自給のための熱帯果樹園を作る

   



 「のぼたん農園」では現在、熱帯果樹園の造成中である。のぼたん農園の中の二反余りの面積である。60m×40mぐらいの面積である。少し台形になる。将来はその下の一反と、機械小屋周辺の二反余りも、果樹園にする予定だ。

 海側に緩やかな下る傾斜地である。日当たりは良すぎるくらいの場所だが、風の強い場所だ。特に台風の風が強く、日本で一番の強風が吹いたとされる場所である。防風林整備を同時に進めなければ成らない。

 田んぼのある東側と言うことになり、将来田んぼへの風よけになると考えている。間には上から道路を作っている。果樹園の南側には道路を作る予定である。その道路は田んぼの間を抜けて、のぼたん農園全体を東西に突き抜ける道路になる。つまり、果樹園の西南角に縦横の道路がぶつかる交差点になる。

 この東西の横断道路は将来、水牛車が通れるように、等高線上になる緩やかな道にしたいと考えている。水牛車は少しの傾斜でもだめらしい。遊びに来た人が農場の中を水牛車で散策できると楽しいだろうと思っている。いつかは緩やかに農園内を周回する道を作りたい。


 右の水が光っているところが、4番田んぼである。ユンボと、4番田んぼの間に縦横の道の十字路になる。水田の側に行くとその先に機械小屋が出来ることになる。遠くに見えるのがヤラブ大木で、その辺りが、農場の南境になる。

 水牛に仕事を作りたいと言うことがある。水牛を家畜として飼うと言うことは、仕事をして貰うと言うことである。仕事が作り出せれば、水牛を飼い続けることが出来る。水牛が石垣島に残るためには家畜としての水牛に相応しい仕事が必要である。

 家畜に仕事をさせると言うことは動物虐待だという主張もある。しかし、家畜を飼うと言うことは共に働くと言うことである。水牛はいっしょに働く方がどうも楽しいらしい。やりがいというか、頑張って働くとどこか自慢げな様子が見える。仕事を嫌がっている風ではない。

 果樹園作りでは石を水牛に運び出しをさせている。中央の道路まで、畑で集めた石を軽々と引いてくれる。有り難いことである。ワカバは仕事をしているときの方が断然機嫌が良い。毎日何かしら仕事があると、おとなしくなる。ぶらぶら喰っちゃ寝だとどうも、機嫌が良くない。

 水牛の仕事としてはもう一つ考えているのが、サトウキビを絞る仕事である。水牛でさとうきびを絞る作業は、昔はやいまむらでは行っていたらしい。熱帯果樹園ではサトウキビも耕作する。そして、サトウキビを刈り取って、水牛でサトウキビを絞る。

 糖蜜まで作り、これを持ち帰ることが出来る体験事業を行いたい。糖蜜まで煮詰めるのは農場で発生させたバイオガスである。この地域で循環する形をのぼたん農園の体験事業の一つに出来ればと思っている。サトウキビ畑は将来果樹が大きくなってきた時点で園の下側に作りたいと考えている。

 サトウキビは4,5年の間は、果樹園の間に作れば良いかと思っている。つまり、果樹は6m間隔で植えるつもりにしている。おおよそで7×9で63本は植えられることになる。育つまでは風よけもかねて、サトウキビを栽培するつもりだ。

 植えたい樹種を上げると、アテモヤ、シャカトウ、アボガド、島バナナ、マンゴー、ドリアン、マンゴスチン、 パパイヤ、ノニ、アセロラ、レイシ、チェリモヤ、パッションフルーツ、パイナップル、そしてサトウキビ。

 大きくなるものを10種類ほど植えて、その間に、パイナップルやサトウキビを植える。まだ品種は決めていないが、自分たちが食べたい果物を決めて、それを植えたいと思う。数本あればみんなが食べるには充分なのだと思う。

 基本は自分たちが食べると言うことにする。あくまで自給用果樹園である。のぼたん農園に参加する人は、お米や野菜や果物が自給できる形を目指している。果物もあくまでその延長線にする。販売を中心に考えると、農園の形も変わってくる。

 将来樹木が育ち隙間が無くなったときには、パイナップルは機械小屋周辺の畑に移動。サトウキビは果樹園の下側に移動する。農園の南は時にヤラブ、(テリハボク)があり、風よけになっている。あと数本あると良いだろう。その整備は第2期工事として行ってゆく。10種類、各品種が5本ずつほど植えられることになる。

 ノニに関しては東側に風よけをかねて植える。南側は扇芭蕉の防風林で、東側がノニの防風林になる。ノニは挿し木で増やすと言うことだから、国仲さんのところの管理しているノニから、枝を分けて貰い、挿し木をしたい。挿し木の仕方は国仲さんに教わりたい。

 各品種を南北に1列ごとに植えると、7本程度になる。ノニは一番東の防風林になるので、少し密に植え込んで20本程度だろうか。マンゴー、パパイヤ、レイシ、アセロラ、アボガド、グゥバ、わたしとしては果物の王様ドリアンを作ってみたい。こうした木を南北の縦列に7本程度6m間隔で植える。

 木が生長するまでの4,5年は、樹間に風よけも考えて、サトウキビや、パイナップル、島バナナを作る。将来的には果樹園の下側に島バナナエリアを作り、果樹園を広げてゆく。パイナップルは機械小屋周辺に移動する。この辺りは石の多い場所で酸性度もきついので、パイナップルが向いていると思われる。

 果樹は水が必要なので、溜め池から配管をしておく必要がある。標高差があるので、水圧でうまく水の配管はやれるはずだ。畑や田んぼが完成する前に配管だけは完成しておかなければならない。25㎜の農業灌漑ホースで配管するとして、100メートルは必要になる。

 先ずは暫定的な形で配管をして、将来は埋め込むことにする。さっそくきょう農園に行く前にKマートに行ってみてみるつもりだ。このホースが出来れば、水牛の水遣りもかなり楽になるはずだ。ホースの入口と出口にどのようなものを付けるのかも教わろう。

 工事は着々と進んでいる。整備が進むにつれて夢がさらに広がってくる。トラックターも手に入れたので、ますます工事が順調である。この調子で工事が進めば、今年中に田んぼと果樹園部分はかなり進みそうだ。あとは周回道路と、水牛の放牧地の整備と言うことになる。

 - 楽観農園