平和の方向で領土問題を考えたい。

   



 どうすれば、お隣の国と仲良くなれるのか。例えば竹島問題など、明らかに両国の火種の一つである。平和裏に解決するためには、とうぜん話し合いをすべきである。今の状況を見れば、韓国とは話し合いさえできそうにもない。

 とすれば、国際裁判所に判断を仰ぎ、結論を出してもらうべきだ。それは尖閣諸島でも、北方領土でも同じである。領土問題は一日も早く解決することが、日本の安全保障ではないだろうか。

 領土問題は国の主権にかかわることで、譲ってはならないという考えがある。しかし、平和のためにはあらゆることを行うべきではないだろうか。平和の為であれば、我慢できないような我慢もすべきではないだろうか。

 領土が広いという事は国の経済から見れば、それほどの意味が無くなってきている。国民一人一人の生活と安全を考えれば、領土に固執する必要はない。小さいなことに拘っていて、隣国との対立を深める等愚の骨頂である。譲れることは譲る方が賢い選択ではないか。

 日本の島の数は6,847島、その内無人島は6,432島と国勢調査で調べられている。大半の島は無人島である。「有人国境離島地域の保全及び特定有人国境離島地域に係る地域社会の維持に関する特別措置法」が制定され、29年4月から施行されている。

 これにともない、離島の振興を図る法律は5本となった。同法の対象となる有人国境離島は148島(うち特定有人国境離島は71島)となっている。離島を維持するためには、税金の投入が必要なのだ。

 5つの離島振興法があり島は維持されているが、それにもかかわらず大半の島は人口減少が進み、経済的に補助金を入れて、やっと維持がされているというのが現実である。中山間地の消滅地域が問題にされる以上に、離島の人口減少と無人化は進んでいる。

 色丹島や国後島がロシアであって何が問題なのだろうか。歴史的に日本だと言えばそうかもしれないが、いまさらのことだと考える。ロシアと仲良くなり、旅行で行けばいいのではないだろうか。軍事力で取り返せなどと、真顔で主張する国会議員が登場する。軍事力で取り返したとすれば、その後島を維持する経費は計り知れないものがある。

 経済だけから見れば、国境の離島はすでに経済的意味は小さなものと考えていいのではないか。故郷の島の墓参という事であれば、外国に移民した人は等しく同じことである。観光であれば、むしろ海外であることの方が、良いのかもしれない。

 領土問題は何とか第3者を入れて、平和裏に解決すると気がきているのではないだろうか。そうしないと、領土問題が日本全体の平和を脅かす原因になりかねない。地下資源や、漁業権など問題もないとは言えないが、そういう事よりも、平和の方が大切ではないだろうか。もう考え方を転換する時期に来ている。

 野党も領土を失う可能性があっても解決するとは言えないでいる。選挙で不利だと考えるのだろう。国民全体が領土を絶対の価値にしていると考えるのはおかしいと思う。感情的議論は避けて、合理的に平和を目指す方が国民の利益ではないか。

 与党の方は、特にアベ政権は軍事力強化の理由に領土問題を必要としている。問題のままにしておいて、何かと騒ぎの種にして国民感情を刺激する。領海に難解侵入した、漁船が漁をしている。領空を侵犯した。その都度騒ぎにして、今にも日本を攻撃してくると主張する材料だ。

 日本としては失う覚悟で解決する時期が来ているのではないだろうか。離島振興法の補助金を考えれば、経済的には失った方ても大きな損出はない。平和のためには領土問題が無くなることは前進である。

 軍事力強化でしか日本の平和はないと考える人たちは、領土問題を軍事力強化のための世論形成に利用している。そのための憲法改定には領土問題は解決しない方がいいと考えているのだ。アベ政権のこの考え方が、ロシアとの平和交渉すら、妨げている。

 石垣島で言えば、尖閣諸島である。この島を守るために、自衛隊基地まで作ろうという事である。こうした経費は莫大なものである。そのくらいの経費をかけて、世界にこの状況を伝えてゆく。そして、国際裁判所に提訴して解決することを、中国政府に働きかける。

 この交渉の中で、両国が軍事基地にしないという約束を取り交わす必要がある。日本に所属したからと言って、軍事基地化はしない。それは北方領土でも同じことである。ロシアは北方領土に米軍基地が出来ることを一番嫌っている。

 どういう形の解決になるかはわからないが、経済的効果は相当にあるはずである。石垣島への中国人観光客は間違いなく増加する。観光は平和産業である。スイスがそうである。世界中からスイスに観光に行くのは美しい景色だけではない。

 永世中立国スイスという国の在り方の良さである。石垣島が東アジアの交流拠点になるためには、石垣島の平和である。テロのない。基地のない。戦争とは無縁の島である。裸の付き合いが出来る島である。

 - Peace Cafe