発酵玄米を炊く

発酵玄米を炊いている。二人家族なのに、私だけが発酵玄米(蒸らし玄米)を食べている。玄米を食べると体調を崩す人も居ると言うことである。そのために、2種類のお米を炊かなければならないという、2人家族でとんでもないことになっているのだが、どうしても玄米を食べたいので、自分の分だけ玄米を炊いている。
私は発酵教に信心があるようなものだ。発酵と聞くと何でも飛びつかずには居られない。しかし、この発酵玄米は正式名は「蒸らし玄米」である。保温電気ガマに入れるのだから、70度くらいである。つまり保温中の雑菌の増殖を抑えるために保温釜はそう設定されている。70度以上で増殖する菌で、生活の周りに居る菌は納豆菌ぐらいのものである。
結果の安全性は自分の身体で確かめている。蒸らし玄米でも良いが、人体実験の結果、76歳までのところは発酵にまつわるものは悪くないわけだ。そう100歳まで生きたときには、大声で叫びたいと考えて居る。そうエセ宗教は嫌われるから、今は余り主張しない方が良い。
まあそれぞれの身体のことだから、体質もある。私のように信心で体質まで変えられれば別のことだが。玄米信心は彫刻家の草家人叔父から受け継いだ。叔父は玄米信仰が強すぎて、玄米だけを食べていた。それで67歳で死んでしまった。玄米はすべての栄養素を含んでいると言っていた。さすがにその科学には無理がある。
棡原という山の中で暮らしていたから、買い物も出来ない。一人暮らしである。近所の子供が、ふきのとうの佃煮などを持ってきてくれる位だ。佃煮と玄米だけのごはんを一緒に食べた思い出がある。それで玄米信仰を少し変えた。玄米だけではダメだ。卵と納豆とキムチとヨーグルトと、多様な発酵食品に玄米を加える。
発酵玄米の作り方。前の晩に玄米を洗い、圧力釜の中に仕込んでおく。1時間と書かれているものが多いが、私は8時間ほどにしている。何故一時間としているかの理由は、たぶん長いと腐る可能性があるからだろう。大豆など24時間ほど給水させなければならない。それで水が悪くなるような問題は経験がない。下手なことを書くと、訴えられるから用心している。
玄米は生きている。生きているから8時間程度の給水は大丈夫だ。水温を調整しておいておけば発芽玄米も出来る。大豆ならさらに長くすれば大豆もやしになる。発芽玄米にはしていない。かなり調整が難しく、発芽しない玄米が悪くなる可能性があるからだ。
圧力ガマで炊く。ワンダーシェフ圧力鍋 3Lである。何故この圧力鍋が良いかと言えば、小田原の渡部さんが、圧力鍋ならば、ワンダーシェフが高圧になるから良いと言われたから買った。確かに使い勝手が良い。発酵玄米も渡部さんに教えて貰ったのだ。ただ、渡部さんは発酵はどうかな、と言われていた。まだ若いから信心がない。
この年になると、何か健康信心が必要になる。私は発酵である。本当は5lが良いと言って、見せてくれた。それを買いたかったのだが、そんな大きなものを買ったら捨てるとまで言われたので、仕方がなく、3lで我慢している。3lで4合まで炊ける。残念ながら、まだ4合は炊いたことがない。
ワンダーシェフの圧力鍋は圧力調整があり、超高圧の方で炊いている。超高圧140kPa・126℃と高圧80kPa・116℃との切り替えが可能。この超高圧がワンダーシェフの特徴らしい。確かに以前の圧力鍋よりも、圧力が上がり高温になる。玄米が柔らかくなる。これを4日間置いておくと、白米以上の食感になる。
圧力が上がったらピンが立ち上がる。そこから6分とレシピ本には書かれてるが、弱火でシューシュー言わせず7分炊いている。見ていると大丈夫かなと少し不安になるが、見事に炊ける。カメカメ鍋など様々やってきたが、やっかいさがない分過去一番の玄米炊きである。
炊き上がったら、保温が出来る電気釜に移す。そして、朝食事の時のたびにかき回す。これでだんだん発酵をしていく。蒸らされて行く。乾いてゆく。絶妙な味わいに変わる。腐ったごはんなどお腹を壊すから、食べては行けないというのだが、お腹を壊すどころか、すこぶる腸活である。
これで一年寿命が延びた感がある。しかし、まだ発酵したというところで食べたことがない。だんだんに保温期間を長くして行くつもりだ。今は一日目から食べ始めて、3日目には食べ終わっている。少し変わったかなぐらいである。
4日目で発酵すると、古くからの信者はのたまう。先達の御利益が書かれているものがある。項目だけ上げれば、1.便通を整える 2.タンパク質の合成を促進 3.代謝を上げて燃費アップ 4.筋肉の活動をサポート 5.貧血の予防 6.ストレスの緩和 能書きは省略。良いことづくめである。
保温釜というものは70度ぐらいで維持されている。つまり雑菌が繁殖しないような温度を保っていると言うことだ。この温度で4日間置かれたご飯に何が起こるのかである。一度126度まで上がっていれば、無菌状態と言える。乳酸菌が増えると言うことを書く人が居るが、そんな高温で活動する乳酸菌が居るはずがない。
一般に発酵玄米では塩を加えている。それは腐敗を抑えるためである。しかし、主食にまで塩を加えれば、塩分取り過ぎの問題がある。私は塩は入れない。ではどうしているかと言えば、炊いたときから食べ始める。そして毎日食べて行きながら、おかしくなればその時点で廃棄するつもりだ。今のところそういう事は起きそうにもない。
お米を水につけておくのも、冷蔵庫の中でという人も居る。用心深ければそういうことになる。あるいは食べて気づかないような鈍い人の場合も、そういうことになる。冷蔵庫などない時代の人は、何を食べるにしても、まず食べれるのかどうかチェックする能力があった。私の母親は、食べる前に何でも匂いを嗅いだものだ。
今の人は食品の安全性は他人が確保してくれるものだと考えて居る。お腹を壊せば、誰かの製造者責任を追及する。私の場合は食べるのは自己責任である。子供の食べ物の安全性を守るのは、親の責任である。それが食の自給を目指すものの姿勢だ。
私は食べ物でお腹を壊したことなどない。おかしいと思えば食べないからだ。また少々おかしなものでも、この程度ならまだ食べれると食べてしまう。悪いもの、良いもの、まぜこぜに食べるのも腸活である。水牛を見ていればよく分かる。汚いものを食べて消化力を上げている。
付け加えれば、発酵させるにはやはり自然栽培の方が良い。農薬や消毒で菌が少なければ、良い発酵は期待できない。玄米の糠層には油が多い。油には農薬などが残留しやすい。玄米で食べるのであれば、無農薬有機で栽培したお米にしたいものだ。
主食は自給することが一番良い。主食が安定すれば、心も安定する。身土不二である。人間はその土地に生きている。生かされている。石垣島で出来たお米を食べなければならない。今度はこのご飯に、栽培した黒大豆を混ぜて、炊いてみようと考えて居る。
これは発酵ではない。と言う意見がある。だから商品としては「寝かせ玄米」という言葉を使っている。信心が足りないな。そのそも発酵玄米をパックにして、その効能をうたうというのでは、おかしくないか。どうもエセ宗教は、信者からの集金システムになる。
それでも発酵玄米でも、蒸らし玄米でも、寝かせ玄米でもかまわない。この玄米は美味しいのだ。消化が良くなっているのも確かだ。玄米が食べれない人でも、白米と同じように食べれると思う。これを食べて腸活になる。玄米と言うことは糠まで食べているのだから、繊維分が多い。
ビタミン、ミネラルが豊富で脚気にはならない。満腹感も白米より少しで十分である。白米より身体に良いことは決まっている。白米に近い食感になれば、誰でも食べる。食べ続ければ、白米と同じように美味しくなる。玄米はみんな同じだとなどという人は、玄米の炊き方が間違っているに過ぎない。