のぼたん農園水の重要性

   


 
 果樹園予定地。手前が7番田んぼで、下の方にわずかに光っているのが、8番田んぼその間を果樹園と考えている。写真では分かりにくいのだが、光っている8番田んぼの左下に大きなヤラブの木があり、その辺りも果樹を植えたいと考えている。今は向日葵が蒔かれている。

 ヤラブの大木やそのあたりのイヌビハは土地境にある防風樹木である。下の方は比較的風が当たらないが、それでも風は強い。ヤラブの木はテリハボクである。フクギとは違うとシャンティー農園の方に教えていただいた。

 家にある頂いたフクギとは葉の様子も違う。フクギの方が成長が遅いそうだ。フクギの幹はゴツゴツしていないそうだ。だから石垣の多くの防風の並木になっている木はヤラブの方が多いようだ。もちろんフクギ並木もある。

 8番田んぼの上には扇芭蕉の防風林が来る。その道の反対側には、バナナを植えるつもりだ。果樹園自体が防風を兼ねながら作りたいと考えている。果樹園と田んぼが折り重なるのぼたん農園にしてゆきたい。下の方の防風林にはヤシなども良いと思う。

 いずれにしても、今度バラビドー農園に果樹や防風林の苗木を探しに行こうと思う。今年の田んぼを見てみると、風に痛めつけられた様子が見られる。充分に生育が出来なかった原因は土壌が不十分だったこともあるが、それよりも風の問題の方が大きかった。

 のぼたん農園の果樹園の植え付けは来年の春に行う事にした。植え付けて十分に根付かない間に台風が来たら枯れてしまうという判断だ。それより、購入した果樹苗をできるだけ大きくしてから植えた方が得策という事になった。

 最初は台風の終わった11月と言われていたのだが、今植え替えをすればそのまま、2月まで養成した方が気が大きくなる。大きくしてから、地に下ろした方が風にも強くなるから、冬の強い風が収まる2月か3月ぐらいの方が良いだろうと言われた。

 果樹園は大きな畝を作り、その低いところに果樹苗を植えて、高いところにはハイビスカスを植えることにした。土手と防風林で果樹苗を守ることにした。といってもハイビスカスもすぐに大きくなるわけではないので、まずソルゴーを土手に蒔くことにした。

 ソルゴーを切り倒して敷き藁のようにすれば、苗木を守ることも出来る。まず大きな畝のような土手を3本か4本作ることにする。土手が出来たならば水も表土を流れないようになるだろう。そしてソルゴーを蒔けば良い。時間はまだあるからこれはゆっくりやればいいだろう。

 溜め池の上部には水を蓄える土壌を作らなければならない。溜め池の水を増やすような畑を、溜池の上部に作るつもりだ。今は溜池上部の土は浸透性がないため表土を水は流れるだけになっている。縦浸透を増すために、上の畑予定地には穴を随分掘った。チップを入れるつもりだ。

 まずはその表土を流れる水も溜池に入るように土手を作った。少しでもため池に水が来るようにしたいのだ。そしてため池も今よりも大きくする。そして0番田んぼも収穫が終わったらば、溜池にする。それだけの水量がなければ、10枚の田んぼの維持は難しい。

 腐植を多く含んだ土になれば、降った雨は表面を流れず、畑の中に染み込んでゆく。そして土壌により多く蓄えられ、徐々に下の溜池にしみ出してゆくはずだ。土壌の豊かさは水を含む力という事でもあるはずだ。田んぼはその最たるものだ。

 棚田の水は水路から下の田んぼに行くだけではない。田んぼで縦浸透した水は下の田んぼで湧いてくる。これを繰り返しながら、一番下の10番まで水は流れているようだ。棚田の水の仕組みがのぼたん農園を作ることで良く見えてきた。

 上の畑が良いものになれば、溜め池に湧き出る水も増えてくれると考えている。農園全体が水を取り込むものになることが大きな自然の調和だと思う。調和をする事を目指して進めば、その進路の先に美しい場所が作られると言うことになるはずだ。

 4月は小雨だった。何しろ総雨量が30ミリ程度だ。例年の平均雨量であれば、150ミリは降るはずである。4月4日以来3週間雨らしい雨が降っていない。当然湧いてくる水が大分細くなった。それでも水道の普通の水ぐらいの水量は湧いてくれている。

 注意して水を回さないとぜんぶの田んぼに水が行き渡らない。今年は8番田んぼが一番下の田んぼになっているのだが、8番まで水を回すにはポンプを使わないとならないのかも知れない。もう少し水を大事にしなければならなかった。

 4番の溜め池から8番の方へ水は回るようになっているのだが、3番にはまだ水があるので、3番の水を4番にポンプで入れる他ない。そうして何とか、5月まで維持できれば、5月になれば梅雨に入るのだから、少しは雨が降ってくれるだろう。

 まだ1年目で、全体の水を管理するための整備が出来ていない。それでも何とかここまで来れたのは湧き水の御陰だ。未熟なところを雨が補ってくれた。感謝している。水を祭る気持ちが良く分かる。水のありがたさは足りなくなって来て身に染みてくる。

 水を溜めるためには土壌の改善である。表土の水をそのまま流してしまってはならない。一度土の中に水を染み込ませなければならない。ここの土壌は水を浸透させない。腐植が足りないことが一番の原因になっている。上部の土壌に縦穴を掘り、剪定チップを埋めることだろう。

 また剪定チップを持ってきて貰う必要がある。早速頼んでみよう。今度は上の畑に持ってきて貰えば良いので、10トントラックに一杯である。すぐに来てくれれば、ユンボがある内に作業が出来るが、それは仕方がないことだ。だめだとしても、リヤカーを準備して運んだら良いだろう。

 まだまだ水を増やすために打つ手はあるはずだ。

 - 水彩画