西日本豪雨の避難の問題
西日本豪雨災害ではあまりに多くの人命が失われた。異常気象が極端な気象をもたらしている。連日の猛暑も過去体験のないような状態である。避難に問題があったと思う。もういつでも前例にはない災害が来ると考えた方が良い状況なのだと思う。過去にも局所的には今回よりひどい土砂災害はあったと思う。しかし、これほど広範囲に土砂災害が多発し、ダムを漂流して下流域で決壊する事態というのは無かった。もう多くの人が生活の実感で、何か天候がおかしくなっているのは分かっていると思う。農業をやっていると、おおよそ過去の事例で進めるが、過去の経験を超えているという事が良く分かる。例えば田んぼで言えば、現在、12葉期のはずが、13葉期に進んでいる。田植え以降、少しづつ早やまっている。今まではどちらかと言えば、少し遅れることが普通だった。これが吉と出るか凶と出るかはわからないが、すべてが過去の気象の状態とは少ししづつ変わってきている。梅雨らしい梅雨がないということが去年今年の状態だ。去年は秋に雨ばかりという事だったが、今年も予想外と考えなければならないのだろう。
災害対策を進める行政の対応には確かに問題があった。避難についての住民の考え方にも問題があったと思わざる得ない。以前、自治会長をやらしてもらったときに、舟原地区が土砂災害危険地区という事で、避難所をフラワーガーデンに移動することになって、看板をフラワーガーデンに付けさせてもらった。そして避難体制の実際について話し合いを持った。その時自分は逃げないという人が大半であった。皆さんの意見が非難する方が危険という意見が強かったのだ。舟原は川の両岸に暮らしていて2か所の橋でつながっている集落である。川を渡らなければ、避難所に行けない人が半分はいる。そのような人にしてみれば、川を渡るような危険を冒すよりも家にいた方がマシだという事だった。確かに一番の危険個所が2つの橋の部分だ。という事は集落に2つの一時避難所を作る必要がある。と言ってそういう事は全く考えることができない状態で絵ある。
フラワーガーデンは一時避難所であり、最終的な避難所は久野小学校である。舟原からは川沿いの道を3キロほど下ったところである。歩いて避難しなければならない決まりである。車を避難に使えば道が細いので、車の渋滞ができる。そしてその道路が土砂災害によって川になる可能性も高い。来るまでの避難はどう考えても危険で不可能である。それでは歩けるかと言えば、豪雨の中歩くことなど不可能である。避難訓練では一度、フラワーガーデンに集まり、フラワーガーデンから久野小学校に行くことになっている。フラワーガーデンまでは車で行っても良いのではないかと思う。車が渋滞する可能性はまずない。付近には十分に広い駐車場もある。そういう実際の避難を行政とともに検討した方がいい。申し訳ないが、行政は全くそこまでは考えていない。そしてフラワーガーデンから、小学校には移動しない方がいい。つまり、和留沢、舟原、欠ノ上、留場の4つの集落の人は、フラワーガーデンを避難所のした方が安全性が高い。場合によっては新しく建て直されている、葬祭場を避難所にしても良い。
現在では、現実離れした避難訓練が続けられている。その為に避難訓練が極めて形式的なものになっている。自治会長の時にはそのことも嫌がられながらも何度も主張したが、取り合ってもらえなかった。その結果、無理な訓練を経験して、逃げない方が安全であるという認識が定着したのだろう。訓練のたびに非難をしない方がマシだという事が、経験的に周知されることになる。小田原市の防災計画がいかに無謀な計画であるかが実感される。そのほぼ無意味な訓練がもっともらしく繰り返されているのだから、実際の土砂災害が起きた時にどんな非難になるのかと思うと、恐ろしい気分になる。ではどうしたらいいかと言われても、正直良い考えはない。そこで人のことはともかく自分はどうするかという話になる。まず、小田原市の防災対策課に電話をして、フラワーガーデンの一時避難所の解錠をお願いする。そして車で一足早く、フラワーガーデンに避難するつもりだ。もうそのつもりで、最低限いるものは車に積んである。