参議院選挙、憲法判断

   

参議院選挙、いよいよ今日投票日だ。憲法について、審判が下される日だ。日本国総理大臣が、明確に憲法の改定を宣言し、そのための国民投票法案まで準備し、挑んだ選挙だ。もし、この選挙で、自民党が勝利することになれば、間違いなく、憲法改定のための第一歩が踏み出されることになる。それは、具体的には「軍備を明確に保持する、当たり前の国として日本が世界でやってゆく」のか。「軍事力を国際紛争解決の手段としない、平和主義の国としてやってゆく」のか。この選択なのだと思う。誰でも、平和主義が嫌いなわけではない。しかし、平和主義が、現実離れしている、のではなかろうか。この辺の判断なのだろう。

戦争の力、武力による力、これは何度も見てきたし、今も、イラクやアフガニスタンでは、まさに現実の事だ。一体武力によって、国際紛争というものが、解決できたことがあるのだろうか。私の考え方を、作ってきたのは、ベトナム戦争だった。アメリカという巨大国家と、ベトナムという小国が、共産圏対資本主義圏の対立構造に巻き込まれ、もみくちゃにされてゆく。ベトナムを資本主義圏の防波堤としたい。もし、ベトナムが共産化されるようなことになれば、ドミノ倒しのように、アジア全体が、共産化するだろう。その時に日本の資本主義は崩壊する。本当にそんな論理の下にアメリカと共に、ベトナムを押し潰しにかかった。韓国は北朝鮮の圧力も感じる中、本気で殺戮を繰り返した。日本はアメリカの基地として、参加した訳だが、憲法の歯止めがあり、直接の殺戮だけはしないですんだ。しかし、手を汚さない日本の態度が、アメリカの日本に対する、不満でもあった。

アメリカは敗戦し、ベトナムから逃げ帰る。ベトナムは共産化した。しかし、アジアの今の情勢をみれば、ロシアや中国が支配した訳ではない。むしろ、その共産圏と呼ばれた地域が、資本主義的な経済政策を取り入れ、それに伴い、自由な権利を主張できる国に、少しづつ変わってきている。「北風と太陽」の話の通りの結果だ。今も、アジアに問題がないわけではないが、武力が問題を悪化させるだろうという、判断は定着した。北朝鮮問題がいい例だ。6カ国会議も歯がゆいばかりで、何も進まないように見えるが、少しづつだ。本当に少しづつ可能性が広がっている。現憲法下、すべからく日本人は世界の太陽としての役割を果す義務を負っている。そのように憲法で決めてある。

世界の太陽になる努力を憲法が出来て、60年どれほどしてきたのだろうか。イラクサマワにおいて、日本軍が引き上げて、治安状態の悪化が言われている。日本は太陽として、サマワにいたのではなかったという結果ではないだろうか。アメリカによる、武力的解決が、殆ど不可能だというのが、アメリカの国民の選挙による判断だ。日本人はこの参議院選挙において、どんな判断をするのだろう。平和という太陽に日本人が成るために、具体的な行為を世界に向けて始める。このように転換する、参議院選挙であって欲しい。
平和がどれほど、素晴しい物か。それは平和に日々を暮していない限り、見えてこないものだろう。格差社会に閉じ込められ、再挑戦の機会はある。などと経済競争に駆り立てられいては、本当の平和に生きる実感を持つ事はできない。昨日の旭の祭りも、平和の空気が高まっていた。祭りを楽しんだ人ほど、平和のありがたさを味わうことが出来たと思う。

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