原子力発電は安い。と言う嘘
経済産業省所管の財団法人・日本エネルギー経済研究所は31日、原子力や火力などの発電コストを試算した結果を発表した。原子力は1キロ・ワット時あたり7・2円、火力は10・2円となり、原子力のコストが火力より安くなった。読売新聞の記事である。
この報告書はよく読んでみると。原子力発電は安いなどとは、さすがにどこにも書いてない。有価証券報告書から発電費用を算出している。つまり、「放射性廃棄物の処理費。安全対策の強化費。廃炉の費用。地域対策費。」こういうものを一切省いている価格だ。原子力が他の発電より高く付く側面を省いて、偽りの安さを演出する狙いこそ知りたい。わざわざこの時期にこうした試算を公表する意図は、原子力発電を継続すべきと言う報告書になってしまう。報道はこういうものの一部を利用して、原子力発電推進を意図しているのだろう。読売新聞がこうした記事を出す背景は、原子力マフィアを慮ってと考える必要がある。日本をダメにしてきた手法。騙されてはならない。この報道の仕方が一つの証拠であるので、確認しておきたい。国民一般が原子力を高いものだと、真実を認識してしまったことに対し、財団法人の材料をこれ幸いと悪用して、覆そうと言うのだ。両者は連携している可能性が高い。
原子力発電の経費で一番かかるのは、放射性廃棄物の処理費である。これは現在では全く方法がない。不可能なものだから試算の方法すらない。見積もりを公募しても、どんな処理業者でもこれだけは手を出さない。処理法はなく、どこかに何千年保管することになる。この費用は年間1兆円としても、どうなるのか考えただけでバカバカしい。そう言うことを一切省いて計算する魂胆が知りたい。原子力の長所が安いということだけだったからだ。もうそういう嘘は国民の誰もが知ってしまったことだ。それをまことしやかに報道するというのは、明らかに黒い意図がある。利権である。東電の広告が欲しいというような、直接的なものもあれば、財界の顔色をうかがうという意識である。こういう姿勢が本当に社会をダメにしている。原発うんぬん以上に問題だと思う。読売新聞がひどい新聞社で、ここまで国民を甘く見ているということを確認しておく。
新聞社の記者は痴呆ではない。この記事がどういう意味になるか位は十分知っている。喜ぶ人に向けて書いているのだ。ご褒美ぐらいもらいたいのかもしれない。こういう仕組みで日本をダメにしてきた。報道と言う公器を食い物にしてきたのだ。突然話は変わるが、暴力団とのかかわりで、紳助氏が引退した。あのときのテレビでの弁明を聞いて、大抵の人が「その程度で引退することはない。」そんな印象を持ったと思う。さすがにテレビで活躍してきた人だ、話がうますぎる。ところが、作られた印象とは違うらしい。吉本興行と暴力団のかかわりは、相撲協会と一緒で、昔からの興行を行う悪弊があった。紳助氏の実像もだんだん怪しくなっている。しかしあのテレビの弁明は見事な演技だった。つまり、騙されてしまうということだ。読売新聞が記事として、原子力は安いと書けば、やっぱりそうなのかと根拠なく思いこむ人がいる。この仕組みを利用して、悪い画策が動く。
このブログでどれだけ、原子力は莫大な費用がかかると書いても、事実の積み上げ以外に説得力を持たない。もし読売の記者が個人のブログでこの程度の記事を書いても何の影響もない。紳助氏が風呂屋で必死にいい訳をしていても、信ずる人はいない。紳助氏の場合、あることで直接的な話を聞いたことがある。沖縄と似たような話を忍野で企画した話だ。これがすぐ崩壊して、それは農の会の活動にもつながっている話だったので、内容が想像できた。そんな程度のものかと、テレビと言うのは信頼できんなと思った。公器と言うものの意味を慎重に考える必要がある。それは一つの権力の形なのだと思う。馬鹿話に大笑いしているのはいいのが、新聞と言うものが批判精神を失い、利権を背景にしたプロパガンダを、刷り込ませるようになっている現実を確認しておきたい。