オスプレイ配備の占領下的進め方

   

アメリカ軍がヘリコプターに変わる、オスプレーという飛行機と、ヘリコプターと合わせたようなものを、日本の基地に配備することになった。アメリカの当初の方針では、日本に対する配慮など不要と考えていたようだ。日本のような勝手に使える便利な所で、練習を重ねることが当然という考えだ。アメリカ本国で訓練を行えば、アメリカ人が死ぬかもしれない。日本なら気兼ねなく訓練が出来る。言い過ぎもあるが、アメリカ軍にはそれに近い気分が存在した。だから、日本政府も当初は「アメリカ軍の装備について、あれこれ口をはさむことは出来ない。」と言う発言をした。事故そのものも従来の飛行機より少ないなど、虚偽の報告まで行った。その政府の奴隷的態度が反発を招いた。すると日本政府は、日本独自に事故原因を調査すると言う意味のわからないことを言い出した。どうやって、オスプレーの事故原因を日本政府が把握分析できるのか、馬鹿げている。どうせアメリカ軍の言う事を、鵜呑みにする以外にない。

人的原因である。運転操作ミスである。こういう結論をオオム返しで政府が報告している。何か恥ずかしくなる。こんな茶番のパフォーマンスで国民が納得すると考えている愚かさが、情けない。これが日本政府の劣化したレベルだ。多分官僚の本気の協力が得られないのだろう。問題はオスプレーが安全なものかどうかより、この進め方にあることに気づくべきだ。日本政府が日本人の安全に責任を持とうとしない。アメリカ軍の言うことには従うしかないという、主権意識の欠落である。すでに、岩国基地に運び込んでいる。こういう神経を逆なでするような、既成事実を押しつける手法は、今どき通用しない。あのときのいい訳が、輸送を民間にお願いするので、運行の都合があるなどと暴言で弁解した。馬鹿にするのもいい加減にしてほしい。すぐに解決すると軽く考えている証拠だ。

オスプレーは全く新しい様式の飛行機である。新規の方式の機械であれば、しばらくは事故や故障が起こる。人為ミスも多発する。アメリカでのトヨタたたきを思い出してみればいい。自動車だって新型車の方が故障が多いので、しばらくしてから買った方がいいと言われる位だ。しかも、運転方法が、飛行機ともヘリコプターとも違う。多分コンピューター制御で、あの上向きのプロペラを横向きに変えるのだろう。そのタイミングは風の影響が強いだろう。上昇してから横向きに変えるなどと言う経験はどのパイロットも初めてのことだ。運転に慣れるまでは、失敗をするのは当たり前だ。その練習を地形の複雑な、人家の多い日本でやろうと言うことなのだ。日本にしてみたら、訓練飛行はどこか人のいない所で十分にやって、上手く成ってから日本に配備すればいい、と主張するのが普通だ。どうもアメリカでも訓練飛行に反対があるらしい。そこで、受け入れざる得ない日本でやろうと言う事ではなかったのか。

軍備については無知だが、ヘリコプターより良さそうに見える。飛行距離、乗車人員。日本向きに見える。もし、充分安全性が確保された上ならば、配備そのものがおかしい訳ではない。沖縄に配備して、尖閣諸島など、国境警備に当たるなどタイミングが良すぎるくらいだ。しかし、日本政府として行うことは、沖縄の基地軽減である。絆とか分かち合うとか言いながら、自分のところは別だと言うのが、大半の日本人だ。これでは核廃棄物でも、軍事基地でも、弱い所に押し付けて政治の力が及ばない。沖縄がオスプレー反対集会に10万人が集まったそうだ。基地経済とか、基地地主とか言われながらも、沖縄の怒りは沸騰している。この状況を知らぬ存ぜぬでは、日本人として許されないだろう。日本の基地をどうするのか。国防をどうするのか。私はいつも書くことだが、国際災害援助隊を作り、その活動が認知されるに従い、自衛隊の縮小。米軍基地の撤廃。こう考えている。そうした方角を示すことこそ重要ではないかと思う。

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