のぼたん農園でこれからやりたいこと

   



 10番畑。ここに渡部さんが、大豆と苗代で余った種籾にマイコス菌をまぶして直まきをした。一週間たつが、まだ何も芽が出ない。水の不足するのぼたん農園なので、マイコス菌は有望ではないかと期待している。早く発芽してくれないかと思っているが、まだ芽は出てこない。不安になる。

 のぼたん農園は自給のための体験農場である。やりたいことは次々に出てくる。のぼたん農園で絵を描いていると、あれもやりたいと思わす突き動かされるものが、次々に出てくる。そんな誰にでもあるだろう、思いつきを実現してしまうのが、のぼたん農園の希望である。

 いままでいろいろ手がけてきた。自給の田んぼ。自給の野菜畑。3つの溜め池作り。井戸掘り。水牛池づくり。自給のサトウキビ栽培。自給のためのパイナップル栽培。自給の柑橘のための畑。自給のための大豆と小麦の畑。これも気に取り付けた自然蘭園。熱帯睡蓮池。

 自給の熱帯果樹園。自給のコーヒー園。自給のための共同機械小屋。のぼたん自生地の整備。水源の森作り。水牛放牧地のABCの3。3年間でずいぶんのものを作ったものだと思う。ここまででも十分面白かった。何もないところから、やりたいことを思いついては進めてきた。

 湧き水だけがあり、あとは何もない場所とと言うことで自由な発想が出来た。大きな構想としては、修学院離宮の自給農園。思いつきで始めてしまうので管理が十分ではなく、まだまだ良い状態まで進んだものは少ないが、着実に前進はしている。だめで元々の気持ちで、やりたいことはためらわずに始めることにしている。

 最近作られているのが、トゥリーハウス。ヤラブの大木を見たときからの夢だった。といっても、どちらかと言えば、トゥリーテラスという感じだ。これは中村さんがどんどん進めてくれたものだ。寝袋で一晩泊まってみたいと思っている。夜ののぼたん農園をヤラブの木の上で過ごしてみたい。子供の頃に穴を掘り、中で一晩過ごしたことを思い出す。

 結局の所、子供の頃の夢を次々に実現しているのが、のぼたん農園である。子供の夢の実現の場所。こんな面白い場所が出来つつあるのは、多様な参加者の力だ。誰もが一人の自給のためにやりたいことを、難しいとは思いながらも、思い思いに自由に挑戦してみる農場でありたい。

 一人一人のとんでもない夢を、挑戦することが可能な場所にしたい。先日自然農は十分な収穫まで7年かかると書かれたものを読んだ。有機農業は5年かかる。ただし、始まりの方角が間違っていれば、10年たっても何も生まれない。正しい方角とはどちらなのだろうか。

 科学的思考である。様々に空想的農法が主張されている。それぞれが勝手なことを唱えているので、間違えた方角に向かって始めてしまう人がいる。あり得ない農法が、あり得るように言われている。方角の間違いに気づく能力こそ重要である。挑戦は素晴らしいが常に冷静な反省が必要である。

 のぼたん農園は永遠に途中経過なのかもしれない。夢というものはそういうものだろう。夢は実現すると次の夢が現われるものだ。きっとまだ気づいてもいない夢がある。ごろ寝する小屋。これはインスタントハウスで実現するつもりだ。頼めば出来るのだから、割合簡単な夢だ。

 寝るところがあれば、次の夢は竃、かまどである。竃は以前も作ったことがあるが、ご飯の炊ける竃である。おいしい竃ご飯を食べたいと言うことだ。燃料の薪はいくらでものぼたん農園にはある。琉球石灰岩で作ればいいと思っている。時間が空けば次に手がけるものになる。

 次の大仕事は水牛サトウキビ絞り場所である。毎年、宮良小学校で行われているので、次はのぼたん農園でもいつでも行える場所を作りたいと考えている。やいま村では以前やっていたらしいが、いまは止めている。食品衛生法上の問題らしい。販売しなければいいわけだろう。

 のぼたん農園ではサトウキビ畑がある。そのサトウキビを1本いくらで販売することは出来る。サトウキビ畑にゆき、自分で刈り取ってくるところが、のぼたん農園らしくて面白い。そして自分で絞りたければ絞るという自給の考え方。自己責任で、水牛サトウキビ絞りが出来る。そんな形ならば、問題がないかもしれない。

 水牛の活用を考えたい。伝統農業の水牛利用に加えて、観光と結びつく形で、水牛を生かさなければならない。水牛はなかなか面白い動物だし、もぅっと水牛を生かした使い方があるはずだ。そうしなければ、水牛を家畜として飼うことは、出来なくなるかもしれない。

 倉庫を田んぼのそばに移したい。2つのコンテナを並べてその間と周囲にコンクリートの床を作る。ユンボやトラックターなどを止めておく。水道も引く。人が集まるときにはそこが休憩場所になる。屋根の上も上がれるようにすれば、眺めの良いテラスも出来るだろう。

 そして次の最大の課題が、水牛牧場作りである。一段下の平地に水牛の居場所をつくる。そこへのぼたん農園から降りて行く道を作る必要がある。下の農地に放牧地と溜め池を作り、出来れば田んぼも作りたい。そうすればいつも水のある田んぼになる。

 これにはどうしてもユンボが必要になる。ユンボを借りるのか購入するのかも考える必要がある。ユンボを買って、使わなくなったところで売ってしまうと言うのが良いと思っているのだが。なかなか買えないでいる。小田原の方で購入して、渡部さんに助けてもらうほかないのか。

 ユンボが来たらやることが山ほどある。この前並べてみたら10はあった。3番溜め池の下の堤をしっかりとした幅のあるものにして、3番溜め池を今の倍は水のたまる溜め池にしたい。強い雨は降るのだから、そのときに蓄えることが出来ればと思う。

 黒糖絞り場所とインスタントハウスの設置場所の整地。水牛車の水平道づくり。2番田んぼの畦直し。12番畑の脇を通る、トゥリーテラスへの道づくり。上の駐車場作り。道路の直し。8,9,10番畑の畦の直し。放牧地内の作業道の直し。

 やりたいことが沢山あって大変だと思っているわけではない。やる方がいいことがあるというのが、張り合いになっている。のぼたん農園の名前の由来はのぼたんの自生地があったためだ。今では石垣島でも少なくなったといわれている。

 自生地の管理はなかなか出来なかった。最近頑張って自生地の雑草の草刈りをした。かなり大変なことだったが、なんとか進めることが出来た。もう一息である。今年ののぼたん花祭りは楽しみである。溜め池もかなりきれいになったし、睡蓮祭りも悪くない。

 水牛をつないで、木陰にシートを引いて食事をする。嶋田さんや福仲先生にに歌ってもらったら最高ではないか。のぼたん農園は楽しさ満載である。誰でもいつからでも参加してもらえる。人は多い方が楽しい。旅行に来て参加してくれてもその日から仲間になれる。

 

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