「国民総背番号制」
マイナンバー制と言うような柔らか名前に成って、再登場している。消費税の減免措置に伴って必要であることが論議されていたが、この番号制度は利用のされ方と、セキュリティーについては不明である。不明のまま議論や審議も無いまま、今度の国会では通りそうだと言う事だから、要注意である。もちろん将来的な方向として、国民総背番号が必要と言うことは理解している。ただし、実施においては、いくつかの大前提が必要である。その第一が、当然セキュリティー管理である。内部からの情報漏れも相次いでいる。情報が漏れが起こらない、完全に管理できる方法が構築できることが最低条件であろう。そう言う事が誰にでも安心して、目に見えることにならないと、国家の国民の管理に利用されると言う不信がある。
反国家的な思想の持ち主と言う事の分析結果が出た人間は、何らかの犯罪を冤罪を作り上げ逮捕される。まさかそんなバカなという不安ではある。現状のセキュリティーではそこまでの管理は出来ない。しかし、そんな政府が出ないとも限らない。北朝鮮やイラクのような国家も現実にある。そう言う不安も一掃しない限り情報の一元管理はやるべきでない。次に大切なことは、番号の利用の範囲をどうすのか。さらに経済的合理性である。消費税の徴収や低所得者への還付の管理に利用すると言われている。納税者番号が以前言われたが、費用対効果で問題があるとされたが、今回はどうなのか。脱税をやる人は後を絶たない。巨額な土地を売り払い、その後姿をくらました人を2人知っている。時効まで逃げるつもりと聞いた。税務署から行く先を聞かれたが、教えたくとも知らなかった。何億もの脱税である。背番号制では、こうした人は逃げられないのだろうか。逃げられないためには、戸籍や住民票と連動していなくてはならないだろう。その上、何かの免許取得、あるいは許可、こういう事にも連動していなくては無理だろう。
医療との連動も必要になる。医療保険や年金とも連動させなければならない。どれもこれも完全に管理できるのであれば、と言う前提が付く。医療のデーターが流出したらこれはひどいことに成る。その不安で病院に行きたくないなどと言う事がありうる。経済的な意味だけで考えれば、あらゆることに番号を連動させ、無駄を省きたくなるだろう。多分これが出来る国が、経済競争に有利なことに成る。財務省では、世界各国の番号制度を上げている。韓国は住民登録番号制がある。全ての国民に、出生時に与えられる13けたの識別番号が付与される。税務、社会保険、年金、住民登録、選挙、兵役、諸統計、教育等管理されていると書かれている。指紋捺印制度まである。「朝鮮寄留令」植民地時代の住民管理で始まったものである。内容としては「本籍地その他で90日以上居住する目的で一定の住所または居所を定めた者は、部・邑・面に置かれた寄留簿に登載するようにする」ことであった。その後、韓国が日本の植民地から独立し、大韓民国政府が樹立(1948年)した以降も、戦時的事情から「朝鮮寄留令」に基づき居住者登録に関する制度が実施されたが、1962年朝鮮寄留法に変更され公布施行された。
韓国の問題点を研究してみることが、これから日本で国民番号制をどのように扱えばいいのかが見えてくる。韓国でもICチップ化が言われたが、行われなかったようだ。指紋も記録されているから、あらゆる分野に、どの省庁でも流用、誤用が起きているらしい。今のように、範囲も費用もはっきりしないまま法律が出来ることは良くない。どこまでの範囲行うかを明確にする。そしてその費用対効果を予測する。行う範囲が狭く消費税の公平性の為にだけ莫大な費用が生じるようでは、意味が無い。小さな政府に反することに成る。現在、若者を中心にICチップの入ったカードの利用が広がっている。この事は個人情報が主に営業の為に管理される可能性を容認していることである。いつの間にか、情報管理がどこかで行われている結果は目に見えている。ルールと管理を明確にして、公平に国が管理基準を作るということはある。