石垣島ではパフィオが三つ咲いていた。
Paphiopedilum.gratrixianum
Paphiopedilum.primulinum
Paphiopedilum . argus alubum
Paphiopedilum が洋蘭の中では一番好きだ。東南アジアの蘭だ。不思議なことに南米やアフリカの蘭よりも、距離が近い感じがする。日本にあるアツモリソウやクマガイソウは近隣種である。
礼文アツモリソウなど相当に寒い場所にも自生している。台湾のクマガイソウというのも同種ではあるが、たぶん山岳部にあるものだと思う。これとパフィオは交配できるのだろうか。南米には近隣種のフラグミぺデュームがある。これは夏の暑さで枯れる。パフィオとの交配は随分されている。昔私もしたことがある。
石垣島の夏場5ヶ月の夜の気温は25度を超えている。4月25日に石垣に戻ると、夕方の飛行場で30度あった。今朝も26度ある。湿度は83%。この夜温の高さが一番心配なことであったが、乗り切ってくれるようだ。
湿度が高いと言うことと風がいつもあると言うことで、何とか成育してくれているのでは無いだろうか。気難しいパフィオがずぼらな私でも栽培できるので、嬉しくなる。のぼたん農園で木に取り付けた蘭はその後どうなっているか。今日行くのが楽しみになる。
小田原では10度ぐらいまで下がっていた。稲の種がやっと蒔ける季節になったところだった。直播きをした田んぼの発芽を見届けて石垣島に戻ることが出来た。次にゆく5月22日にはもうコロガシが出来るだろう。随分気候が異なる。
このように違う気候でイネの直播きの実験ができると言うことは有り難い。二毛作をしないのであれば、直播きが一番省力な栽培法だろう。雑草への対応と、鳥の食害が防げれば、かなり希望があると思っている。30年前山北で直播きをしていた頃を思い出す。
あの頃の直播きは自然農法という考え方から来ていた。田植えをするというのはどうも自然ではないということだった。その後何度も直播きを失敗して、結局苗を作るようになった。まだイネの正確を十分に把握できていなかった。
しかし、石垣島では大苗の田植え直後風で苗が停滞した。大苗による栽培が通用しないと言うことが分かった。大苗は風にさらされると活着が遅れる。苗は2週間の停滞した。この停滞が最後まで影響している。この停滞した2週間は結局二枚葉が少ないまま穂が出ると言うことになった。
ところが直播きをした苗は風に強かった。そこで直播きを色々やってみることになった。直播きの方が根の生育が良いのか、肥料の吸収も良い。全体にまだ土壌が不十分で肥料不足が目立つのだが、直播きの苗は黄ばむことが少ない。
どのような代掻きの状態で直播きをするのが良いのかである。小田原でも行い、少し直播きの土壌が見えてきた。直播きしたときに種はどのような状態であれば一番発芽が良くなるかである。十分な代掻きが必要である。それは徐々に水を入れ始めたときに、水がすぐに溜まるように成って欲しいからである。
そして、種は土にめり込ませておく必要がある。完全に潜らなくても良いから、土に抑えておかないと強い雨がふると、流される。小田原でも播種した夜に強い雨が降ってしまった。種は翌朝見えなくなっていた。雨で田んぼに水が溜まり、土に埋もれたのだ。
しかし、三日目には発芽できた。泥の中に潜っていても浅ければ大丈夫だ。点蒔きにすべきだ。代掻きの後に線引きをする。そして田植えとは違う、引いた線の四角の真ん中に三粒の種を蒔いてゆく。1から3粒で良い。発芽の良い種なら一粒でも良いのだろう。
種は鳩胸を少し過ぎたぐらいのすぐにも発芽する苗が良い。鳩胸状態になった種籾を水から上げて、冷蔵庫に保存しておき播種する。冷蔵庫に入れると太い良い苗になるというのは薄井さんの主張だ。発芽がそろうと言うことは確認した。冷蔵庫で保存が出来て、播種する日を調整できる。
鳥の害については今のところ梱包のぴらぴらの幅広ビニール紐を1m間隔で張り巡らせると、蒔いた種や発芽した苗が食べられなくなる。三週目までは鳥は近づかないようだ。これは1年目で鳥が慣れていないと言うこともある。だんだんに鳥も賢くなるから工夫はいるのではないか。
三週間目になれば、コロガシに入る。コロガシをしなければ水漏れをするはずだ。種まきの時に少し大変でもぬかるんでいるぐらいの土壌の状態の方が、水漏れはしないで水管理が楽かも知れない。まだ分からないことが沢山ある。
のぼたん農園と柿の下の田んぼで直播きを続けて、自給の田んぼの省力的な方法を見付けたいと思う。のぼたん農園では田んぼに水を入れ続けて、水の
あるまま手刈りする方針だ。そのまま通年通水する。そこにどのような水草が生えてくるか。アカウククサが見つかるか。これからの課題になる。
あるまま手刈りする方針だ。そのまま通年通水する。そこにどのような水草が生えてくるか。アカウククサが見つかるか。これからの課題になる。