鶏肉の半分に耐性菌
薬の効かない菌、耐性菌を鶏肉の半数から検出したと厚労省研究班が公表した。鶏肉の半数から抗生物質(抗菌薬)が効かない薬剤耐性菌が検出された。食肉検査所などで約550検体を調べ、全体の49%から耐性菌が見つかった。家畜の成長を促す目的で飼料に混ぜて抗生物質(抗菌薬)が与えられることがあり、鶏の腸内にいる菌の一部が薬剤耐性を持つなどして増えた可能性がある。
いまさらながらの恐怖であるが、予想された通りである。大規模畜産は止めた方が良いことだ。家畜が100万の数で一か所に存在するという危険を認識すべきだ。万が一のとんでもないことが、普通に起こりうる状態で家畜は飼育されている。大規模畜産においては家畜の抗生物質使用は当たり前のことだ。ここで耐性菌が生まれる。さらに新しい病原菌の誕生している可能性が大きい。鳥インフルエンザのウイルスの変異もこうした環境下で生まれたと想像すべきだ。大規模畜産というものが、人類を滅ぼす危険をはらんでいる。そんなことを言ったって、薬を使わなければ養鶏など出来ない。養鶏が出来なければ食べるものがない。こういう言い訳を無くすために私は自然養鶏を行った。薬剤など一切使わないでも養鶏はやれるのだ。大規模養鶏というもは危険なのだ。。何万もの生きものを狭い空間に閉じ込めて、病気が出ないようにするためには、薬漬けにするほかない。畜産においては、薬で病気を予防するという思想自体が間違いである。薬など一切を使わず養鶏は可能なのだ。それが自然養鶏である。
ところが、自然養鶏と口先では宣伝しながらも、抗生物質の混ざったチックフードが使われていたりするのが常である。私の目からするとおかしな自然養鶏がむしろ一般的である。インチキ自然養鶏も大規模工場養鶏と違う意味で危険なやり方だ。ある意味中途半端すぎて大規模養鶏以上に危険な場合も多々ある。長い養鶏業生活の中で、散々そういうインチキを見てきた。薬は一切使っていませんなど言いながらも、散々抗生物質で育てられた中雛を仕入れて養鶏をやっている人の方が多いい。何が安全だといいたい。大規模養鶏は怪しい。さらに小規模平飼い養鶏も怪しい。そこで行き着くのが家庭養鶏である。安全な養鶏には3つの要素がある。安全な餌。放し飼い。自家孵化。これが出来ている養鶏場が私が知る限りない。あるというのであれば教えてもらいたい。その点家庭養鶏は心配がない。最高の卵や鶏肉は家庭養鶏でのみ作られる。
資本主義の中では、儲ければ勝ちだ。儲かるやり方が優れたやり方になる。法律を犯していなければ、ぼろ儲けする養鶏が良い養鶏だ。きれいごとの口先に騙されてはならない。消費者というものは家庭養鶏が出来ないのであれば、残念ながら危険承知で卵や鶏肉を食べるほかない。あるいは食べないほうがいい。とことんまともな養鶏場を探すことだ。自分の眼で見なければだめだ。見せないところは嘘をついているに違いない。私も日本全国養鶏場を廻ったが、立派な能書きの養鶏場に限って、つべこべ理屈を並べて立ち入らせなかったものだ。自分で鶏を飼うことに立ち戻ることだ。大したことではない。戦後は東京でもチャボで家庭養鶏が推奨された。ところが今は鳴き声がうるさいだ。鳴き声が我慢できない社会の方がおかしいのだ。鶏の鳴き声を楽しむ文化は世界各地に残っている。おかしな社会だから、耐性菌など産まれてくるのだ。
鶏は家庭の生ごみをすべて食べてくれるごみ処理機でもある。それでいて売られているどの卵や鶏肉より上質なものが清算可能なのだ。我が家では食品残渣をごみとして出したことはない。すべて鶏の餌になっている。鶏の声もあたりに響かないように、防音鶏小屋と作った。夜はそこを閉じてしまう。音もそこそこ抑えられている。やろうと思えばだれにでもできる。家庭養鶏をやるのか、畜産生産品は食べないか。結局のところ生き方である。