河野外務大臣の不自然な変貌

   

河野太郎氏がおかしくなっている。信じがたい変貌である。2度話を聞く機会があった。なかなかの勉強家であるし、人の話に対する理解力もある人と見えた。ところが最近の様子は明らかにおかしい。人相まで変わっている。アベ政権の鵺に飲み込まれたようだ。総理大臣になりたいの一心が起こした変貌なのだろう。忖度の輩である。反骨精神のあった河野一族出身者にしては不甲斐ないではないか。朝鮮徴用工問題である。これがアベ一座での彼の踏み絵なのだろう。その為に外務大臣という紳士的でなければならない職務を、異様な形相で行っている。良心がある人間だから苦しいのでは無かろうか。日本がやってしまったひどいことを、近隣諸国ではいつまでも忘れてはくれない。忘れないどころかそれを政治利用してくる。日本の国民としては辛い。辛いことではあるが、永遠にその責任を胸に刻まなければならない。戦争というものは悪いことばかりである。帝国主義を後追いした明治政府の愚かさを憎む。

今同じような焦りが日本の社会に産まれ始めたようだ。世界の動向が一国主義である。経済戦争が始まっている。強い者が正義という野蛮社会に戻ろうとしている。アベ政権は韓国最高裁判決を即座に「判決は国際法に照らして、あり得ない」と興奮気味に発言した。安倍氏は韓国司法が政府の意向を反映して出した判決と決めつけている。日本では自分が司法を従わせているので、こんな発言になったのだろう。河野太郎はアベ木偶人形一団の座員になったようだ。徴用工判決は国際司法裁判所で裁判をすれば、日本企業が敗訴する可能性もある。しかも世界における日本に対する批判効果は、慰安婦少女像の比ではなく広がることだろう。支持されたいが故に、日本の大衆の感情論に乗っかっている外務大臣は哀れ。まさに、戦前の追い込まれた日本の姿の再現である。徴用された韓国人を思うべきだ。分かりやすく逆のことを考えればよい。日本政府がロシアと平和条約をむすび、補償問題や戦争犯罪は解決済みとしたとしても、シベリアに抑留された人の怒りが消えるわけではない。ロシアは戦争の賠償として強制労働させたと主張している。シベリア抑留された三人の方と親しかった。強制労働のひどい状況を克明に聞かせていただいた。樺太にいた人からは、侵攻してきたロシア兵の暴虐を聞いた。ロシアを絶対に許さないと、お会いする都度と言われていた。故郷であるにもかかわらず、もう2度と樺太に行きたいなどと思わないとも言われていた。

朝鮮の人たちに置き換えて考えてみてもらいたい。愛する朝鮮を日本の植民地にされ、日本に連れてこられて強制労働させられた。確かに韓国政府は日本と平和条約を結び、賠償金に当たるものを韓国の発展の為に利用した。国家間では解決済みの問題であるかもしれない。しかし、直接働かされた徴用工個人の被害は解決していない。金銭的賠償があったわけではない。国が解決済みだとしても、個人の気持ちが収まらないのは当然のことだ。個人が働かされていた会社に補償をして欲しいという主張は理解できる。しかし、日本政府の態度はまるで過去の過ちに対して顧みる気持ちがない。日本の河野外務大臣がまるでネトウヨやヘイトスピーチ集団と変わらないレベルの反応をしている。まず、過去の歴史を謝罪するところから話を始めなければ、両国の会話など出来ない。外務大臣というものは、感情論に一番遠い存在でなければならない。

アベ木偶劇団に参加させて貰った恩義があるのか。アベ一座の人間は稲田氏、下村氏、甘利氏、など妙に怪しげなところがある。怪しげなところを上手く押さえて、忖度させるのではないか。これがアベ座長のお坊ちゃんの汚さである。今度の新座員河野氏は次の総理大臣という野心を弄ばれている。誰がマネージャーなのか、スカウトなのかわからないが、政策で河野氏と安倍氏と結びついたとは思えない。座員にしてもらった以上、頭は木偶人形の振りと考えるほかない。外務省を通じて世界の日本大使館に、韓国の最高裁の判決の国際法上での問題点をアピールしろと指示をしているそうだ。そして、韓国政府の対応次第では国際司法裁判所に提訴するとしている。これでは感情的対応で、国民の反韓意識を煽るだけである。激して対応すればするほど、韓国の人たちの怒りを煽る。良いことはない。いや、たぶん安倍氏の憲法改定には有効な戦略の一つなのだ。アベ一座に踊らされてはならない。

 

 

 

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