イノシシの被害続く
イノシシにやられた。何とか逃れていたのだが、今年の稲はついにやられた。ハザ掛けしてから連日やられてきた。精神的にダメージがある。ため息の連発である。ため息をついて何とかこらえている。それでこのことに触れられないできた。ああ一年頑張ってきたのに、イノシシのおかげでなんということか。ショックが大きいものだ。耐え難いものがある。肉親を失ったような、それは大げさか。お米をキロいくらで考える人には、1万円落としたというぐらいのことかもしれないが、ああ全く違うものだ。岩手の兄が冷害の年に自殺者が急増するので、回っていると言っていた。そのお米に対する思いは少し理解できた。このどこにも持ってゆけない理不尽。お天道様につばを吐いても、どうにもならない絶望感。たかがお米が100キロ食べられても、大したことはないはずなのだが、そういうものではない。ああもったいない。
最初は上の家のお米を食べていた。一番山際である。随分柵がしてあるがそれでも回り込まれてしまう。柵ですっかり囲めれば可能だが、複雑な地形だし少々の手間では無理な気がする。1枚の田んぼをすっかり踏みつぶしてしまった。その次は下の家である。下の家は去年もやられたから、やはり柵を作った。しかし今年もやられた。1枚の半分をつぶされた。上の田んぼの稲刈りが終わり、下の田んぼの稲刈りも終わった。ハザ掛けをしないから、田んぼから餌が無くなった。さて我が舟原田んぼだった。高く、ハザ掛けをしたが、何のことはなく届いてしまった。用心が足りなかった。なにしろ道路際まで歩きまわるようになったから、どこからでも入れる。昨日と今日、夜何度か見に行った。歩いている。1頭の60キロぐらいの中イノシシだ。随分と太っている。お米をたっぷり食べて栄養充分である。イノシシというよりコロコロ豚のような体形だ。
イノシシが暮らしている以上。来年はハザ掛けは出来ない。さてどうする。機械乾燥にはしたくない。二通り考えられる。普通にコンバインで稲刈りをする。今までより楽なことだ。そのお米を旧養鶏場の床にブルーシートを広げて、干す。扇風機をかけておけば案外に早く乾くだろう。これは前から考えていたことで、長雨にやられることも無いし、ハザ掛けが多風で倒されることも無くなる。毎日掻き回しだけは行う。多分3日もあれば乾いてしまう気がする。もう一つはハザ掛けを旧養鶏場で行う。養鶏場の中に何段にもパイプを渡し、すべてのお米をこの中で乾燥させる。これは運搬が課題だろう。ケイトラで運べば、小屋の中まで入れるから、ケイトラ20往復ぐらいだろうか。一回の往復に30分なら、2台を交互に使えば5時間あれば運べる。可能なことかもしれない。バインダーで刈る人が二人。車まで運ぶ人二人。車で運ぶ人を二人。懸ける人が二人。8人がいれば可能か。
実はもう一つ思い切ったやり方がある。イノシシを退治することだ。くくりわなを仕掛ける。だいたい出て来る獣道もわかっている。住んでいる場所も目干しはつく。これにはまずくくりわなの資格をとることだ。集落での了解も得ないといけないだろう。くくりわなは人間がかかったとしても、危険という訳ではないので、了解してもらえるかもしれない。上の田んぼの方、下の田んぼの方と、相談で進めたらどうだろうか。今年は旧養鶏場の下で麦を作る。これはイノシシはどうだろうか。電柵をしなくてだめなのかもしれない。様々大変なことである。しかし、全国で今起きていることは、この状況よりはるかに深刻なことが起きている。山の中の集落の谷戸田であれば、もう防ぎようもなく諦めざる得ないだろう。ということは集落そのものが消えて行くということになる。
昨日の自給作業:稲刈り9時間(籾袋61袋) 累計時間:27時間