坊所田んぼ
今年は坊所田んぼの作業や、様子を少し細かく書いてみようと思っています。私達のやっている自給の田んぼの活動が、どんなものなのか、まとめてゆく上で参考になればと思います。
坊所田んぼは現在7家族の仲間で形成されている。多士済々で、大変個性的で魅力的な集まりと成っている。昨年の収穫祭では、坊所バンドが出演するという、すばらしいパフォーマンスもあった。それぞれに忙しい人たちなので、効率的に進めて行く事を考えている。
この田んぼは笹村が、水管理他責任者として、一貫して活動してきた。笹村が田んぼをあれこれやりたいという事があるもので、その興味に他の人達に協力してもらっている。そんな気持ちが私としては強い。水の冷たい、日陰の田んぼで条件が悪いのだが。自然環境は足柄平野で一番の、美しい田んぼだ。この田んぼの活動に参加してもらい、他の田んぼの方へ移籍していった人も多数いる。
昨日は、畦周りの草刈や、畦の建て直し、そして粗起こしをした。午前中の作業となった。心配だったのは、あの膨大な菜の花が果たして上手く借り倒せるかだった。正直なところでは、問題ないと踏んでいた。いままで、荒れ放題の田んぼを再生してきた経験から、あの程度の草は全く問題ないと考えていた。ひどいところでは、ススキの草原で、潅木まであるというところを、6月になって、急に田んぼにすることになり、一気に田植えまでやり、見事に収穫まで行った事もある。
菜の花は2mはあった。一部、カズノコ草の群生になり、菜の花が生えていないところもあったが、ともかくがっしりした菜の花で、太い奴は長径で4センチぐらいの樹になっていた。私の経験では、なるたけ枯れるまで置いた方が、もろくなる。実がしっかり実るところまで、行った方が、草がもろくなるようだ。樹のの中空が砕けるような感じになる。それで、田植えの一週間前というぎりぎりまで伸ばしていた。ここまで伸ばしても、種は多分自然再生はしないと思う。これがレンゲよりまずいところだ。
種を先ず採ってと思っていながらやらなかった。トラックターに乗ると、それだけに成り、他の事はまぁーいいという感じに成る。この点は別作戦があり、河原に種取りに行きたいと思っている。中州に随分生えている。これなら水に強いのではないかと、推測している。
土をわずかに削る程度の高さにして、目一杯の速度で、ロータリーを回し、トラックターは1時間で1反が終わる程度の速度で、回った。トラックターに乗った私の顔に菜の花の穂が当たる程の高さがある草が、飛び散ってゆく。2時間ですっかり刈倒したような状態になった。実に上手くいった。予定通り行くと気分がいい。3日置いて、水曜日に漉き込むつもりである。予定では金曜に水入れ、土曜に代掻き。日曜に田植えとなる。
全ては、抑草のためこんなに詰めた作業にしている。水を入れてから、時間を置かない。これを全てに優先している。これは10年間繰り返してきて、草を抑える一番大切な要素だ。そんな土では、田植えが出来ない。こんな事を思う人もいるかもしれない。毎年私も不安だ。それでも、苗床の苗が、大苗になっていれば、大丈夫だ。これも手植えの良さだ。私達のような新規参入の者は、草は僅たりとも生やしてはいけないのだ。農業委員会や、生産組合で、問題化するのだ。あれでは農業で無いと、農業者を取り消すというように言われた、仲間も入る。草さえ生やさなければ、採れないのはまだいい。
草がこれほど入って土は腐敗しないか。当然その心配もある、ところが、私の養鶏場の堆肥化した床を先ず撒き、海水を撒いておく。それで漉き込めば、腐敗はしない。ここ3年は臭くない。発酵したいい匂いがした。それでも今年は今年で心配だが、何とかなるとは思っている。
なぜ、自給の田んぼをやっているかも、書いてみようと思ったが、長くなったので、それは次にします。