のぼたん農園の4月29日

   


 0番田んぼの直播きのトヨノカ。出穂したところである。この調子だと6月後半には稲刈りになりそうだ。穂の数は13ぐらいが平均である。随分少ない。もう少し後から出るだろうか。石垣の稲作の方法がまだ把握できていない。初年度と言うこともある。

 やはり土壌に腐植がない事が一番の問題点かと思う。今後水草で腐植を増やしてゆくことが重要だと思う。通年通水して、イネに影響の無い水生植物を充分に育てると言うことが重要かも知れない。7月にもう一度稲の種を蒔くと言うこともあるのかも知れない。

 少なくとも7月には1,2カ所の田んぼはイネを直播きしてみる。やりやすいのは1番田んぼに直播きしてみることかも知れない。水の調整がしやすい。石垣島での稲作の経験を増やす必要がある。場合によっては溜め池から水が入れられる4番が良いかも知れない。




 石垣島の稲作を考えるときには、小田原の状態に三ヶ月を引くと良いようだ。田植えを小田原では5月末にするとすれば、2月末ぐらいに田植えをする。小田原では稲刈りが九月末くらいになるので、石垣では6月末くらいを考えればいいようだ。石垣の方が栽培期間がいくらか短いのはこれからよく考える。

 写真はマンゲツモチを直播きした田んぼ。ぬちぐすい診療所のグループが担当である。3月27日に播種したので、4週間と4日となる。苗の大きさは4.5葉期であれば、遅れ気味ではあるが健全な成長である。今のところまあまあの成長である。

 でこぼこでコロガシが大変だったと思うが、良くここまで水を回したと思う。あと一息で田んぼになる。ともかく水がここまで行きにくくなっている。最後の田んぼと言うこともあり、水はずーと不足気味になっている。だから同じコロガシでも苦労が多いいことだろう。先日転がそうとしたら水が無くて、急遽溜め池の水を開いて回したらしい。今日も又やる必要があるかも知れない。

 しかしほどほどの成長になってきている。8番田んぼの直播きを見ると石垣の田んぼには直播きが向いていることは間違いない。直播きは風による停滞が無いから、確実に成長をする。直播きは田植えも苗を育てることもいらない。しかも自然農法の本来の形である。

 直播き栽培では、どのような状態の田んぼに種を蒔くことが良いのかが重要になる。先ずは代掻きを充分に行い、田んぼが平らなこと。この点でこの田んぼは高低差がかなりあった。わざと様々な条件で蒔いてみた方が良いと考えていた。そしてどこもほどほどの発芽はした。むしろスジ蒔きで苗が多すぎる。

 少し肥料が足りないようだ。分ゲツ肥を入れた方が良いように見える。まだどこの田んぼの土壌も肥料が不足だ。2袋よみがえり堆肥を買ってきた。分ゲツ肥料として入れた方が良い状態かと思う。全体に株が細い。分ゲツは始まっている。

 この田んぼの経験を生かして、4月24日に小田原では点蒔きを行った。30センチ角に三粒程度播種した。この結果はまだ出ていないが、26日には半分位は発芽していた。点蒔きの方があとで、縦横にコロガシがかけられるので、後の状態が良いことは確かだ。


 2番田んぼから下の方の田んぼを写している。3番田んぼの真ん中辺りが、黄色くなっている。左側は緑が濃い。穂が出始めたところだ。遅れていたが大分良くなった。コロガシを随分やった成果が出ている。黄色い辺りは地面が高かったので、削って左右に土を移動した部分だ。土を削った後はどの田んぼでもすぐ分かる黄色である。

 田んぼがよみがえり堆肥を2袋穂肥として追肥をした。それでかなり色が戻った。石垣の田んぼは肥料の分解が早いせいか、有機肥料の効果もすぐに出る。またすぐ肥料が消耗してしまい、効果のある期間も短い。

 3番田んぼは田植えが2月23日だから、二ヶ月経過して穂が出始めたところだ。あと1ヶ月半から二ヶ月で稲刈りほぼ予定通りの結果とは言える。生育は田植えからの2週間の停滞が結局穂が出るところまで影響した。大苗は石垣島で風で活着が遅れる。

 二枚葉が足りないまま止葉になった。来年は少なくとも大苗の田植えは止めにするつもりだ。苗代を作って苗を作るよりも直播きの方が、楽だし石垣島の気候と土壌には適合している。風による田植え後の活着の遅れが無い事が一番適している。そして土壌の浸透性が無いから、代掻き直播きでも水がすぐ溜まる。

 問題は草だろう。今のところは水田雑草はほぼ無い状態なので、問題は起きていないが、そのうち草は生えてくるはずだ。これをどう抑えて直播きが出来るかという問題が出てくるはずだ。今はため池には出ているコナギに種を付けさせないですべて抜き取ることが重要だろう。


 2番田んぼである。3月2日の田植えだ。品種はトヨノカである。やはり削った辺りが黄色で生育が悪い。生育の悪いところから穂が出始めている。黄色い辺りだけ株自体が大きくは育たなかった。一般的に植物は弱ると花を咲かせるとか、実を付けるという現象が起きるのと同じだろう。

 この田んぼをみていると、原野から田んぼにした場合の1年目の状態と言うことなのだろう。肥料不足には見えなかったのだから、トヨメキが石垣の気候に適合しないと考えて良いと思う。石垣に合う品種を探すことがさらに重要である。

 たぶん石垣の気候に合う品種は台湾での稲作で注目されている、インディカ米とコシヒカリを掛け合わせたという品種だと思われる。この品種を使えば、畝取りが出来るところまで行けると思っている。どうやって種籾を手に入れるかである。

 

 ここは7番田んぼ、三線のグループが担当している。福仲先生が貰ってきてくれたヒトメボレの機械苗を3本植えにした田んぼである。4月3日が田植えだったから、3週ちょっと経過したところである。

 小さい2.5葉期の機械苗は風による被害は少なかった。本来6葉期になっていて良いのだろうが、まだ、4葉期ぐらいである。そう考えるとやはり、稚苗でもやはり活着までの1週間の停滞はあったと言うことになる。それでも今のところはまあまあの成長である。

 ここは肥料不足のためよみがえりを分ゲツ肥として追加して投入した。それが良い効果を上げてきている。やはり土壌が肥料不足と言うことが分かる。肥料が多すぎて病気が出るのが怖くて、余り多くは肥料が入れられなかった。今のところは健全な株に成長している。

 

 溜め池の水の湧く辺りである。草刈りをしなければならない。29日にやれた。水神を囲んで月桃を残してあるのだが、月桃がきれいに咲いている。なかなかいいものだ。草を刈らないとよく分からなくなっているのだが、この辺りにはサガリバナの苗がある。

 今度果樹苗の植え替えが終わったら、この辺りにまず置いておき、養成をしたい。3分の2は終わった。来年の2月まで管理することになる。


 これがシャンティー農園の苗である。50本ぐらいある。これを一回り大きな鉢に植え換えをしなければならない。 

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