韓国人工衛星と田母神発言
誰もがミサイルと呼ばない、韓国の人工衛星の打ち上げが失敗した。このロケット打ち上げに対し、日本政府は日本領空を飛ぶ事に抗議したのだろうか。北朝鮮のロケット打ち上げのときは、今にも日本に落下する。どのコースをを通るから、打ち上げ何分後には、どこあたりだ。一段目が切り離されたら、どうだあこうだあ。自衛隊は対空ミサイルの配備までした。戦時体制のように、煽動するような報道が行われた。当日は生中継から、臨時ニュース号外である。韓国の打ち上げの軌道も、以前の発表では、南方方面の日本領区を通過するはずだったが。静かなものである。戦略的に見れば確かに違うものである。韓国の日本の友好理解は随分深くなっている。李承晩政権時代を思えば隔世の感がある。それゆえに、北朝鮮に対する態度は、ほめられたものではない。同じく平明に扱わない限り、北朝鮮との和解は遠い。
発表当初は7月打ち上げ予定だった。ロシアの技術支援によるという。何故アメリカでないのかは不思議である。その上に、一度成功したと発表して、その後失敗に訂正。なかなかロケットは難しい。日本のロケット打ち上げも「成功」を繰り返し、実は失敗だった事が後でバレル。北朝鮮は成功発表のままだが、誰も成功したとは思っていない。アメリカが月に行ったなど嘘だという人もいる。ロケット打ち上げは、怪しげなことがある。見えない所の話だから、いつも大本営的発表。日本の北朝鮮監視衛星は上手く機能しているのだろうか。大規模災害等への対応に備えるという目的を付け加えた「情報収集衛星」。事実上の偵察衛星の保有を日本はしている。今後毎年打ち上げてゆく。しかし、北朝鮮のロケット基地の写真はアメリカの物が出てくるが、日本も同じレベルの精度監視能力の衛星のはずだが、一度も写真を見た事がない。600億円もするというが、本当に機能しているのだろうか。打ち上げた事にして、何もしないのも安上がりでいいか。
同日、元幕僚長の田母神氏が広島の平和式に集まるのは「被爆者はほとんどいない」「並んでいるのは左翼」ととんでもない発言をした。日本の保守派の知的レベルを象徴している。こんな情報収集能力のない人間が、幕僚長であったというだけでも、自衛隊の人的能力について、相当に不安になる。広島に集まる人が左翼で、そこで挨拶をする、保守派の自民党の総理大臣という構図はどう考えればいいのだろうか。多分、田母神氏のような核武装論者には、麻生首相も左翼思想の持ち主と見えるのだろう。田母神氏は講演活動で全国を回り、人を相当に集めるらしい。日本の軍国主義者たちが、あんな知的レベルの人物を持ち上げておいて、平気でいるのが不思議だ。田母神氏の情報収集は広島の友人から聞いたとの事だ。なかなかの友人である。信頼する諜報先がこのレベルでは作戦が立てられない。
北朝鮮が日本人を多数拉致している。日本人だけでない。韓国からも他のアジアの国からも人を拉致している。この理由が良くわからない。在日の朝鮮人は地上天国を信じて、随分帰還した。諜報活動に使う、生の人的情報が欲しいなら、この人達から聞けばいい。あれだけ韓国との離散家族が存在するのに、まだ韓国から拉致を行う。多分それほどに不安にさいなまれ、妄想が起きていたとしか思えない。田母神氏も同じではないか。広島平和式に集まるというだけで、左翼革命家たちとでも見えてしまうのだろう。優越的武力を持たなければ、安心できない人間というのは、妄想を育む。大阪で改革クラブの選挙応援をしていたというから、改革クラブは喜んでいるのか。悲しんでいるのか。大打撃だろうと思うが、むしろ、支持者が増えると考えるのか。もうすぐに結果はわかる。