日本で電気自動車が進まない理由

      2025/04/24


 右奥にあるのが、田いも。茶色いのがアカウキクサが枯れてきた姿。

 世界の電気自動車の普及率は18%。ノルウェーでは98%になっている。上位の国は北欧を中心にヨーロッパの国々である。ヨーロッパ全体の普及率は21% 。中国は38%である。日本が低いのはわかっていたが、普及率は3.8%で完全に出遅れている。軽トラで使える電気自動車が出来たら、買いたいと思っている。

 電気自動車の普及出来ない姿は、日本が変れない国になっている象徴だろう。変れないと言ってもトヨタは電気自動車を進めないで、営業好調なのだ。日本政府は「2035年までに、新車販売で電動車100%を実現する」と目標を示している。あと10年でそうなるとは到底思えない。日本の国家目標は実現しないでも当たり前になりつつある。

 2023年の世界の電気自動車の販売台数は約1400万台で、このうち60%が中国、25%が欧州、10%が米国で販売された。総台数は4000万台に達し、中国・欧州・米国が世界の自動車販売総数の約65%を占めている。中国は810万台と世界の約60%を占めて、世界の電気自動車のうち、半分以上が中国。

 その中国の電気自動車が過剰生産で、ダンピング輸出されているのではないかと言われている。 欧米で中国を押さえ込もうとしているのだろう。それがヨーロッパの電気自動車にシフト社会で自動車会社が苦境に陥っている。日本は電力スタンドが進まないので、中国の電気自動車も日本には進出できない。

 2023年に世界でもっとも売れた電気自動車メーカーは中国のBYD。長年世界トップを走ってきたアメリカ・テスラを抜いて世界1位となった。 電気自動車よりも、蓄電池の開発で中国が先行している。2023年で中国が約50%、韓国が約20%、日本が約10% 。圧倒的にアジア中心である。この蓄電池の処理は誰がやるのだろうか。

 日本では電気自動車に変れない一番の理由は、トヨタ自動車が電気自動車にシフトしないからだろう。現状ではむしろ他の自動車メーカーよりも成功しているから、変化が出来ないでいる気がする。世界では2035年までにすべてを電気自動車にする国が多い。果たしてトヨタの方針で乗り切れるのだろうか。どこでトヨタは変わるのか。

 日本では政府が電気自動車への転換を建前としながらも、一向に電気自動車の充電設備が設置されないのだ。日本では、2023年時点で普通充電器2万2000台、急速充電器9600台が設置されている。中国では普通充電器150万台、急速充電器120万台が設置されていて、比べるまでもない。

 日本政府は2030年までに公共用の急速充電器3万口を含む30万口の充電インフラ整備を目指してはいる。目標値すら、今の中国の10分の一である。私程度の乗り方であれば、家庭で充電できるようにすれば問題がない。大きなホテルなどに設置義務があれば、宿泊している間に蓄電できるだろう。

 何故日本で電気自動車が普及しないかの理由は、日本人が変わることを拒んでいるからだろう。新しいことをすることをためらっている気がする。日本人が夢とか希望とかへの意欲を失っていると言うことがあるのではないか。それは発展途上にある中国と比べればよくわかる。

 中国の行き過ぎた不動産投資や、公共投資をむやみに進めて行く姿勢には、失敗を伴う無謀を感じるが、同時に日本では出来ない、新産業を創出して行く冒険心がある。充電器一つでも政府がやると決めれば実行されて行く中国。日本では政府の目標は、達成されなくても誰一人責任をとらない仕組みが完成している。

 日本社会が変化して行く未来に切り込んで行く意欲が失われたのだろう。それが電気自動車への転換が図れない根本理由だろう。具体的に見て行くと、まず日本の電気自動車は高すぎる。そして、急速充電器が少ない。電気代が高いと言うことも影響しているかもしれない。

 決定的な理由はバッテリー生産技術で出遅れてしまったからではないだろうか。電気自動車の欠点は中古車の値下がりが大きいことにある。搭載された蓄電池が劣化して、高額で交換しなければならないからだ。高額で新車を購入した上に、急速に価値が下がるということだ。

 急速充電スタンドの普及と言っても、現在ガソリンスタンドが、過疎地域から消えて行く状況がある。当然電気スタンドの設置はない。こうした電気自動車に対する社会インフラの整備がない結果。電気自動車自体の普及が進まない悪循環が起きている。

 電気自動車の普及は、政府が税金を投入して、強硬に進めなければ実用的な条件が整わない為に、進まないことになる。環境が整うまで、電気自動車は普及できないと言うことになる。ヨーロッパで進められた原因は、CO2 の削減に対する環境意識の高さが住民にあるからだろう。

 その結果電気自動車は普及したが、その普及に中国車が割り込んできている。ヨーロッパの経済は徐々にすいたいが始まるのだろう。電気自動車は廃棄コストが高い。中国製の蓄電池の廃棄をヨーロッパが行うと言うことになるのだろう。

 中国の場合は政府の方針が徹底されるから、電気自動車が進んで行く。習近平政権の環境政策は徹底したものがある。北京の大気汚染は解消されたという。まだ地方都市では汚染が続いてはいる地域はある。2018年には石炭を焚くこと自体が禁止された。中国では環境独裁が起きているのだ。

 北京周辺の工場は環境汚染を理由に強制的に撤去させられものが多い。、大量の失業者が出たという。石炭ストーブが禁止されたために、暖房がとれない貧困層が出現している地域もあるという。それでも政府の環境独裁政策は強硬に進められて行くのが中国である。

 日本では政府の強制力はない。環境意識も低い。その結果電気自動車への2035年の転換目標は、決して実現しないだろう。うまく目標を修正するのだろう。もう目標が達成できないことになれてしまい、誰も責任をとらない社会になっている。

 そんな政府をそんなものだと受け入れてしまい、追及する声すらない。それが緩くて良いのかもしれないが、世界との競争には遅れる分野が目立ってきている。特に環境分野では目標達成は不可能になっている。最近有機の田んぼがCO2を排出として問題視されている。

 日本は、2021年4月に、2050 年カーボンニュートラルを目標として、2030年度において、温室効果ガス46%削減(2013年度比)を目指すことにした。さらに2035年度、温室効果ガスを2013年度から60%削減に向けて挑戦を続けることを表している。5年ごとに見直すことが条件になっている。果たして可能なのだろうか。

 日本もトランプのように居直るのだろうか。以前中国が環境対策をしないと怒っていたアメリカが、今度は中国に環境対策をしろと怒鳴られることになるのだろうか。早く電気自動車の軽トラが作られることを願っている。そうしたら農場にソーラーパネルをつけて、絵を描いている間に充電することにする。

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