TPPの賛否
勝間和代氏の日経新聞のクロストークでTPPの賛否の議論が行われていた。結果反対53%賛成47%であった。勝間氏は当然のごとく賛成の提案である。日経であるから、賛成の方向の人だからこそ、こうした枠を設け取り上げられているのだと思う。その日経の議論でさえ雲行きが変わってきた。TTPに参加した所で、日本経済が好転するとはとても思えないという実態が、経済の観点から見えてきた訳だ。関税の自由化において、韓国に後れを取るようではいけない。勝間氏は主張しているが、韓国がどうなるかをもう少し見定めてからでも参加は遅くはない。TPPが正しいルールの自由貿易協定なら、入りたい国を断るはずがない。韓国は北朝鮮の暴発を恐れて、アメリカとの関係の強化をせざる得なかった。国内の強い反対も、一気に風向きが変わった。止むえず諦めたのである。アメリカオバマ政権は輸出先を必死に探している。グリンニューディールは現状成果かがない。このままではオバマ政権への批判は強まるばかりだ。
世界の経済はアメリカの経済的影響が低下で動いている。アメリカの一人勝ちのような不自然な状態の終焉。この先10年を想定すると、アメリカの経済が世界をリードするようなことは考えられない。アメリカに依存した日本の貿易立国は、実体経済ではすでに舵を切り始めている。そのことをアメリカは極度に恐れている。アメリカが普通の国になることは、当然なことのはずだ。日本もそうである。日本が有利な立場をいつまでも維持して、アメリカのコバンザメでいることは、TPPに参加しようがしまいが、もう出来ない。同じに働けば、同じ収入を得たいというのは、当たり前のことで経済先進国と呼ばれる国が、いつまでもその有利さを維持しようということが、そもそも無理なことなのだ。日本もアメリカも世界の現実を良く見て、国の方角を定めなくてはならない。
世界が自由貿易に成るべきだ、と言う理想論はある。その時には、いくつかの前提条件があるだろう。まず、食糧と労働力は除外する。もし食糧が自由貿易になれば、競争に負けた貧しい地域の人々は、農業をしながら、輸出作物を作ることになる。すでにアフリカで綿花を生産し、食糧を輸入する。フランテーション農業が行われている。経済植民地農業が世界を覆い尽くすだろう。中国や韓国もアフリカの農地に進出を図っているという。自由貿易なら、日本もアフリカで食糧を生産した方がいいということなのか。安い農地。安い労賃。適地。で収奪的農業がおこなわれる。それが一番もうかるのだから、資本はそうした農業に集中する。どれほど合理化しようが、競争不可能な地域が出来る。資本主義の行き着く先はそこだろう。儲かれば、勝てば、利潤を上げれば、それでいい。
日本はその路線に必死にしがみつこうとしている。もう降りた方がいい。そう言う声は風に吹き飛ばされてしまう。先日TPP座談会での発言をした。驚くことにそれがネットでまだ流れていた。私の部分もある。後半の2番目18番である。ブログだけではどんな奴かは分からないので、これを見てもらうと恥ずかしいが様子が分かる。様子が分かりば、ブログも少しわかりやすくなるかもしれない。この集会で言いたかったことは2つ。日本人はもう一度、田んぼをやる国に戻ろうということ。もう一つは、畜産は合理化をして、国際競争力のある産業。農業の国際競争が進んでゆくと、食べ物が儲かりさえすればいいという、心のこもらないものに成るということ。食べ物は愛情がこもったものの方がいい。鳥インフルエンザはその危険信号。前触れ。畜産で今起きていることが、あらゆる農農産物に及ぶことに成る。