コロナのミンク養殖との関連

   



 動物から人に新型コロナウイルスが感染した例が相次いで報告されている。香港でハムスター、カナダで野生のオジロジカからの感染例があり、既知のミンクと合わせて3種の動物へ。人から動物への感染は現在20種で見つかっている。

 コロナウイルスが発生したときに、書いたことだがコロナウイルスの出現は山の奥にいるコウモリからでも、武漢の研究所からの流出でも無く、ミンクの養殖場からの流出では無いかと推測した。それは今でもそう思っている。それほどミンク養殖は危険なものだ。

 何故かそういう意見はどこからも出てこない。恐ろしすぎる推測だから、出てこないのだろうか。ミンクの養殖場は劣悪な環境である。毛皮を採るためのものだから、エサや薬剤の安全性が軽視されている。日本の北海道で行われているものを映像で見たことがあるが、いつでも病気が出るひどいものだった。今は無くなっている。

 中国のミンク養殖場の実態は知らない。実態は知らないが、想像しがたいほどの巨大なミンク工場で生産されていると思われる。デンマークで1700万匹のミンクが殺処分の対象 になった。中国ではどうなのだろうか。

 秘密裏に殺処分が行われているのだろうか。そんなことは無い、人目に触れないように、競争相手が殺処分しているとすれば、今こそ儲かるときだとばかりに、規模拡大をしているに違いない。儲かると言うこと以上に大切なことなど無い国柄。

 日本に輸入されているミンクはほぼ中国産である。たぶん世界一のミンク毛皮の生産国が中国と思われる。ヨーロッパでのミンク生産はコロナパンディミックで全頭淘汰が行われた。中国も飼育を制限したとも言われているが、実態としては高騰したミンク毛皮は中国の独壇場になっているらしい。

 もしかしたら、極東ロシアにもミンク工場があるのかも知れない。何しろ、最高の毛皮はウスリー地方の野生種のテンということだ。世界の動物愛護の流れから、批判の矛先になっているミンク工場だから、その実態は分からないようになっている。

 人目に触れないような工場の中で劣悪な環境に、何10万匹のミンクが密飼いされていることだろう。場合によっては百万匹かも知れない。そうした動物工場の中で感染の連鎖が起きないはずが無い。工場の中では大量の化学物質が使われていることだろう。病気が起きないための予防薬もきついものを使うだろう。肉を食べるわけでは無いから、制限無く使われる。

 もしここで感染の連鎖が始まれば、人間にも感染する病原菌や、ウイルスの出現も容易に予測できる。鳥インフルエンザの流行は大規模畜産業に原因があると指摘した事と同じだ。動物を何万匹も密飼いすることは、新しい病気を作ることになる。

 インフルエンザには豚と鶏が関与している。コロナにはミンクが関与したと考えても不思議は無い。狂牛病もそうだったが、家畜の飼い方が恐ろしい病気を生み出す。ところがそれでも人間は肉食に傾いてゆく。人間の欲望に従い、産業は形成される。

 カナダのマニトバ大学などは2月、カナダ中東部などに生息する野生のオジロジカ約300頭のコロナウイルスの分析結果を報告した。採取した検体を調べると17頭から人で見つかっていないコロナ変異ウイルスが見つかった。コロナは随分幅広い感染をするウイルスだ。

 シカと触れる機会のあった1人から非常に似たウイルスが見つかったという。遺伝子の変異した場所から、「シカから感染した可能性が高い」と結論づけられた。人間の中での変異株が野生動物も脅かしているのかも知れない。動物はコロナで死ぬことは無いのか。だとすると、さらに新しい変異を起すと言うことになる。

 ウイルスは動物から人間は感染する。そして、人間からも動物は感染する。当然のことで、今回人間の中で、何億回もの感染の連鎖が起きている。そして様々な変異株が出現している。それは動物の中でも同じことである。感染しても元気な動物がミンクである。何が起こるか考えるだけでも怖い。

 コウモリからミンク工場のミンクに感染することがあるのかも知れない。それがミンク工場の中で、コロナ感染の連鎖が起きたならば何かが起こるか。人間に感染しやすい変異株が出現する可能性は高い。ミンクは感染しても死ぬことは無いらしいので、すさまじい感染の連鎖が起きているはずだ。

 人が触れることの無い人跡未踏の地の野生動物よりも、疑わしいのは動物工場では無いか。未開の地に危険なウイルスがいるとの決めつけは危険では無いか。あらゆる可能性を考えて次のウイルスの出現にそなえな蹴ればならない。

 世界保健機関は武漢の市場を視察しながら、中国のミンク工場は行かない。何故だろうか。問題が大規模畜産に及ぶことを誰かが制限しているのだろうか。あるいはそこまで頭が回らないのだろうか。デンマークでミンク工場が閉鎖されたぐらいだ。中国の現状を把握できるのは世界保健機構ぐらいだ。

 あるいは大規模畜産から新しい感染症が起きると言うことは考えれないことなのか。その根拠があるのであれば、世界保健機関は科学的理由を説明すべきだ。鳥インフルエンザの時にも、ネズミやゴ
キブリを介しての感染が疑われた。小さな自然養鶏では感染が起きていない。そのことはどう考えれば良いのだろうか。

 人類は平温に暮らしたいのであれば、大規模畜産を止めなければならない。先ずは毛皮の大規模飼育は禁止する。人間が生きるということは、動物を殺して生きている。きれい事では無い。あくまで妥協の産物である。菜食主義に成れとも思わない。

 肉は特別なごちそうとしていただくものであればそれでいい。ミンクの毛皮など、何世代にもわたって、受け継がれるようなものだ。大量生産して消耗し、消費されるものであっては成らない。命を頂くと言うことは特別な範囲のことにした方が良い。

 コロナは人間が暮らし方を変える方角を示している。人間が生き残るためにはこのままではいけないと言うことだ。気候変動、感染症パンディミック、侵略戦争。競争主義の結果である。拝金主義の結果である。わかりきったことだ。

 畜産を禁止する必要は無い。大規模畜産を禁止する。卵は1個230円ぐらいになる。おご馳走になる。肉は月に一回。ウナギは年に1回。コリンスキーの筆は生涯3本まで。困った。ミンクの尾の毛は切り取って、また生えてきたら切り取らせて貰う。羊と同じだ。殺してはならないと言うルールを作るのはわるくない。

 

 - Peace Cafe