週2日で出来る農業
職業としての農業は日本では難しい。そのことは農業を始めてすぐに分かった。そこで無理だからこそ、「地場・旬・自給」を掲げた。何故専業農家が成り立たないか。このことを少し考えてみる。日本の国土は、四季の変化はあるものの、比較的気候温暖。水に恵まれている。農業を行うには、最適の地である。しかし、地形が急峻で平らな土地は、少なく。人口密度が高く、農業適地には住宅地、工業地帯、道路、公共施設が広がっている。残る大半の土地は急峻な山谷である。しかも、どこの土地も古くからの、所有が複雑に絡んでおり、経済の合理性だけで、整理が付かない状況である。こうした条件下において、規模拡大して、集落営農や認定農業者や他産業からの参入の推進。などの制度を、奨励したとしても、効果がある地域、効率が上がる農業は一定に留まる事になる。とどまった時に困るのは、大規模化できなかった農家の処遇である。却って、専業農家の数を減らす結果になった。
専業農家の発想には限界がある。そこで、考えたのが自給的農業の奨励である。まず、日本人の都市集中型の暮らしを変えてゆく。各地方に分散して暮せるようにする。地方にいても可能な業種の人が、地方に分散してゆく政策をおこなう。1軒が300坪くらいの土地に住む。農業が放棄された地域に、通信環境のととえ、住宅が建てられるようにする。通勤は月1回程度にする。あるいは、企業、工場の地方分散をはかり、土地の有効に使われて言い無い地域に、産業が移動するようにする。そのイメージが足柄平野である。この地域をモデルにすれば、農地法を、都市計画法を改正して、農地や山林に家が建てられるようにする。1軒300坪の自給型の農地併設住宅である。つまり今の私の家のような状態を、誰にも簡単にできるようにする。自給農業に費やす時間は、年間通しても400時間にはならない。土曜、日曜その気になれば、可能な農業である。
仕事は普通に行う。魚市場に勤めていてもいいし。大工さんでもいい。市役所でも、病院勤めでもいいだろう。もちろん日立でも、フジフィルムでもいい。どこかに勤務しながら、自給的に農業を行う。もちろんまだ、普通の人はそんな馬鹿なことは考えていない。しかし、この先の事を思うと、そう考えるしかないと思えるのだ。まずは、自給的農業をやりたいと考えている人に、その機会を提供すべきではないだろうか。昔からの農家の人が、何とかやってくれている間はまだいい。その農地を誰かに頼むとしても、受け手のない土地の方が多いい。だから放棄されて、荒れてしまう。そうなれば、農道の管理も、水路の管理も、いよいよ難しくなる。一人が止めると言う事は、全体に及んで行くことにもなる。いま、昔からの農家の方がやってくれている、ギリギリの仕事を誰かが受けつがなければ、日本の農業は終わってゆく。
基本は今実際にやってくれている農家の方達を、離農させるような事が起こらないように、将来展望を持てるようにする。一番大切な方向は、農業を行う人間をへらさず、増やすこと。農業法人が農業者を雇用する補助もいい。農地の管理者に税の免除。新規就農者の育成に力を入れる。特に就農の斡旋を本気で行う。その上で、自給的農業者の希望が適うような、条件作りを行ってゆく。自給的農業者の農業参入には、農の会のような窓口が必要。農振農地での放棄地は行政が強制的に借り上げ、斡旋してゆく。住宅については、国が法律を変える様働きかける。300坪以下の住宅、農業を行わない住宅は認めない。秩序ある、転換になるよう。大きな都市計画の枠組みを明確に決める。日本の国土と言う条件で、自給率を上昇させようと考えるなら、農業者を増やす以外方法がない。この方角から考えておけば、間違わない。