民衆革命の欺瞞
リビアのあの独裁者カダフィー大統領が、民衆によって追放される。何か違うようである。チュニジアで始まった抗議デモが、名前は素晴らしいジャスミン革命にまでつながる。民衆の匂いだけする革命。大変なことが起きていると感じるが、その背景にある民主化とか、思想とか、哲学とかが見えない。内戦であって、はっきりしているのは民主主義革命ではない。不満の爆発ということで良いのか。どこかで操るものが居る気がしないでもない。アメリカはかつてカダフィー爆撃をしたことがある。エジプトではムバラク長期政権が崩壊する。バーレーン、でも同様のデモが起き、死者まで出ているらしい。いよいよ大変なことだと思って居ると、何とイランまでデモが拡大しているらしい。イランはホメイニー氏のイスラムシーア派の宗教的支配により、イスラムの厳密化を国民にしいた。
思い起こせば、イランにはパーレビ国王というアメリカと連携した政権があり、石油利権で得る莫大な富を独占していた。当然、民衆の不満は蓄積する。それがイランの革命になった。厳格なイスラム宗教国家としてのイランにおいて、革命後強烈な自由主義の弾圧が起こる。大統領選挙の不正に対し、大規模なデモも起きていた。原始爆弾の開発とイスラム原理主義。そうした国にまで広がる、民衆の蜂起というようなことはあり得ない。これは反イスラム勢力の一致団結した内戦誘導にみえるが。イスラム各国が互いに消耗戦に入ることを目指されている。アメリカがリビア上空飛行禁止地域指定に微妙な対応を見せている。何が良くて何が問題なのか。日本の報道では、判断が全く示されていない。EUやNATO軍が飛行禁止区域の設定を要望し、アメリカが時期尚早の見解を述べる。いつが適切な時期なのか。この間もますます、内戦の様相が深まる。リビアの反政府勢力からは、カダフィーの軍拠点の空爆の要請が出ている。
もしかするとこの状況こそ、反イスラム勢力としては、日本もその隅に隠れている一員として、望ましいと考えているのものではないか。内戦で人が死んでゆくことを傍観してみている、平和憲法の国があるか。何の発言すらないというのでは、情けないが、それが日本の力量か。国会では、外務大臣前原氏の北朝鮮コネクション問題。以前から北朝鮮との関係をアメリカから脅かされて、アメリカを支持をするようになったという話が、どこかに出ていた。辞任になった。さすがこのタイミングで出されるのか。こんな状態では、とても今中東で起きていることに、対応は出来ない。中国はリビアとの関係は深い。中国人3万5860人、全員脱出完了。油田開発、労働者の出稼ぎ。中国のアフリカ進出は、毛沢東時代からの国家的方針である。AA同盟とか言って居た気がする。
食料品や、石油が上がっている。リビアのオイルマネーとの関連。世界景気は一段と悪化するだろう。特にアメリカと日本への経済的影響は強いと思われる。やっと息絶え絶えの所に、追いうちのような石油価格の上場。と言ってもこれは遅かれ早かれ起こることで、アメリカの中東からの後退。中東で長期政権が無くなったとしても、誰が穴埋めをするのについてはしばらくは混乱するだろう。アメリカが割り込むようなことはもうないだろう。お隣のヨーロッパがどのような対応を取るのか。現在ユーロが評価されて上がっている。結局格差があると、デモが起き、民衆は爆発する。殺されても進んでしまう。石油があり、膨大な富を持つからと言って、幸せな国とは言えない。日本も格差を解消することに全力を挙げる。貧しくとも同じであれば我慢が出来る。