大理石モザイク画の制作過程
入口の両側に火防のスイジ貝を取り付けた。
鳥と月とスイジ貝
光の入る時刻で違って見える。
正面の下部
私の大理石モザイクの作り方は見よう見まねである。芸大の八橋先生のやり方を参考にしている。割り肌大理石である。石の調子が自然で一番きれいだからである。割り肌にするには道具が必要で、世田谷学園で教えていたときに、生徒と一緒に作っていた。
割り肌の美しさは水彩画の美しさのようなものだ。紙の地肌が生かされているのにちかい。磨き出しの大理石の調子は少しグロテスクで作品には使えない。王宮の感じで作品にはならない。
生徒の中にタイルやさんの人が居て、大量に余ったタイルをくれたので、タイルと大理石の混合での作品を、授業でやっていた。生徒と一緒に私も作った。私の授業法は必ず、一緒に作ることだった。私が面白がってやらなければ、伝わらないと思っていた。
外に置かれる作品なので、光が影響する。遮光で出来る影が影響が強くなる。色は壁の色の下地を生かしたものになる。
1、見えないが、まず壁にパステルで下図を描いた。これはもう一年も前のことである。ほとんどが見えなくなっている。正面の小さい方の作品下図は海と砂浜があり、空には鳥が飛び、太陽がある。
右側の大きい方の作品は、台地にそびえ立つ生命の木である。果物が実っている。鳥がシジホスのように飛んでいる。ここの上の方には月を配置する。
2、大理石を広げて、貼り方を考える。おおよその石の色を決める。貝は貼るのだが、貝の来る部分を決めて行く。3つのスイジ貝が重要である。
3、下図に沿って貼り始めたところ。下図は参考にはするが、石の成り行きにしたがい、石を貼って行く。
4、下の床との見切り部分には,立ち上がりの帯の石を貼る。床は琉球石灰岩である。立ち上がりが額縁の役をする。額縁の上には貝と珊瑚が並ぶ予定。
5、大理石を張り詰めるところと空白部分のバランスが重要になる。珊瑚と、貝殻の貼られるところは、ホワイトセメントになるので、この関係が難しい。寂しくないように、行き過ぎにならないように。
6、大理石の張り詰める場所の残りは、波の部分。波の表現と全体のバランスを考えてここまでになっている。
7、壁の色をどこまで残すかを考える。予定では波より下の部分はホワイトセメント出塗り込める予定だったが、珊瑚と貝を飛ばして貼ることにして、ホワイトセメントは止める。
8、鳥には花のある枝をくわえさせる予定。
9、木の幹はモザイク模様にして、ほぼ完成。
10、果物は全部で3つ。
11,この上の部分に月を貼る予定。
12、波の右側にもう少し石を貼る。珊瑚の並びの下に小さな貝を散らして貼る。
13、一通り、貼り終わったところ。後は仕上げをしてゆく。スイジ貝は重いので接着剤が乾くまで、ガムテープで補強。
14、暮れの31にち、正月の1日、2日と3日間で8分目まで完成したが、ここで接着剤がつきた。今日接着剤を買いに行き、仕上げをする。
15、残りは、天井に近くの月。珊瑚の下のちりばめる小さな貝。波しぶきの表現。貝と大理石の調和が難しい。
久しぶりの大理石モザイク製作だったが、かなり面白かった。強い光が入るので、大理石に影が出来て、色がさらに美しい。残念なことは狭いところなので圧迫感があること。ただ自分の暮らしている家という感じが出て良かった。