高速道路1000円

   

第2東名高速道路はどこの誰が、決定して作ることに成ったのだろうか。こう言う質問を建設省の担当官に、質問したことがあった。回答は、「国にそうした審議会があり、そこで作ることを決めたことが、スタートで、順序を経て建設に到った。」審議した委員は少しは反省しているだろうか。20年も前の事になるだろう。いまだ山北区間は作られてはいないが、徐々に着工が迫ってきている。着工を決定するには、環境アセスのやり直しが必要なはずだ。これは監視していないといけない。20年前に、不用な屋上屋のような道路だと言う事で、散々抗議したのだが、今思えば、あの時の指摘を少しでも考慮してくれていれば、これほど無駄な環境破壊をしないですんだ。地方には生活道路すら整備されていな区間がある。何故、既に高速道路がある場所に平行して道路を作らなければならない必然があるのか。全くの道路建設のための道路だとしか思えなかった。そのときの提出した、資料では、飽和し停滞する国内経済の先行きや、輸送手段の変化、化石エネルギー問題などシュミュレーションした。

ほぼその通りの変化をたどり、第2東名高速道路は無くてもいいレベルの道路になっている。その状況下、高速1000円の政策の登場。混みあってもう一本必要と言うならまだ判る。使う人が少ないから、安くしようと言う状態でも、もう1本作り続ける悲劇。国の舵取りが明らかに間違っている。世界の情勢変化を読みきれていない。1000円にして、大いに使ってもらおう。土日と言う事だから、高速を使い、遊びに行ってください。こう言う提案だろう。平日にすべき。これがこの国の緊急経済対策の一つである。どう考えても、経済はいい方向に進むとは思えない。さらに深刻な事態が近づいている。ごく当たり前のように、「消費を増やせば、景気がよくなる。」こう言う事が言われる。全く何を血迷っているのかと思う。そこでの景気の上昇は、一時の表面に現れたことだ。乗らないでいい人が、高速をビュンビュン飛ばす。「無駄使いせよ。」こう政府が叫んでいる。悪い政府だ。

幾ら無駄使いしても、景気の回復などない。必要でありながら、そろっていないものが幾らでもある。例えば小児科、産婦人科病院の充実。教育の多様性の保証。地方分権。そうしたことに手をつけるなら判る。無駄な消費は新たなものを生み出さない。新たなものを、産み出すものに投資するなら、その消費は回りまわって有効な結果を出す。ところが、思いつくのは高速1000円である。全く目先の事だ。やるなら平日からだろう。しかもトラックから。輸送コスト削減と言う事なら、まだ理解しやすいが、遊びに行けと言うのは、遊べばしっかり働けると言う事か。本音では国民を甘く見ている。何時までも古い観念の中にいる。なんだかんだと言っても、金をばら撒けば選挙に勝つ。このレベルの発想が背景にある。もちろん、ソーラーシステムの補助復活のようないい政策も在る。さらに、誰でもやろうかと思うぐらいに、思い切ってやるべきだ。ドイツの低燃費車買い替え補助など、日本でもやれるだろう。

投資するなら自分自身に対してが、こういうときは一番だ。例えば健康に100万円投資する。医療費が、120万円不用になれば、20万円の利潤だ。100万円の個々人の健康投資に税額控除を行う。教育投資もそうだ。とくに若年層に教育投資する。必ず国力を上げる形に繋がる。先ずは行政がこういう時間のかかるところを充実してゆく。老人施設もそうだ。ここで働く人の待遇の充実。海外から人をお願いしなければならない状況。景気がよくなることは無いが、暮らしは幾らでも良くなる。日本人の暮らしは、最近悪くなった。それは安定した、田舎が無くなった事が大きい。駄目なら戻れる田舎はもうない。この辺りにもいくらでも投資先はある。所で1000円で乗るにはETCと言う機材を車に付ける必要がある。これは売れているらしい。品不足。これが大体設置された頃、1000円は終わりになるのではなかろうか。(暫定期間2年)

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