「生ごみ発電」コスト20倍
愛知万博で、実験的に行われた、生ごみの発電経費はかさみ、1キロワット時当たり285円かかり、電力会社の一般電力の約14円に比べると約20倍に上ると試算した。これは山北に計画された「エコループ」の1つの対立点だった。我々の試算した所では、、とても経済的に成り立つものでない。これは見せかけだろうと考えた。生ごみ発電が、環境負荷が少ないのかどうか。充分検討されなければならない。環境省では、大型の溶融炉と、生ごみのメタン化施設を、補助対象のごみ処理法としている。所が、溶融炉の方は、連続燃焼が必要。ごみは減らしたいが、減ると燃やすものが無く成るという、この自己矛盾から、溶融炉導入には、二の足を踏む自治体もある。そこで、生ごみのメタン化施設も補助対象に加えた。生ごみを燃やさないで処理する考え方は、基本的には評価できる。鎌倉や横須賀などもこれを取り入れると表明している。所が、実際の所は、生ごみ処理に莫大な費用が生ずるようだ。北海道の実験施設の結果分析が充分なされる必要がある。
現在広域化が検討されている、小田原市を含めた地域で考えると、日量351トンのごみが出ている。30%を生ごみとして、100トン程度の生ごみが毎日出る。これを、メタン化施設で全量処理しようとすると、1ヶ月置いておくようなので、何と3000トンの生ごみを入れる、巨大なタンクが必要になる。これに水を加えると言う事も出てくるので、その倍の大きさは必要だろう。1トン一㎥としたら、6000㎥のタンクだ。底辺200㎡で高さが30メートル。これに加えて、ガスを発生させて、集めなくては成らない。だからたぶん更にこの倍の大きさの施設が必要に成だろう。こんな大規模の施設を作れという要請は、実は溶鉱炉を作るような企業からの要請が背景にある。道路と同じ構図なのだ。大きな施設を作る計画は、先の見通しが無く進むことがある。
御殿場小山・RDFセンターの例がある。企業が先行き有利な夢のような方法だというので、先進的に取り入れた。所がこれが事故続き。改修の連続。安定してからも、ごみ処理費が、何倍かになっていた。そのため裁判になった。結局和解になったようだが。大きな負の遺産を残した。生ごみの巨大処理施設は、この2の舞いの可能性が高い。その良い例が、愛知万博の施設だった。万博の際は、出るごみをすべて生ごみ発電するというので、アピールしていたが、結局は到底実用には程遠い。何せ20倍の発電コストに成るという。小田原でもごみ処理法を、どのようにするか。今検討がされている。特に、生ごみをどのように処理するかは、広域化に伴い、一番の検討課題だろう。3人の市長候補には、是非聞いてみたいところだ。
生ごみを集めない町がある。集めないでも処理できる地域環境もあるのだ。小田原で言えば、舟原はそうだ。例えば、生ごみを集めない事を認めた自治会では、その経費軽減分を自治会に返す。自治会ではこの費用を使い、環境対策をする。例えば、自治会単位の生ごみ堆肥施設を運営する。あるいは、自治会費をなくす。貯めて、公民館の立て替えの積み立てに加える。これがマンションなら、その規模にあう、生ごみ処理機を設置する。努力すれば、その分メリットがある。これがごみ処理のこれからの考え方だと思う。ごみを減らす努力をした人には、見返りがある。もしごみから、生ごみが無くなれば、大きな焼却施設は要らなくなる。ここが大事な考え方だろう。集めてしまえば、どんな理想的な方法でも、環境負荷が高まる。生ごみは製造者責任という訳にはいかない。どこまで、生ごみを自己責任に出来るか。ここを考えることが、ごみ処理費の軽減に繋がる。