明星ヶ岳登山道整備
舟原で朝な夕な見上げる山は明星ヶ岳である。畑仕事、田んぼ仕事、腰を伸ばして広がる山が明星ヶ岳だ。箱根の外輪山の東の輪は金時山、明神ヶ岳、明星ヶ岳と続く。さらに南に下れば、箱根駅伝の中継で必ず出てくる、搭の峰のコブがある。山の西斜面には箱根大文字焼きが描かれている。この眺めは強羅温泉からの眺望である。彫刻の森を東に囲むように眺める山が、明星ヶ岳。この優雅な名前の山の名は、箱根を訪れていた文人がなずけたとも読んだことがあったと思ったのだが、調べたがそのことは判らなかった。小田原側から見ると、西の空にかかる明星が強く光る辺りが、明星ヶ岳であることは確かだ。これが名前の由来であろうか。標高は1000メートルもない924メートルながら、立派な山である。特に、眺望が際立って良く。足柄平野越しの相模湾の眺めは、他に変えがたいものがある。
地元の中学では、尾根からすぐ降りた辺りに、以前は学校林を管理していた。そのこともあって、地元の者はこの山には格別の親しみが今でもある。私が住む舟原は小田原からの登り口の部落である。戦後開拓でさらに3キロほど奥に、和留沢の集落がある。現在14戸の方が住まわれているそうだ。最盛期は50戸近くの家があったという。それくらいの人が充分に住める、広がった窪地である。酪農や、栗栽培を目指したが、現在は茶畑が一番の面積を占めている。標高が400メートル近くあるので、茶摘み時期がずれるため、作業の都合が良く、高い所で茶畑を管理するメリットがある。昔牛を放牧した、場所が今は美しい雑木林になっている。この付近は古くは箱根修験道の霊場でもあり、寺院跡の礎石が見つかったこともあったが、今は又不明になってしまった。釜石の採掘場跡があり、これは久野川の源流ではこうした場所がいくつかったようだ。人が暮らすには別天地のような、素晴しい場所で、これから注目される小田原の秘宝のような場所だ。
和留沢の集落の一番奥から、登山道に入る。なだらかな道で、簡易水道の水源の管理道として作られた道が2キロあまり。下3分の一の林道との合流点まで続く。久野川の支流に沿って上るのだが、ここの沢は水が枯れている事が多いそうだ。水源の沢は当然50軒が暮せた、水源だから水量は充分ある。水源には大きな水神の石碑が昭和42年建立と刻まれている。ここからもう一本上の林道までが、林の管理道から、尾根道と続く、なかなか本格的な登山道となる。以前は川沿いに道が切られていたそうだが、その道は堰堤が作られて切れてしまったようだ。林の中は作業道だから、登山のためにはもう少し整理しなければ、いけないようだ。いずれ植林地を抜けた辺りから、険しい岩ののぼりになる。この辺は登山道としての安全対策が特に必要になりそうな場所だ。この辺りからコナラやマモミジの林となり、遠望できる足柄平野を含めて、登山道中一番の見せ場である。岩場を登りきると、すぐ上の林道に出る。ここから尾根までは既によく整備された。登山道となっている。熊笹や箱根ザサが目立つようになって尾根に出る。尾根からの富士の眺望は金時と駒ケ岳を従えて圧巻である。
久野里地里山事業の本年度の事業が、登山道の整備である。昨日はその下見を行った。所が下見前に、行政の方や和留沢の方が随分草刈など管理をしてくれて居た。森林組合の方も、目印や草刈をしてくれていた。基本の登山道は既に出来上がっているようだった。後は案内板や、細分調整となるだろう。この道が再建整備されると、小田原と明星ヶ岳がぐんと親しくなる。市民の山になる。舟原の和留沢入り口のバス停で降りて、3時間ぐらいで明星ヶ岳登山ができるようになるだろう。頂上でお弁当を広げて、宮城野方面に下りて、貫太郎の湯にでも入って帰るコースは、なかなかの魅力である。近いうちに又行って見たいものだ。
昨日の自給作業:ジャガイモ堀1時間 累計時間:25時間