ヒカゲヘゴ、ムクナ豆、ベチベルを植える。

ヒカゲヘゴの苗をなんと40本下地さんから貰った。これを堀りとるのは大変だったことだろう。干川さんとのりさんが、下地さんのパイナップル畑でとってきてくれた。待望のヘゴである。のぼたん農園にも大きなヒカゲヘゴがある。そのそばに3本以前下地さんから分けてもらい、植え付けてある。うまく根付いてくれている。
ヒカゲヘゴはのぼたん農園の空気にぴったりである。溜め池の縁にあるヘゴの木は風格がある。龍神を見守る鎮守の樹木だ。一番溜め池から2番溜め池の縁に並ぶように植え付けた。以前からこうなれば良いなと思っていた。願いが叶ったのだ。思いは通づるものだ。
ヒカゲヘゴはいかにも石垣の景色に合う。大きなものは10mにもなる。あの独特の葉の姿は亜熱帯の気候を感じさせる。溜め池の回りがヘゴの生育環境に合うと思われる。かなり湿気のある場所を好むようだ。明るい日陰ぐらいが良いと思う。池の熱帯睡蓮とも調和して素晴らしい眺めになることだろう。
ヒカゲヘゴと言うから、日陰を好む、日陰にある植物と思っていた。それが、日陰を作るヘゴということによる命名らしい。本当かな。実はパイナップル畑のような日向に生える植物らしい。名前で反対に誤解していた。前回それで日陰に植えたのだから、間違っていた。
それでも植た3本がみんな根付いたのだから、少し日陰でも大丈夫なようではある。明るい日陰が好きな植物である。風には弱いので、風が避けられる場所でないと、台風が来たときに根こそぎ倒されてしまう。開南の方にあったヘゴの育成畑では、台風の後すべてが倒されていた。意外に根が浅い。
のぼたん農園には一本大きなヘゴが自生しているので、その母の木に守られるように、似たような環境に植えることが良いと思っている。溜め池の北西側である。樹木は同じ木といるのが好きなものと、一人でいたい木がある。のぼたん農園のヘゴは、他のヘゴと居たいといつも寂しそうだった。
本やネットの情報を見ると、勝手なことが書いてある。結局東京のようなところで育てる際の環境が書かれている。石垣で考える場合、それではダメだ。やはり生えているところに準じて、環境を選ばなければうなく育たない。亜熱帯の気候は極端なものだから、わずかな違いで失敗をする。
1割ぐらい枯れるのは仕方がないと、以前森林組合の方に言われたので、90%の36本根付けば成功と言うことになるのだろう。しばらくは水やりをしなければならない。幸い、このあと雨が多くなりそうである。のりさんによると雨が降るので採りに行ったと言うことだった。さすがである。
下地さんが分けてくれたヘゴの苗は、以前は富山だったか、そちらの園芸店の方が採りに来ていたそうだ。最近は来ないと言うことだ。鉢物にして育てれば素晴らしいものになるはずだ。何しろ鉢物は高い。ネットで調べてみると16.000円とでているものがある。ヤフーでは小さなものが1068円とでていた。
下地さんから40万円分もらってしまったことになる。まだまだあると言うことだから、小さいものを鉢物にして、育てるとパイナップル以上によいお土産になるのかもしれない。のぼたん農園が継続されてゆくためには、観光客が立ち寄り、石垣ならではのものを買える場所になるのも一つかと思っている。
いつかあのヘゴの木の下のテーブルでコーヒーが飲みたいものだ。当分はヘゴの葉が邪魔をして、通ることも難しいことだろう。テーブルが置けるようになるまでには、10年はかかる。85か。生きていてコーヒーが飲めるだろうか。樹木のことを考えると、自分事ではなくなる。
先日小田原の渡部さんからムクナ豆というものを分けてもらった。早速植えてみた。うまく育つかどうかはわからない。5日目だがまだ芽は出ていない。ムクナ豆は石垣の気候に適合しているらしい。沖縄ムクナ豆農園というものがある。栽培技術というより放任栽培で出来る感じだ。
ムクナ豆は独特の成分の豆らしいので、まず作ってみて、食べてみてから栽培するかどうかは決めたい。作りやすいことは確かなようだから、今年は5粒蒔いてみた。沖縄本島那覇市では4月播種と書かれているから、石垣ならば3月初旬で良いと思われる。早速蒔いてみたので楽しみだ。
楽しみにしているのはもう一つ「ベチベル」である。赤土流出を防ぐために、サトウキビ畑の周辺に植えるらしい。沖縄県がサトウキビ農家に配布しているので、申し込んである。正申し込みが殺到して、今年度分は終わり、4月以降になると言うことらしいが、これもまた待ち遠しい。
「ベチバー」という名前も使われている。インド原産のイネ科の多年草と言うことらしい。---Vetiveria zizanioides です。イネ科の植物で半耐寒性多年草です。東南アジアを中心に分布する多年草です。草丈は2メートル近くに達することもあり、成育は旺盛です。やや湿り気のある日なたを好み、強い寒さを嫌います。
根には甘い香りがあり、香料用としても栽培されています。別名クスクスグラス、ベチベル。 根からはベチバーオイルが取られます。乾燥させた根は籠などの工芸品やマット作りなどに使われるほか、防臭剤としても利用されています。原産地では土壌の浸食対策などにも用いられています。
石垣島では種は取れないと言うことで、野生化はしないと言うことで赤土流出防止のグリーンベルトに使われるらしい。熱帯化で実がつくようにならないか。のぼたん農園ではベチベルでわら細工をやりたいと考えている。伝統工芸品として、月桃やアダンの葉が使われているが、素材作りが大変すぎる。
ベチベルの方がいくらか楽かもしれないと考えている。乾燥に苦労するらしいが、晴れが予測されるときに刈り取れば大丈夫ではないか。屋根のある風とおしの良い場所につるしておけば、良さそうだ。長さが2mは越えると言うから、かなり長い繊維がとれると言うことになる。
これでムシロ作りをすると良さそうだ。ちょっと見た目ではい草に似ている。管理は楽と言うことなのだが、これもやってみなければわからない。4月になって分けてもらえることになれば、試してみたいと思う。いずれにしても根が香りが良いらしいので、根を匂い袋に入れるとか、わら枕はどうだろうか。