稲刈り
2ヶ所の稲刈りが行われた。「月の田んぼ」と「めだか田んぼ」である。どちらも小さな田んぼではあるが、とても良く出来ていた。特徴としては、雑草のない田んぼであった。稲刈り後の状態を見ても、小さなコナギがある程度で稲に影響するような雑草はなかった。草をとったというより、抑草が上手く行った田んぼである。深水を続けた。8センチ以上の深水を続ければ、ヒエが抑えられることはここでも明らかだ。昔であれば、そんなにジャブジャブ水を使ってと怒られる所であろう。今の時代、大抵の場所で水は充分ある。それでもお年寄りには、時にそんなに水を使ってだっちょもねぇこんだ。などと多分水争いがあった名残なのだろう。深水管理をもう少し書いておけば、稲ががっしりと大きく育つ。茎が太い。葉が厚い。穂が大きい。粒張りが良い。分けつは1本手植え5葉苗で、13から、23程度。問題点は無効分けつが増える。
もう一つの抑草がソバカスの田植え直後から1ヶ月間の連続散布。ソバカスが何かというと、蕎麦の実のから、枕に入れる奴ではない。蕎麦殻のケバの事。蕎麦製粉工場では最初に殻からソバノケバをとるらしい。パウダー上のきわめて軽いものだ。米袋1袋で10キロぐらいのもの。ソバカスと勝手に呼んでいる。ソバカスを田植えが終わり水を張ったら、すぐ表面を覆うように播く、できる限り1ヶ月表面を覆い続ける。もちろんそんなことは出来ないのだから、出来る範囲でいい。朝水周りのときに、気がついたら蒔いている。ソバカスは土壌にも良い影響がある。微生物のえさになる。生き物が死ぬ事はない。米糠のように臭くなる事はない。この二つの田んぼでは成功したが、草を生やした失敗した田んぼもある。ひつこくソバカスが撒けない田んぼである。深水も同じである。手間暇がかかると言う事。この手間暇がかけられないというのが、今の時代の農法である。
草さえ出さなければ、お米が取れないでもいい。などと昔は負け惜しみを言っていたが、最近は充分採れるようになった。稲刈りをすると、3束を握るのが精一杯であった。ずっしりと穂も重い。めだか田んぼの稲刈りは、午後少しやる程度で終わった。手刈りをした。水がまだ入ってくる田んぼだから、地面は田植えの時と変わらないような状態。こんな状態では普通の農家さんなら、間違っても耕作する気にならないだろう。機械は全く使えない。農の会のグループ田んぼだからこそ出来た田んぼだ。それにしても農道から、ジャブジャブ水が入ってくるのだ。来年は直してもらえないなら、止めようと思う。県土木の担当者の話では、農道は市の担当だから、手が出せないと言う事で昔のままなのだ。めだかの保全のためだと思うからやったが、やはり普通に出来ないと困る。
来年は、この二つの田んぼは1家族の田んぼにしたいと思う。月の田んぼの岩越さんは、類希な観察力がある。岩越さんには大きな田んぼで、充分に耕作して貰い、平成の福岡正信になってもらいたい。それぐらいの可能性を秘めていると思っている。メダカ田んぼも月の田んぼも、1家族がやるにはちょうど良い大きさの田んぼだ。栽培の手伝いは私が行うとして、家族田んぼとして、誰か担当したい人はいないだろうか。天候にもよるが、めだかたんぼは1週間もすれば、脱穀になる。しかし、驚いたことに月の田んぼは、1ヶ月干すのだそうだ。いや干すのではなく、天日で熟成させるのだそうだ。ともかく尋常ではない。新月1日前刈りなら、1ヶ月干せるのだそうだ。絶対にかびることはないそうだ。同じ苗で、3通りの農法が行われた。稲刈りも新月を挿んで、前後している。是非とも、食べ比べをしたいものだ。