裸の付き合い

   

私はスーパー銭湯好きだから、風呂屋さんでは知り合いができる。まさに裸の付き合いと言う事だが、形態的には裸の付き合いだが、実に表面的なその場限りの付き合いである。皆さんその辺はよく心得ていて、名前や住所を名乗りあうようなことはよくないことだと成っている。そこでの一番の話題はパチンコ、スロット、の話である。どういう機種はどうだこうだと、薀蓄と対応策が話される。次には競輪である。もちろん小田原競輪の話題だ。幾らとったと言うのが中心である。人間は博打好きだ。これはおおよその人に当てはまる。もう少し広げれて言えば、勝負事が好きだ。勝ち負けが大好きだ。これは人間の生き物的本能、闘争本能からきているのだろうか。博打を投資とか、きれいな言葉で言ったところで、賭けて、儲けようと言う所は同根である。株の話もよく出ている。株価が今日は8000円を超えたの超えないのと。

次の勝負事はスポーツだ。巨人西武の日本シリーズでは、第6戦の巨人の負けを八百長だとみんなで怒っていた。大半の人が巨人びいきなのだ。第7戦をやれば、儲かるので負けてやっているのだ、向きになっていた。大相撲もすぐ八百長の話が出る。安馬が白鳳に本わりで勝った相撲を、八百長だというのだ。そのお返しが千秋楽に決定戦で白鳳が勝つことになっているんだ。すぐそういう話で盛り上がっている。八百長の続きで、でるのが政治の話。政治の後継者の話。霧島とか言うのが居るだろう。カーテンだか、のれんだか、店員さんのようなのがいるだろう。河野洋平氏の後継候補とされる。牧島かれん氏のことである。よそ者を連れてきたことをみんなで怒っているのだ。これも民主が勝つか、自民が勝つかの勝負事だ。民主の神山洋介とか言う若い奴は地元のもんじゃ。他所もんよりよかんべぇー。というのが風呂屋のその場の総意である。あくまで裸の話題である。

おおよそが私と同年輩以上の人。青年も居るが、常連という人はまずい無い。よって発言をたまにはするも、その場のいい加減すぎる波長に乗ることは出来ない。何しろ昨日と今日が逆の結論になることも良くある。白鳳の優勝決定戦をみんなで手に汗握って見ていた。何しろサウナの事である。自由主義経済の長所はこの人間の競争心を生かすところにある。こうよく言われた。これは頑張れば勝者に成れる。アメリカンドリームがあった時代。どんなに頑張っても普通はオリンピックにはでられない。このとき頑張れば可能性はあるというのは正論だが、大多数の者には実は、幻想である。競争社会には鼻の先に吊るされるえさが必要だろう。このえさが我々世代にはアメリカの暮らしである。自動車や冷蔵庫のある暮らしは実現できたけど。果たして今のままの競争を続けていてどうなるの、と言うのが今の状況ではないか。果たして社会に勝者などあるのだろうか。

昨日は久野の公民館で、加藤憲一市長の講演会主催の市長と語る会のようなものがあった。出かけた。入り口に加藤さんがいた。とっさに、ああーこの同じ場所で、小澤市長に是非お祝いの言葉を一言だけ、ぜひにお願いしたいと、迫った。ダックの裁判で勝訴した日だ。それが久野で恫喝されたと言う事になってしまった。あの失敗を思い出した。その後小澤市長とはどうも上手くなかった。久野の3ひげが悪い、と言われていたそうだ。加藤市長が今おかれている状況は、実に厳しい。財政がどこまで悪くなるか、底なしであろう。新たに費用のかかることなど、一切出来ない。昨日は優良田園住宅を推進して欲しいと言う言葉が出た。それに対して、ナルホドと言う正確な解答がその場であった。すでに進んでいる所では進んでいるようだ。申請は相当数にのぼるとのこと、7件の認可があったと言う事だ。しかし、農業の価値はこれから高まる。農地の安易な転用はできないので、現在の認可基準を見直すつもりはないという事も、言いにくい話の流れの中で、きちっと抑えていた。なかなかの市長ぶりであった。

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