高橋洋一内閣参与のさざ波発言の意味。

高橋洋一内閣参与のさざ波発言の真意は、経済の重要性から言えば、感染症のパンディミックなどさざなみのようなものだと言うことになる。まあ、死んでも働け精神である。経済のためであれば、命に拘泥するなど愚かだと大本営が言っているのだ。
コロナより経済が大事だと発言した人のことは忘れないようにしている。その人の発言は信用しないことにしている。人間として何が重要かが分からない危険な人物。コロナの蔓延がどれほど経済に影響するかすら分からないのだ。
感染症がどれほど拡大しても、経済を重視しなければならないというのが菅政権の本音であることは確かだ。世界中でこういう考えが当初はかなり主流だった。アメリカやブラジルがそれで大失敗をした。経済を重視して、結局は経済の苦境に陥ってしまった。
コロナで死ぬ人より、経済的困窮で死ぬ人の方が多いとよく言われたものだ。その後単純な経済優先主義の考えを謙虚に撤回した人は、日本でも多くなったが、内閣の参与にまだ残党が居たと言うことだ。単純に経済政策の考え違いである。コロナを抑えることが経済のためになる事がだんだん分かってきた。
人間の全体のための経済という前提が崩れている。大金持ちがさらに儲けるための経済ばかりを考えているのが高橋洋一氏だ。どんなに国が豊かになったところで、貧富の格差が広がるようでは豊かな国とは言えない。日本がまだ民主主義社会であるとすれば、まともな選挙が行われ、格差社会が社会の安定性を崩壊させることになるだろう。
富裕層を作ることは国際競争力を高めることであると考えているのだ。中国はそういう考えで、一部の企業に人材も資本も集中させることで、国際競争に勝利しようとしてきた。富裕層が下層民にどれだけ分配できるかといえば、全く分配しないのが現実である。その結果民主主義からどんどん離れていって居る。これが豊かな国の現実である。
日本にも、竹中平蔵氏や高橋洋一氏はそういう富裕層形成こそ国力を上げるという考えなのだろう。新自由主義経済と言うらしい。これはインチキな命名だ。能力主義経済と言う方が正しい名称である。能力のあるものが上級国民になり、能力のないものが下層国民になる階級社会である。
能力主義とは健全に聞こえるが、能力差別の別名である。菅総理大臣の自助努力の強調はまさに、誰もが努力して自分を救済しろというのだろう。その背景にあるのは、貧困は自助努力が不足している、あるいは能力不足だから仕方がないと言いたいのだ。
能力主義でなければ、国際競争に負けるのだから、仕方がないではないかという主張だ。ところが、この能力主義というものが、国際競争力と言う意味で日本では役立たないと言うことが、見えてきたのがコロナ時代である。競争に強ければ良いのであれば、国家資本主義と言うことになってきている。
しかし、人間の本質とはそんなものではない。経済競争にいくら駆り立てても力を発揮しない人もいる。自由で好き勝手にやったらば、すごい発見をするという話を聞くではないか。国に強制されて、競争するより、楽しんで好き勝手にやることの方が勝ると言うこともある。
理想を言えば、強制されて能力を伸ばす人もよし。気まま勝手で能力を伸ばす人も良い。どちらもその人が選択して人生を選んで生きる事のできる社会が良い。自給自足で暮らして、絵を描いて生きる。こうした生き方も許される社会の方が好きだ。
菅内閣の経済はまさに能力主義である。例の、自助を強調する考えである。頑張る能力のあるものを優遇すると言うことになる。その結果日本は衰退に向かった。あきらかに後進国になる分野が出てきている。コロナワクチンのネット予約が政府にはうまくコントロールが出来ない。情けないと言うより寂しい国だ。
菅氏は地方出身者で夜学に通い、頑張り抜いた人だ。頑張る方向が保守政治家であったところが、同年生まれである私としては、ああ、そういう人が居たなという思いである。あの学生闘争時代に、保守政治家の秘書になる人は私の知り合いにも居た。
菅氏が自助の思想になるのも無理からぬ事と言えるかもしれない。貧困層を無能な努力をしない人に見えているのだ。だから、生活保護があるだろうなどと、平然と国会で答弁するのだろう。努力をすれば何とかなると考えている。こういう人は社会では一般的である。
しかし、GNPが過去最大の落ち込みであるに見関わらず、富裕層は増えているのが、現在の日本経済だ。株式投資に頭を働かせるなど、とうてい健全な努力ではない。生産活動に関わらない能力主義は、不健全な社会を作り出す。そんな若年層が出てきている社会を豊かな社会とは言いがたい。ミニホリエモンはまずい。
当然その何十倍もの貧困層が出現している。ところがその貧困層の姿が見えない社会状況なのだ。どれほど外国人労働者が行き詰まっているかなど、大半の日本人には実感がないのだ。時々ニュースで流れてそんなものかという程度である。
言い換えれば、日本で一番納税しているトヨタ自動車である。確かに日本の経済にすごい貢献をしているのだろう。その額は19年3月期で6599.44億円に達する。「法人税、住民税及び事業税」の額は4440億円。2位のNTTが5331億円と言うから、世界での企業規模から言えば、案外でもある。国民のひとりとして感謝していることであるし。嬉しいことである。
しかし、トヨタ自動車が成長することが、日本人の暮らしを豊にすることにどれだけ貢献しているのかと言うことになると、トヨタは世界企業であると考えた方がいまや現実的である。企業の経済は国というものを越えていて、日本の国際競争力と言うこととは離れてきている。
菅政権は経済に足を引っ張られながら、正しいコロナ対策が出来なかったのだ。そもそも、国の安全保障としての感染症対策など、全く行っていなかった。現在の予算を見ても国防費の増加など、安全保障の優先順位を見失っている。
今必要なこにの安全保障は当然感染症対策である。ワクチンを作る態勢の強化である。感染症に対する医療体制の見直しである。そして次に必要な安全保障は食料である。そして、IT国家への転換である。軍事力など緊急性から言えば後回しである。