田植え一週間

   

三番田んぼ田植え4日目補植後の様子。

 田植えをしてから今日で一週間である。とても緊張して毎日稲の様子を見る一週間だった。何しろ石垣島に来てから、満足なイネ作りが出来たことが無い。今年こそ何とかしたいと、11月10日の種まきという思い切った転換をしてみた。これには強い否定の意見も出た。

 しかし、良い稲作をするためにはあらゆる事を試さなければならない。もし11月播種がダメなら、もう一度12月播種でも1月播種でも、やればいいという覚悟である。12月は種は五番田んぼで行う。2月播種は四番田んぼでやる予定である。色々やらなければ、一番良いという実際的技術は見つからない。

 与那国島で11月播種が行われていた事を読んだことがある。たぶん台風を避けるためだったと思われる。稲に良いとか悪いとか以上に、大きな台風が来ればすべてが終わるのだ。台風が来ない内の4月に稲刈りをすることは一つの目標だったのではないだろうか。

三番田んぼ苗が風に倒されているが、枯れては居ない。

 11月播種でどんな問題が想定できるかである。日照時間が不足すると言うか、日射量の不足が一番問題になるのだろう。12月、1月の2ヶ月は日照時間は100時間に達することがない。全天日射量で言うと、8.8とある。2月に入れば10を越えてくる。東京などの二倍くらいあると思われる。それでも東京の5月よりは少ない。

 日照時間、日射量の不足が稲の生育にどう影響するかという事を考えなくてはならない。本土の一般的な稲作では4月播種5月田植えだが、この時期の選択は気温条件が制限している。日本列島はイネ作りの北限なのだ。果たして日照的には稲はどのくらいが最適なのであろうか。これがこれからの観察課題になる。

 まず、11月の育苗には問題は無かった。天候は平均的なものであったと思うが、石垣島で経験した育苗としては、一番良かったと思われる。まず第一関門の通過。4週育苗で4.5葉期で一部にに分ゲツ有り。5週育苗で5.5葉期で分ゲツが始まった苗になった。

一番田んぼの苗4週と4日目 品種は「にじのきらめき」

 堅さがある苗になった。今までは早すぎる苗になり、軟弱な苗になっていた。薄蒔きにしたことが良かったと思われる。15㎡に1キロの種籾、15キロの「よみがえり」堆肥。大嶋農場から購入した「にじのきらめき」である。発芽率はとても良かった。これで1反分の二本植えの苗が出来た。

 種籾の浸種は溜め池からの水で5日間。かなり大きな芽が出て居たのだが、まだ芽の出ない種籾もいくらかあった。バラマキで行い鎮圧は無し。水は当初は水遣り程度。1週間で10ミリの発芽になり、水没する種籾がないように、すこしづつ水位を上げた。

 初めは徒長気味の早すぎる生育に見えたが、1週で葉が一枚出る良い生育に落ち着いた。3,4週目に割合天気の良い日が続き、急速に苗が締まる感じがした。但し風が20mほども吹きさらされて、4葉期の葉先が白くなった。しかし、5葉期の葉はかなりしっかりしたものがでて回復した。



 4週目の苗取りの時に、良い苗だと言うことが分った。ひとまずホットした。5週目までの1週間で苗はかなり伸び始めた。5葉期の葉は巾が出てきて、しっかりもしてきた。苗代全体の緑の濃度が濃くなった。根が活動を活発化したようだ。

 と言うことで、今のところ悪い傾向ではない気がする。4週目の苗の根は状態が良かった。白い根が長く伸びて居たので、肥料を吸収して生育を始めたようだ。こういう苗になれば、活着が早い。分ゲツも穫れるはずだ。先ずは期待できる苗が出来た。

 4週育苗が良いか、5週育苗が良いかは、あまり差がない気がする。二分ゲツが出ている苗という意味では、5週育苗が田植え適期で活着が良いのかも知れない。4週育苗の苗は田植えの時には強い風に吹かれたが、その後は風が収まり3日目には根付いた感じである。

六番田んぼ田植え4日目。4.5葉期の苗、3本植え。
 
 一番田んぼの苗取りは今日12月14日に行う。播種5週間である。一番田んぼの田植えは翌日の15日に行う。30㎝角植えでゆくつもりだ。苗取りが終わったらすぐ苗場の代掻きをする。そして均しを行い。水を抜いて翌日の朝に線引きが出来るようにする。

 だから苗取りは午前中に何とか終わらせなければならない。午前中で終わらせるには3人以上居なければ無理だろう。3人の確保は出来た。早めに苗取りをしてしまい、代掻きをすぐに始める。できるだけ早めに均しを終わらせて水を抜かなければならない。

 翌朝早めに線引きを始める。一人でやることになるが、1時間見ておけば良いだろう。田植えは9時くらいから始めて、5人居れば午前中に終わる。3人ならば、一日かかるとみなければならない。いずれにしても終わったらばすぐに風よけネットを張らなければならない。


木曜日の一番田んぼの様子。

 一番田んぼは石が多くまだ十分に田んぼになっていない。大分トラックターを入れたのだが、石にあちこちに当たりトラックターが跳ね歩いていた。石出しを続けてやらなければならないが、今年はここまでが限界だった。たぶんこれ以上やれば、トラックターが動けなくなっただろう。

 1地番田んぼの苗取りは1時間で終わった。その間に二番田んぼを文香さんが一人で線引きをした。そして苗取りを終わった人達がすぐに田植えを初めて、11時には田植えも終わった。苗取りが終わった苗代後を、すぐに代掻きをした。その後トンボで均した。
 均しが終わるのと、田植えが終わるのがほぼ一緒だったので、すぐに二番田んぼに一番の水を落とした。そして、一番田んぼの溝切をした。しかし田んぼがあまり平らになっていないために、水は完全には抜けなかった。線引きに苦労しそうだ。
 12月15日9時から30㎝角で線引きを行う。10時過ぎに終わったがかなり大変な線引きになった。田んぼが深くまた水が残っていて、二度転んだ。線引きに苦労をした。この線の状態では慣れていないと植えられない。自分で全部植えるつもりで始める。
 午前中に5分の1まで終わる。急いで昼ご飯を食べ再開。3分の1ぐらいまで進んだところで、親子連れが田植えに来てくれる。そして2時に小学校田の発表会を終えて、渡部夫妻が駆けつけてくれた。ここからかなりの速度で進む。干川さんも来てくれて、3時過ぎには田植えが終わる。
 片付けや、入水調整。そして防風ネットを張る。すべてが終わったのが4時前。ブラック企業のような大変な一日だったが、私は半分位は植えただろう。1畝と言うことになる。手伝って貰えなければ、2日で植えるつもりだった。
 若い頃には1日2畝植えられたが、今は1畝ぐらいと言うことのようだ。土壌が深く植えにくいと言うこともあった。田んぼの土壌状態が良くないので、早くコロガシに入りたい状態。水も浅く流し続けた方が良いだろう。水が冷たいと言うことはない。
 水は一番から二番へ、二番から三番へと、そして六番へと回すことにする。まず今日はその調整をする。植え直しの株があればその調整もしたい。これで、「にじのきらめき」の田んぼが、30×30。30×40。40×40。と三つ揃った。どのように変るかを見ていきたい。、

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