尖閣諸島問題2

   

日本政府の立場は尖閣諸島については領土問題も存在しない、何の疑いもない日本固有の領土であるということのようだ。もちろん中国の見方はそうではない。このことも調べて見ると案外に複雑で、簡単に意見が述べられるようなことでもないようだ。両者それぞれの見解があって、問題が無いとまで言い切れないことだけは確かなようだ。ただし、そのことは置いておいて、何故今この問題が今このタイミング起きたのかである。はっきりしているのは、誰かの海上保安庁に対する指示で、この漁船の衝突事件は起こされたことである。もちろん現場の指揮官の独自の判断ということもありうるが、偶発的なものでないことだけは確かである。漁船の操業はとくべつなことではなかった。ここで中国漁船の船員を拿捕すれば、どういう問題が、日中間で起きるのかが、計算されいたと思われる。日中両国の反応もほぼ予測されたような展開と考えなければならない。

中国が強い対抗処置を次々に取る。それに対し日本政府はしらじらしく、日本の国内の法律に基づいて普通に処理するとしか反応しない。当然のこと、何が起こるかである。アメリカ軍との同盟関係の意味が、リアルに再認識されるという想定。それは当然のこと、沖縄の基地問題と深く結び付いている。普天間基地の国外移設どころではないだろう、という世論を作り出す目的。実に分かりやすい仕掛けである。中国はまさか、日本政府がここまで強気で来るとは思わなかった節がある。経済で脅かせば、日本など簡単だ。こういう安易な考えがあったようだ。この点中国はまだ途上国的甘えがある。経済はお互いさまで、相手が痛いぐらいやれば、自分にも痛いことになる。経済でいえば、中国経済の方が、日本以上の綱渡り状態は深刻と考えられる。日本のバブルと同じことで、下手なことをすれば大きな反動が起きる。もう口先介入では、どうにもならないほど、経済の結びつきは深い。

中国国内には、深刻な経済格差がある。それは発展が一瞬たりとて、とどまった時に大きな混乱につながる可能性が高い。中国政府としては常に経済発展を作り出さなければならない。そんなことはできる訳が無い、見せかけの延命策。水問題から来る食糧危機。温暖化の影響による、自然災害の深刻化。人口の急激なアンバランス。中国の展望は明るいだけではない。今は経済の急速な発展の途上だから。何とか維持されているにすぎない。そうした国内の不満要素に対し、日本に対し必要以上の強硬姿勢を見せなければ、収まらならない状況なのだろう。日本が簡単に譲ると考えたのかもしれない。ところが、日本は普天間問題から起きた、日米同盟解消の世論の台頭がある。政府は中国の軍事力の増強宣伝。覇権主義の強調は、日本政府の仕込み通りの展開。中国は油断できない、怖い国であってほしいと考えた勢力がいる。それが漁船の拿捕を仕掛けたと見て置く必要がある。

領土問題で興奮してはならない。こんなことで戦争に発展することもある。ボタンの掛け違いで、抗議船に自衛隊の哨戒機が発砲するというような、事もないとは言えない。安易に考えない方が良い。EUのように、東アジア共同体として、将来は同じ国になるのだから、芦ノ湖が静岡県か神奈川県かというぐらいのことだ。両国政府は表面つのを突き合わせているようだが、両国の国民の大半は、上手く収めてほしいと考えている。沢山の日本人が中国の為に、本気で手伝っている。深い友好関係は生まれ始めている。もっと知恵を出すべきだ。両国友好の為に超法規的処理を望む。面子をつぶさない対応が必要。全権を委任する特使を派遣する。田中真紀子さんはどうだろうか。

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