足柄幹線林道の掃除
14日には足柄幹線林道の掃除があった。足柄幹線林道は久野の坊所から、箱根宮城野に抜ける、10キロほどの林道である。林道とは名ばかりで、箱根への通勤と箱根観光の抜け道として主に使われている。途中は杉檜の植林地帯で、眺望は上の峠辺りまで行かないと全くにない。清掃作業は実質1時間30分であった。40リットルのゴミ袋で、8袋というすごい量ををひたすら集めた。怖ろしいごみの量である。果てしの無いごみが道路際に散乱している。前から話は聞いていたが、この道では初めてのごみ拾いで、そのすごさに少々驚いた。40人ぐらいでやったわけだから320袋か。、それでもまだ、半分ぐらいしか出来ていない。よくもまあーこれほどに汚してくれたものだと、あきれ果てる。燃やせるゴミと、空き缶ビン類がほぼ半々であった。
今回の呼びかけの中心を担ってくれたのが、森の仲間たちの皆さんである。以前も欠ノ上の伐採を手伝ってくれたグループである。前回の作業でとても力量のあるグループだとは分かっていた。今回も清掃の準備万端してくれたので、スムースに作業が進んだ。10キロを40人でやるとして、一人が片側500メートルやればいいはずなのだが、それが半分ほどしか出来なかったのである。私が担当したのは、旭丘高校の久野校地の前辺りだった。尋常ではない量があった。10メートルでゴミ袋が一杯に成るという、ごみ密度の場所もあった。旭丘高校ではこの状態をどう考えているのだろう。もちろんごみの内容物から見て、旭丘の生徒のごみという訳ではない。あくまで観光客のごみが主体である。大物の不法投棄も一部にはあった。
箱根にはゴミ箱が少ない。ゴミ箱を作ると忽ちごみの山になるから、大抵の観光地はごみ箱を作らない。箱根でよく絵を描くので、あちこちと入り込んで状況は把握しているつもりだが、ちょっとしたごみが捨てることは出来ない。持ち帰りが原則と言う事だろう。それは悪い事ではないが、結果ポイステが横行する事になる。小田原市と箱根町の境に関所を設け、箱根のごみはここで捨ててください。こう言う風にはできないものだろうか。箱根町の側は、清掃活動があるようで、実はごみが少ない。小田原に入ると、一気に増えるというのだから、小田原の恥のような感じもするが、よく考えれば、箱根でのごみが中心である。現在ごみ処理広域化が検討されているが、ごみの内容が、箱根と小田原とではまるで違う事が分かる。箱根のごみは家庭ごみではなく。ほとんどが観光事業系のごみである。
箱根での観光事業のためにでてくるごみを、どう考えればいいのか。これは本来産業廃棄物のようなものだろう。少なくとも観光業者が自分の営業の中で処理をすべきごみのような気がする。家庭ごみという名前の中に、事業系ごみを混ぜ込もうとして、一般廃棄物の定義を曖昧にしてしまった。産業廃棄物の処理困難を、できるだけ一般廃棄物に混ぜ込もうという意識が働く。こう言う所に報道の責任がある。もちろん環境庁あたりの知恵者が仕掛けたことだろうが、報道関係は無意識に家庭ごみという訳のわからない名称を、普通に使うようになってしまった。NHKには抗議したことがあるが、普通に使われ、認知されている言葉であるというような、まともな返事ではなかった。いずれ、清掃活動をボランティアで処理する構造は、何かがおかしい。おかしいけど他に方法はない。小田原でも多くの人があちこちの清掃活動をしている。まあ、これをおかしいというと、自分のちんけな心が見通されるようなものではあるのだが。