苗作りのまとめ
今年は、家の脇に水田を作り、色々の事を実験してきた。身近でじっくり観察すると、今まで気づかなかったことも少しわかった気がする。来年の育苗に向けて、少し方向が見えてきたということがある。それはセルトレーでなく、苗箱で大苗を作る方法である。楽な方法として、より安定したものにしたい。
まず苗土に関して。これは有機の育苗ではとても重要である。今年の場合蕎麦がら堆肥を混ぜるということで、一歩前進した。蕎麦がら堆肥は蕎麦がらを野ざらしで1年間置いてあるものである。中にはカブトムシの幼虫が沢山いるような、堆肥化した状態になっていた。今年もすでに積み上げ始めている。特に撹拌するようなことはしない。毎週米袋で3から5袋位づつ足している状態。足していても発酵して量が減少するので、さして増える感じはしない。一年ごとに積みあげる場所を変えている。去年は養鶏場の斜面で、今年は小麦畑のみかんの木の脇である。これで全体では1haの苗に使った。完熟たい肥を越えて、風化した行き過ぎ堆肥という感じである。臭いはしない。下の方はかなり土化している。この堆肥だけで育苗を2年した人もいた。それでも発芽障害がないものである。
苗土の配合は山の赤土を5:もみ殻クン炭を2,5:そばがら堆肥を2,5。ビニールハウスに撹拌し、混合して積みあげて置く。この時土が乾いているようなら湿らせた方がいいが、野外にあるものを持ち込むので、大抵は程良い湿度である。2週間置いて置く。温度計を差し込み温度変化を確認。10℃で安定していた。温度が安定していれば問題がないが、上がるようなら、さらに撹拌し時間を置く。完成したら、8ミリ目のフルイで振るう。フルイ終わったものは、大きな土のう袋に詰めておく。5反分で40袋あったが、30袋で足りた。しかしこの土は、苗土として何にでも使えるので、まとめて多めに作った方がいい。これをセルトレーに詰めて播種した。今回、新しく試みたのが、機械苗の育苗箱で大苗が作れないかということである。育苗箱の種類を変え、播種量を変え、水やりの状態を変え、置く場所を変え、実験をした。結果としてむしろ、セルトレー以上の良い苗が出来た方式もある。
結論をまとめてみる。
1、苗箱の播種量は、60グラム以下の少ないものの方が大きな苗が出来る。
2、苗土はやはり蕎麦がら堆肥入りの方がいい。
3、発芽まではビニールハウスで管理する法が発芽がそろう。
4、充分発芽がそろうまでは、麻袋を十分に被せておく。
5、発芽がそろったら、パオパオで覆い2葉期まで置く。水やりは朝。
6、2,5葉期まで置いて、パオパオを取る。
7、この頃からビニールハウスの昼間の高温には注意。ハウスをあけると乾くので、朝晩の水やり。
8、暖かい日を見て、代かきをした苗代に並べる。
9、苗代の水はかぶるほどなくても良い。
10、苗箱は底穴の大きなものほど、苗代に根が伸びて良い。
11、育苗期間は4月17日播種で田植えが6月3日で4,5葉期。47日間。
12、浸種は、低温で、1週間以上出来れば3週間なら発芽がそろう。
13、最後の一日くらい、湧水に入れると、鳩胸状態になる。
14、「3月27日がもみ洗い。」「4月3日が土振るい。」「9日が苗代作り。」「17日が種まき。」
セルトレー方式も良いのだが、苗箱で出来るなら、作業が楽になる。苗箱の数を減らす事が出来る。来年はさらに研究を深める。
昨日の自給作業:4時間 代かき 累計時間:32時間