サトウキビに変わるものの提案

   


 9葉期まで来た「とよめき」水が少ない中、何とか水を保ち成長させている。日照不足で株が弱めなところが気になり、追肥に堆肥を入れた。少し回復したようにも見える。まだ土壌が出来ていないから、生育が今ひとつなのは仕方がないところだ。

 南西諸島には自衛隊の基地配備が進んでいる。政府は南西諸島の島々を防人の島にしようと考えている。しかし、この島々で暮らしている人間についてはどうすべきと考えているのだろうか。尖閣諸島には人は暮らしていない。北方4島にはすでにロシア人が多数暮らしている。竹島には韓国の軍隊が駐留している。

 自衛隊基地を作ろうとしている石垣島では、自衛隊基地の賛否の住民投票が拒否された。住民投票をすれば、明らかに反対が多いからだ。これは自衛隊誘致派の集会でも言われていたことだ。もし自衛隊基地に賛成が多いと考えるならば、住民投票を市長が提案して行うことだろう。市庁舎の移転問題はそうして進められた。

 北方4島に移住するロシアの新住民は相当の政府の補助を受けている。ロシア人が暮らす島であることを既成事実化するためである。それでは日本政府は琉球弧の島々の人の暮らしを、どうしようと考えているのだろうか。住民がいなくなってしまうのは困ると考えているのは確かだろう。

 防人の島に我慢して暮らす人が一人でも多く居て欲しいのだ。そのために特別の補助金がある。しかし、沖縄県知事が、基地反対派なのでその補助金もどんどん減らされている。防人の島と観光の島では両立しがたい。その先行事例が与那国島である。与那国島の自衛官でない住民は減少が続いている。

 若い人が就職したいと考えるような仕事先が無い。高校が無いと言うことが大きいだろう。高校に入るときから島を離れると言うことは、家族全体がそれを機会に島を離れてしまうと言う家族も居るようだ。また与那国に移住した人は、基地が出来て離れた人が多いと聞いている。

 サトウキビはそうした意味で多額の補助金を入れて、島々に暮らす人達を支えるという意味で重要視されてきた。与那国島にも製糖工場がある。さとうきびは先行き厳しくなることは分かっている。日本の気候、風土では生産費が余りに高くなるからだ。

 南西諸島のサトウキビは余りに国際価格とかけ離れている。10a当たり資本利子・地代全額算入生産費(以下「全算入生産費」という。)は14万9,014円で、前年産に比べ4.1%増加し、1t当たり全算入生産費は2万4,916円で、前年産に比べ6.2%増加した。 

 ブラジルやインドなどのサトウキビ生産はエタノール生産と砂糖生産の両方向で行われている。エネルギー価格が高騰すると、砂糖からエタノールに移行し、価格が下がると砂糖生産に移行する。その結果世界の砂糖価格は日本で生産する砂糖より大幅に安くなっている。

 もし石垣島の人口減少を起したくないのであれば、サトウキビに変わる農業を政府は提案しなければならない。それがミサイル基地を作る以上最低限の政府の義務だとおもう。それだけ石垣島の住民は日本全体のために負担を負ったのだ。

 原子力発電所を作る以上の危険を引き受けたのだ。核のゴミを引き受ける自治体と同じくらいの負担を強いられるのだ。日本の国民はそのことへの意識がほとんどない。沖縄のことだ、他人事だぐらいにしか考えていない。もし、その負担が嫌だというのならば、核のゴミ施設を自分の暮らしている場所に作ると考えてみたらいい。

 お金の恩恵よりも、石垣島で暮らして行けるように考えて欲しい。与那国島で暮らして行けるように考えて欲しい。その一つが石垣島のサトウキビ問題である。サトウキビに展望が無いというのであれば、サトウキビに変わるべき農業を、提案してもらいたい。

 こういう農業を行えば良いと研究提案をすべきだろう。自衛隊がいるだけの島になれば、それこそ竹島と同じことになる。何のために守っているのかが分からなくなる。住民を守るために自衛隊があるのだとすれば、まず政府は住民の暮らしを考えるべきだ。

 与那国島の町議会はシェルターを希望している。一体どれほどのシェルターが可能だろうか。ウクライナを見れば分かるように形ばかりのシェルターではだめだろう。よほど地下深く住民全員が逃げ込める要塞のようなシェルターが必要である。果たしてそんな物を作れるのだろうか。

 石垣島ではさらに話が困難になる。人口5万人が逃げ込める場所などあり得ないだろう。逃げると言ってもどこに逃げるのだろうか。沖縄本島の方がひどい戦場になるだろう。九州まで行かなければだめだろう。安全に行けるはずもない。

 戦争を回避すると言うことが、唯一の解決策だ。どこまでも専守防衛である。中国まで届くようなミサイルは必要が無い。どうしても敵基地攻撃をしなければならないという事態になるというなら、戦艦から撃てば良いだろう。一番良いのは潜水艦から撃てば良いのだ。

 安易に南西諸島を基地に島にするなどと言うアメリカの戦略構想に乗ってはならない。アメリカは日本を防波堤と考えているに過ぎない。アメリカ本土が戦場になったことがない。常に代理戦争をさせる国なのだ。世界の戦争にはいつも顔を出している。アメリカにとっての沖縄の意味をよく考えるべきだ。

 サトウキビのことだった。サトウキビに変わる農業を考える必要がある。それが正直どうしても思いつかない。それならブラジルのように、サトウキビでエタノール作りか。エタノールを政府が採算の合う価格で買い取ってくれるならば可能かも知れない。

 石垣牛もこれ以上は増やせない。これ以上増えれば糞尿被害が起こるはずだ。すでに土壌汚染が起きていると思われる。十分「よみがえり堆肥」が利用されていないためだ。よみがえり堆肥を回すためには、石垣の農業で堆肥を使えるようにしなければならない。

 サトウキビを作ってみたいと思っている。サトウキビを作り、水牛で黒糖を絞る。サトウキビ栽培は赤土の流出に繋がっている。サトウキビを株だし栽培にすれば、赤土の流出はかなり抑えられる。株だし栽培で8回も連続している国もあるらしい。

 しかし株だし栽培ではネオニコ農薬の使用が伴っている。使わないで出来るのかどうか。今のところは出来ないと言われている。ネオニコ農薬の登場で可能になった農法である。赤土で珊瑚が死んでしまうのも困るが、青い海がネオニコで死の海になるのはもっと怖い。

 株だし栽培が無農薬で可能かどうか、挑戦してみたいと思う。本来こういうことは国が行うべきことなのだが、国は何もしない。提案もしなければ、研究もしない。黙っているわけには行かないので、力量も不足しているが、手がけてみるほか無いかと考えている。

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