には、一応なってはいるが、前記のように、実際はそのための具体的な施作は取られない。

農村地区には農業以外のものを入れない。当たり前のことだけでいい。農業以外のもので、活性化しようなどと考えても駄目だ。農村は農業生産の場だ。営農できる条件を作れば、簡単に元気になる。所が、農業は他産業の犠牲になっている。食料を遠くから運ぶ事は、人類の為にならない。食料生産能力だけ、その地に住める。輸出入は止めた方がいい。車を売る事で、日本人は豊ということになっている。そのために食料の事を犠牲にして、構わない。国民の大多数が考えている。本当にそうだろうか。日本人がかろうじて、まだ保たれているのは、日本のかつての文化の遺産ではないか。自動車産業も、いつまで売れる車を作る出せるのだろうか。人間の豊かさは、心の豊かさだ。日本の文化を育んできた基盤が、農山漁村にあった。

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