有機農業業協議会
「小田原有機の里づくり協議会」発会記念式が行われた。小田原の農業にわずかでも役立つことが出来ればと思う。ジョイファーム、自然農法、報徳農場、そしてあしがら農の会の4団体が、連携する協議会である。各会それぞれに特徴がる。農業の置かれた危機的な状況の中で、有機農業を推進して来た団体である。ジョイファームは地元の有力で意欲的な営業農家が、生協出荷と言う形で、多数協同した組織である。農事組合法人小田原産直組合が正式名称である。実力、参加者数、出荷量共に、際立った組織である。今回協議会に参加してもらえたことだけでも、手を合わせたくなるほどありがたい稀有なことだと思っている。「小田原の農業を何とかしたい。」そうしたことなら気持ちは繋がっている。参加を決意してくれた。
自然農法関係はMOAの組織である。全国的に見ても、戦前に始まると言う、最も歴史があり、有機農業の技術的な確立において、研究施設の充実。技術の普遍性という意味での確立、普及。日本の有機農業を黙々と支えてきた組織である。これからの日本の有機農業の展開において、最も重要な技術集団であることは疑いがない。とくに石綿氏の農業技術は、全国でも一般の果樹農家にも普及した。ヘアリーベッチや麦類を混ぜて播種する下草技術として広まっている。報徳農場は二宮尊徳思想の下に、明治期に結集した報徳会の流れを汲んでいる。報徳会の会長をされている田嶋氏が、農業の実践の為に設立した農業法人である。田嶋氏は地元のスーパーの会長でもある。会長と言っても自ら、泥にまみえて耕作されている姿は、現代の尊徳なのかもしれない。農の会は新規就農の集団である。若者中心で、ある意味ユートピア的集まりである。
4者4様の協議会である。新参者の農の会はフットワークは軽い。何とかつなぎ役になるべき努力してきた。それは自身、この20年やって来たことのままである。農家の通訳になる。と言ってきた。農の会は新しいものの集まりであるが、佐々木市議も農の会の会員が、後に市議になったのである。加藤氏現小田原市長も、農の会の会員であったものが、後に市長になったのである。まさかそんなことになるとは、思いもしなかった。そうした意味では、やっとその時が来たと言う事になる。が、関係があるからと言う事は、一切利用することはない。それぞれの方向が揃ってきたと言う事だろう。農の会自体は、刻々変化している。形はあるようで、何もあるわけではない。それは弱いようで一番強いと思っている。こうあるべきを排除した集団である。それぞれ一人一人が大切にされる。それだけを心している。
協議会の設立の大きな要因は、国の制定した、「有機農業推進法」である。この法が出来たために、有機農業は不可能だ。と判断してきた。各県の技術センターは不可能とばかり言えなくなった。法というのはありがたい物だ。不可能と思いながらも、調査、研究、普及と推進計画を各県は現在作っている。初めて公的な機関が動き出すことになる。この点に、一番期待するのだが、技術センターでは困惑しているに違いない。先ず、経営実態の調査から入る、らしい。技術的調査でない所がいかにも痛い所からという、さすがの役所の足をすくうセンスだと思う。それも良いだろう。大きな流れは、誰が食い止めても止まりやしない。農業が大切なのだ、有機とか、無農薬はその活性化の要素だ。農業に新しい風がおくれる可能性がある所は、全て掘り起こすべきなのだ。好き嫌いを言っている場合ではない。