トランプ氏が再選されないことを祈っている。
アメリカでは今、大統領選挙の投票の最中である。コロナで31万人が死亡すると言われている、パンディミックの最中の選挙である。郵便投票が一億人を超えたという。この4年間トランプによって世界は悪い方向に進められた。バイデン氏が大統領になることを祈るばかりである。
選挙結果が出たときに暴動が起こるのではないかと、ホワイトハウスには塀が作られた。まるでメキシコ国境の塀と同じである。力で威圧するものは常に不安の中にいる。人間を信じていない大統領はもう沢山である。アメリカの問題は同盟国日本の問題でもあるので、アメリカについては看過できないことになる。
アメリカ一国主義は民主主義の崩壊である。強い物は弱い物を食い物にしてかまわないという新自由主義経済は世界を悪い方向に進めた。強者の論理は民主主義を終わりにするだろう。アメリカがそんな国になったのは、世界最強の国家としての余力を失い始めたからだ。それがトランプの出現であり、ポピュリズムの広がりである。
中国という国家資本主義と言う悪いものに対抗するには、新自由主義と言う悪いもので戦うしか無いというのが、強者の論理のようだ。悪いもの同士の戦いは今のところ、中国の勝利に進んでいる。悪いものに勝つためには正義以外無いと言う原点に戻らなければならない。
民主主義は世界の最も大切な倫理のような物だ。これをないがしろにすることがあってはならない。民主主義を失うと、政治は経済のためには政府を忖度させるような人間の扱いをするようになる。とくに、政権交代の長らく無い日本のような国では、政権がまるで独裁国のように君臨するようになる。
アメリカが世界の調整役的役割を捨てて行く中で、今後もアメリカの独善のために協力しろと言われているのが日本である。そして世界で一番言いなりであったのが、トランンプのお友達アベ政権であった。悪いものの手下で満足するアベ政権は、見苦しく、恥ずかしいばかりであった。
しかし、残念なことにトランプ氏が登場したこともやはり歴史の必然なのだろう。アメリカが中国の台頭に恐怖心を抱いたのだ。アメリカが初めて負けると言うことを意識した。それは強者の不安である。どれほど強くとも、軍事力で身を守るものはどこまでも安心が出来ない。いつ自分がやられるのか不安で成らないのだ。枕元に銃が無ければ眠れない人達である。
江戸時代の農村には警察力など無いに等かったが安心してみんな寝ていた。時代劇の刃物沙汰はウソごとである。人間は寄り添って、安寧に暮らしていた時代もあったのだ。もう一度、世界は競争の無い、成長のない世界を考えてみる必要がある。
中国がアメリカを越える前に叩こうとしている。すでに中国はアメリカを気持ちの上では押え込んだのかもしれない。日本に対して、日米同盟を強調するのは日本と協調し、利用することがアメリカの一番を守ることなるからであるこうした一国主義の考え方は民主主義とか、自由とか、正義の国アメリカの最も大切な理念を捨ててしまったことを意味している。
気候変動のパリ協定からの離脱。WHOからのコロナ離脱。TPPからの一方的な離脱。アベ政権はまともな反応すら出来なかった。少なくともアメリカの行為には正義というものが失われた。不満を爆発させて、言い分を通そうとする一国主義。
アメリカがこれ以上独善を続けるのであれば、日米同盟は破棄すべきだ。世界から日本がアメリカの使いぱしりとみられている間は、平和外交など無い。良くて、アメリカに伝えて欲しいと言われる程度だ。トランプは大統領選挙で今晩負けるだろう。そうしてアメリカが少しは反省をすることを祈っている。
戦後の日本はアメリカの正義の下に国作りをした。非武装主義。平等公平な社会。人権の尊重。そして議会制民主主義。アメリカに教えられながら、平和国家日本を目指した。そのおかげで、国民全員がやる気を出して頑張ることが出来たのだろう。頑張ればなんとかなると考え、足並みをそろえて頑張る事ができた。今の日本とは違う世界があったのだ。
ところがその正義の国アメリカが正義の旗を降ろした。今やアメリカに従う理由はどこにも無い。アメリカの幻影が晴れると、そこには覇権主義中国という、現実の脅威が目の前に表われた。日本は中国にあわてて対抗しようとしている。恐ろしさで後ろを振り返っても、アメリカという虎の威はいつの間にか無い。
日本はアメリカの狐として行動している間に、自分の立ち位置を見失ったのだ。アベ政権とそのお友達は中国が自滅をするだろうと、根拠の無いデマを振りまいては、日本を覆い始めている経済不安に目をそらしていただけなのだ。そうした、世界を正しく見る能力のない人達は、アメリカの虎がいなくなって、右往左往しながら、未だに張りぼて日本を作り出そうとしている。
日本の敵基地攻撃ミサイル能力を高めるなどと言う、武力主義がいかに滑稽なものかが分かる。全くの茶番だ。琉球弧にミサイル基地を並べて中国をにらんだところで、抑止効果など無いに等しい。日本には原爆が無いのだ。北朝鮮にすら日本は勝てないということを想定しなければならない。
日本が軍事的な攻撃力を持つことは、相手にしてみれば日本は又覇権主義を復活させていると、軍事力強化の根拠を与える。こうしてばかばかしい軍事力競争に入るのだ。軍事力などどこまで強化しても安心は無い。アメリカさえ、北朝鮮を恐れているのだ。
しかも今後の経済的な中国と日本を比較をすれば、中国の軍事費に比べて、日本が支出できる経済は余りに貧弱なのだ。世界一の財政赤字を考えればよく分かる。日本は中国に対して軍事的対抗など端から出来ない経済状態に陥っている。又、現代の戦争は原爆を後ろ盾にして、サイバー攻撃であり、経済戦争から始まる可能性が高い。
中国との関係は平和外交を模索する以外に道はない。中国の覇権主義をどれだけ恐れるとしても、現実はそこから逃れることは出来ない。しかも日本一国では対抗すら出来ないのが現実なのだ。尖閣諸島問題も、国連に判断をして貰うことだ。どのような判断であれ、戦争になるよりもはるかに安上がりだ。
そして、中国との間の外交的問題が取り除かれれば、経済的な協力も進むはずである。これからの世界経済は中国と関係を持つ国が有利なのだ。アメリカが中国と距離を持つというのであれば、日本がそれに変わるぐらいの気持ちで中国と関係を持って行けば良い。
中国を悪く言う人達は明治政府を復活させて、日本を盟主とした大東亜共栄圏を夢見る人達なのだ。時代遅れの日本主義者だ。それがアベ氏の後ろ盾であった。アベ政権時代に日本は悪い方向に進んだ。どうやって中国や、近隣諸国と友好関係を作れるかを根底から洗い直すべきだ。
日本は今こそ、平和的手段でアジアの国々と連帯を目指さなければならない。互いの文化を高める関係を目指すべきだ。そのことは観念的な平和主義では無く、現実的な平和への道として、模索しなければならない。アメリカの虎がいなくなったことは悪いことだけでは無い。