生ごみ堆肥化の疑問点整理

   

もりもりさんからとても重要な、指摘がありました。多くの方が、特に農家の方からよく聞く疑問点の指摘でもあります。環境問題では、こうした課題の議論が、数値化されて議論される事が先ずありません。「堆肥化は農地の土壌汚染になる。農地をゴミ捨て場にするな。」注意深く考えなければならないことです。土壌の汚染実態と言うより、イメージが先行する議論になります。又もりもりさんの議論の前半にある、選定枝の利用法も様々です。私は畜産で床に使うことを提案してきました。もりもりさんの指摘されているように、土の道を復活させて、選定枝を圧縮して敷き詰める方法も聞いています。燃やされているものが大半と言う現実。あらゆる利用法を複合して、燃やさないことを探って行くと言う事でしょう。その一つに堆肥化がある。とかんがえていますが、選定枝の堆肥化は市の検討委員会では、議論の枠には入れられていません。

又、もりもりさんからの提出の論文があるとの事ですが、どこかに掲載されているのでしょうか。もしそうでない場合は、送っていただけると、とてもありがたいのですが。是否、ここでも問題点、疑問点を聞かせていただくとありがたいです。今思いつく、生ごみの堆肥化といった場合検討しなければならない科学的な分析。
1、土壌学的に、生ごみ由来の堆肥を入れた場合の土壌の変化の研究の精査。専門研究機関での研究成果の検索 
2、農薬、化学肥料の作物残留物の蓄積問題と、堆肥への残留。農地への蓄積。
3、外来生物の蔓延。

環境問題の場合、ヒステリックな感情問題として、ファッショ化することが良くあります。ただ、「焼却の方が安全である。」と言う場合、論の立て方としては正しいのですが、悪く利用される危険があります。同様の主張を市議会の本会議で言われた市議会議員の方がいます。焼却論を後押しする、企業の論理があるからです。焼却炉メーカーは当然そうです。様々な大企業が競って、大型焼却炉を開発合戦しています。日本のメーカーの炉は50%程度、外国製の炉より高いと言う指摘もあります。また、多くの企業が製造者責任論から逃れることが出来ます。燃やしてしまえば同じことだと、本来作るべきでないような化学物質を合成しています。それらを混合して1000度近い高温で焼却する。ここで起こる未知のリスクが、まさに環境ホルモンの課題です。スラグ化すれば、流出しないと言うこともまだ結論が出ていません。路面材に使うと言う事が、溶融灰の再資源化となっているが、これで安全だとはちょっと思えません。

もりもりさんの指摘「残留性の諸科学物質が定常的に日本の土地に蓄積されていく可能性があります。外来生物の種子は? 環境ホルモンは? 特に調理済みの食べ残しなどには、食品添加物や、塩分などが含まれます。そこまで、知識をもって、台所で分別ができるでしょうか。少し心配しすぎでしょうか。一度システムが出来てしまうと、長期にわたり物質は供給されます。分からない位のものでも、時間をかけて蓄積されれば、ある時点で取り戻しが出来ない事になります。」
江戸時代なら、起こらない不安です。生ごみどころか、糞尿に到るまで、土壌還元され循環されていました。50年後にそこを目指す事しかないと考えています。そこに到るまで、今の社会はあくまで過度期です。不充分ではあるが、妥協的な手法をとるしかないという事です。妥協的にまだ増しなほうしか選択肢はない。だから、堆肥化は5年で10%を目指し、10年で50%を目指し、50年かけて100%です。

何故、そこまでして焼却を止め、堆肥化を目指すのかと言えば、そうしなければ人類は不時着できないからです。燃やして済ませてゆけば、人類は50年後には、取り返しの付かない、危ない所に立ち尽くしているはずです。今舵取りを変えれば、かろうじて間に合う可能性があるという困った状況です。CO2にしても、焼却では25%の削減は無理です。中国やインドに考えてもらうためには、日本が今の中国人レベルのCO2排出の暮らしに戻るしかない。もりもりさんの言われるように、輸入も出来る限り止める。物質をやたらに掘り起こし、移動かく乱する様な、生活様式を変えてゆく。この遠くの目標が議論がないまま、小手先の手法の問題だけを論議するのでは、燃やす事も選択肢に入ってくるのではないでしょうか。

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